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Column イラストエッセイ

山本祐布子の「子どものいる風景」家族4人での、はじめての引っ越し

2017.03.26

vol.15 いつもかわらず

いつもかわらず_R

うちの夫は言います。
「うちの朝ごはんは、お正月以外364日、必ず同じものが全く同じように出る」
これは文句で言っているのではなく、ちょっとした自慢話のように語るから不思議なものです。
パン。紅茶。果物。ヨーグルト。以上。

この朝ご飯が表すように、私は、
「いつも同じ」
がとても性に合っているようなのです。逆に言うと、大きな変化をあまり好まない。
常に。いつも。規則正しく。時計の針の如く。が安心する。

夫はその正反対で、常に変化を求めて自分の時間軸でしか動かない、予測不能のタイプ。
この全く正反対の性格の二人がよくやっているなと、いつも感心するほどです。
でも、だからこそ夫はさらに大胆に行動を起こし、だからこそ私は常に刻み続ける時計のように、
お互いの性格を補うように自然に振る舞うことが習慣になってきている、そんな風にも思います。

しかしながら、今私の最も苦手とする、「大きな変化」がまさに訪れようとしています。
引っ越しです。家族4人での、はじめての引っ越し。

増えた人員のモノの多さはさることながら、卒園、入園、入学と春の大忙しの準備に、母である私はとんでもない渦に今巻き込まれています。夫も、事業の発展とともに仕事が増え、今こんな時に?!というような仕事で、とんでもなく、忙しい。

我が家の時計が、今まさに、ぐるぐると、とんでもない速さで巡り巡っている最中です。

二人の小さな時計の針は

そんな私たちにとって、子どもは、まあなんていつもどおりなんでしょう!!!

朝起きて、ご飯を食べ、着替え、歯磨き、遊び、ご飯、遊び、おやつ、テレビ、夕飯、お風呂、歯磨き、おやすみ!

今は、親に全く余裕がなくあまり向き合って遊んだりはできないのだけど、二人は二人で勝手に、
積み上がったダンボールの上によじ登ってやっほーとか、楽しそうです。
私たちはやつれても、いつもお菓子や美味しいものを食べて、元気満々です。
時々この忙しい時に、と面倒に思いますが、この、単純明快な生活リズムの人たちがいるおかげで、私たちはどんなに精神的に支えられていることか。

真夜中まで荷物をダンボールに詰め込んで、みんなの寝るベッドにようやく潜り込む。
静かな部屋に、響くは、、、
「ぐーー。すーーー。」「ぐーー。すーーー。」
二人の寝息がぴったりとそろっているではありませんか。
もうこれにはくすくすと、笑ってしまいました。

二人の小さな時計の針が、私たちの中に、いつも刻んでいます。これがあれば、私も、夫も、きっと
大丈夫なのだろうと、思います。

いよいよ旅立ちです。

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山本 祐布子(やまもと・ゆうこ)

イラストレーター。切り絵作品、ドローイング作品を中心に、雑誌、装丁はもちろん広告・エディトリアル・プロダクトと、ジャンルを超えた活動を行う。ブログやインスタグラムでは、2人の娘たちの姿や、日々の小さな出来事等を綴っている。夫の蒸留家修行を見守るため、2015年にドイツ滞在。現在は千葉在住。

yukoyamamoto.jp instagram.com/funnnyup


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