働くママのウェブマガジン

Column イラストエッセイ

山本祐布子の「子どものいる風景」縫い目が激しく見えるので、「手術の腹巻き」と名付けられました

2016.11.10

Vol.11 ママの手作り奮闘記

こんな仕事をしていると、娘のためのものを手作りするたびに

「やっぱりプロだから、きっとすごいもの作るんでしょうね」と変な期待を寄せられてしまうのが本当に辛いのです。

なにを作っても、なんともゆるい、おはずかしいものができるので、もうそんなことを言ってほしくない、と思ってはいるのですが、幼稚園ではぞうきんから靴袋やお弁当の袋まで、いろいろなものを作らなければなりません。

「なんでみんなの靴袋は固いのに、ママの作った袋はこんなにふにゃふにゃなの」との苦情まで。

ごめんね、と思いつつ、他のママが作ったしゃっきり手作りを観察しつつも、こんなの私には無理。と思う始末。

でも、さあ作るぞ!と私がやる気になり、ミシンを出したり糸や針を出すと、本当に、見るからに、嬉しそうにその時間をそばで過ごしているのです。

母と娘の手作りのプレゼント交換

お誕生日を控えたある日、二人でなにか手作りでプレゼントの交換をしよう!という約束をしました。さて困ったなにを作ろう……? 新しい材料を買いにいくひまもない。クロゼットに眠る、私の真っ赤なカーディガン。もう着ないから、マーケットにでも出そうと分けていたもの。

これを何かに……?

腹巻きだ。真っ赤な腹巻きだ。そうと決まったら潔く、じょきじょき切る!

お腹まわりを想像しながら身幅を決めたら太い毛糸で縫い縫い。それだけ。できた!

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その腹巻き。寒くなってきたこの頃には毎朝お呼びがかかることとなりました。

縫い目が激しく見えるので「手術の腹巻き」と名付けられました。

ある幼稚園のおかえりに先生からの一言。「みとちゃんの腹巻き、あれママのセーターだったんですって?」となぜか話題に。なんと幼稚園で先生にお腹を出して、見せびらかしていたのだとか。

なんとも恥ずかしい。でも、そうやってなにはともあれママが作ってくれた、そのことを喜んでくれているその様子もわかって私も嬉しくはあるのですが……。

娘からのプレゼントは何だったと思いますか?

毎朝、4時半に目覚ましがなります。

「ママーおはようー!! おきなはれーー」と大きな声。

娘のボイスメモ。

これが、娘の「手作りのプレゼント」だそうです。

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山本 祐布子(やまもと・ゆうこ)

イラストレーター。切り絵作品、ドローイング作品を中心に、雑誌、装丁はもちろん広告・エディトリアル・プロダクトと、ジャンルを超えた活動を行う。ブログやインスタグラムでは、2人の娘たちの姿や、日々の小さな出来事等を綴っている。夫の蒸留家修行を見守るため、2015年にドイツ滞在。現在は千葉在住。

yukoyamamoto.jp instagram.com/funnnyup