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子どもと読む絵本日本の美しい夏。子どもにどうやって伝えたらいい?

2016.08.03

こんにちは、ハナコママのmama’s STORY 担当の宮本です。こちらのページでは、自分が読んでみて気になった絵本や、読み聞かせて子どもに好評だった作品をご紹介していきます。

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今回は、はたこうしろうさんの『なつのいちにち』。2004年に出版されたもので、手元の本は17刷。すでに定番的な存在の「夏の絵本」です。

ある夏の日、男の子がひとりで森にクワガタを取りに行く、という内容。文字も少なく、特別な展開はないシンプルなお話ですが、どのページからも夏ならではの音やにおい、空気が感じられます。

冒頭、薄暗い玄関の扉をガラッと開けると、日ざしがまぶしい。地面は真っ白に光って、自分の影は真っ黒。セミの声がうるさいくらいに耳に飛び込んでくる。空の色、草のにおい。牛の前を通るともわんと生暖かくて臭かったり、森にはいると急にしんとなって、空気がひんやりしていたり。自分の中にある「夏の記憶」が一気に呼び覚まされて、ちょっとノスタルジックな気分にもなってきます。

この絵本できゅんとなるのは、おそらくママのほうだと思います。一緒に読む子どもは、夏の記憶がまだ浅くて、そこまで感情移入できないかも。でも、この豊かな夏の風景を子どもにも伝えたいから、一緒に読みたい。そしてできれば、この絵本の主人公のようなことを体験させてあげたい、と心から思います。とはいえ、現実的にはなかなか難しいですね。都会に暮らしているとなおのことです。

でも、この絵本を読んで「この感じ、夏だわー」と感動している自分でさえ、虫取り網を持って、夏の草原を走った記憶はありません。せいぜい、夏の野原を走ったらバッタがいっせいにジャンプして怖かった記憶くらい。

何十年も夏を経験しているうちに、小さな記憶が蓄積されて、「この感じ、わかる!」となっているんでしょうね。そう思うと、こんなに素敵な夏は経験させられなくても、せっせと子どもを外に連れ出して、半径50メートルの小さな夏を体にしみこませるのも大事なことかなと思えます。


『なつのいちにち』
作・はたこうしろう
学研 1000円

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