働くママのウェブマガジン

Column イラストエッセイ

山本祐布子の「子どものいる風景」気に入るものというのは、なんとなく自分に似ているという法則

2017.01.17

vol.13 はじめてのお年玉

お正月、おばあちゃんのお家にご挨拶に行くと、なぜかもらえる可愛い小さな袋。その中には、なにやらきらきらとしたものが一枚、二枚、入っています。

「これなあに?」

「お金だよ。これを使えば、さやちゃんの好きなものが買えるんだ、ただし、そのお金で買えるものだけだよ」

お金とはじめて出会う娘たち。長女もお金のことは知っているけれど、ただ貯金箱に集まっているコインのチョコレートと意味は同じ。

じゃあ、そのお金を持って、お買い物に行ってみようか!

お正月が終わったある日。たった小さなきっかけで、なんだかわくわく楽しいイベントです。

パパの使い古したコイン入れにそれぞれお金を入れて、自分たちの手で握りじめ、いざ街までお買い物です。ルールはもちろん、そのお財布の中に入っているお金の中でしか、お買い物はできません。

ふたりが買ったものは?

長女ははじめから決めていました。絵を描くための自分の好きな色のペンを何本か。

そのお店にいく道すがら、人気のない商店街で一つだけ開いていたがらくた雑貨屋さん。

店先に古い染め付けのお皿なんかが並んでいたんでついついママが吸い寄せられしばし立ち止まっている間に……。

「さやちゃんこれがいい」

え? なにかあった?

まさかと思って近づいてみるとその目線の先に、なぜか山積みにされたグレムリンのぬいぐるみが……。

グレムリン……。あの、怖くなっちゃうやつだよ……、? だって、微妙に可愛いのか可愛くないのかわからないような顔でさあ……、意外に高いし……。これでお財布の中身終わっちゃうし……。

なにをつぶやいてみても、次女の気持ちは変わりません。だって、好きなもの買っていいって言ったのは私だし……。

次女はお財布を取り出し、レジのお姉さんのところまで、せまい通路をつつつつっと歩いていってしまいます。

次女は大きな声で

「これください!」

はじめて自分のお金で買った、はじめての宝物。そのグレムリンは、それ以来いつもそばにいて、いつもだっこして、いつも服の中に入れて赤ちゃんみたいに大事にしている。

思えば、なんとなく次女とグレムリンは似ている。

ぺちゃんこの鼻とか……、足の感じとか……、

気に入るものというのは、なんとなく自分に似ているという法則……、こんな年齢でも、もうすでにあるのね、と妙に納得したというわけです。

そんな大事でもやはりそこは子ども。良く落としたり忘れたりしてはその度に大騒ぎ。

先日なんかは予防接種に行った病院に忘れてしまい、2日間も離れていたことがありました。

私はこっそり、ソファにいた、アンパンマンが食べられていないかが非常に心配ではありましたが……、(笑)

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山本 祐布子(やまもと・ゆうこ)

イラストレーター。切り絵作品、ドローイング作品を中心に、雑誌、装丁はもちろん広告・エディトリアル・プロダクトと、ジャンルを超えた活動を行う。ブログやインスタグラムでは、現在5歳と2歳の娘たちの姿や、日々の小さな出来事等を綴っている。夫の蒸留家修行を見守るため、2015年にドイツ滞在。いったん帰国し、ふたたびドイツへ。

yukoyamamoto.jp instagram.com/funnnyup