働くママのウェブマガジン

Mama子育てママを元気にするコラム&トピックス

藤田あみいの「懺悔日記」・4小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ【懺悔日記・4】

2017.02.14

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第4回・しっかりしないと

04

2014年2月17日

娘のてーたんが咳をしている。風邪?だな。赤ちゃんは具合が悪いと大泣きすると母親から聞いていたが、むしろグッタリしている。ずっと寝ている。大丈夫なのだろうか?

一昨日、友人の写真の展示会に行ってから、前にいた会社に顔をだしたのがよくなかった。誰か風邪をひいていたのだろうか? いや、そもそも、2ヶ月の子供を外に連れ出したのが悪い。こんな小さい子を4時間も外に連れ出す親はそうそういない。第2子がいてやむを得なく、などのケースならわかるが、今回は完全に私の道楽のためだ。私のせいだ。でも、どうしても外に出て、誰かと話をしたかった。なんだかそんな心境だった。

しかし、てーたんはこうして風邪をひいてしまったわけで、言い訳にならない事態だ。かかりつけの病院にかかると、まさかのRSウィルスとやらにかかっているそう。肺炎や気管支炎、脳炎を引き起こす可能性のある、怖い病気だそうだ。大人がかかるとただの風邪、しかし幼い子がかかると重症化することがあるらしい。そんなことがザっとかかれた紙切れを先生から渡された。大変なことをしてしまった。またもや冷たい汗がどっと吹き出す。慎重に様子を見る。

夜に咳がひどくなってきて、ちょっとだけ吐き戻しがあった。あわてて、大学病院の救急外来に行くと、2ヶ月と小さいので大事をとって、入院を勧められることに。長くても2.3日で退院だそうだが、ひとまず病院にいれば安心してもいい気がする。娘用のベッドは小さくて、高い檻に囲まれていた。大人用の簡易ベッドは用意されていたが、てーたんは私が側にいないと眠れない。

檻に囲まれたベッドにふたりで身を寄せて眠った。小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ。

2014年2月19日

今日の午前中にてーたんは退院をしたが、家に向かうタクシーの中で盛大に咳をし、それが止まらなくなった。大変である。

帰宅すると、夫ののっぴも仕事を休んで家にいてくれた。のっぴに抱かれた瞬間にまたもや吐いた。くさかったのか? 心配なので入院していた大学病院に電話するも、軽くあしらわれた。今退院したばっかりですよねー? そんなもんです。心配ないです。と。

RSウィルスにかかってから一番ひどい状態が、まさかの退院後だったのでとても慌ているのにこの対応。まあ忙しそうな彼らを見てると、気持ちもわからないでもないが。

やはり不安だったので、かかりつけの病院にいって診てもらった。「あら、入院していたの。でもね、RSウィルスってこういうものよ、お母さん大丈夫」と言われた。菩薩のような女の先生だ。妹のナタリーも一緒に話を聞いたが「あの先生が大丈夫っていってるなら、大丈夫な気がする」と言っていた。注意深く様子を見ながら、過ごそう。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第2回「肉体的には限界だが、休むわけにはいくまい」
第3回「涙が出そう。すべての時間が赤ちゃんまみれ」
第4回「小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ」
第5回「わからないことだらけで苦しい。どうして誰も傍にいてくれないの」
第6回「お腹の中でお星様になった子のこと」
第7回「どーでもいい細かいことがいちいち気になってしまう」
第8回「最高過ぎる実家暮らし。東京に帰るのがとても不安だ」
第9回「きっと、きっとどうにかなる。だってこんなに可愛いんだから」
第10回「汗疹がよくならない。もう何が正解なのやらわからない」
第11回「表現しがたいが、てーたんが回転するようになった」
第12回「離乳食はほとんど食べず、三角コーナー行き」
第13回「誰も言ってくれないけど、私、おつかれさま」

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子供を育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

これまでの連載一覧