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藤田あみいの「懺悔日記」・6お腹の中でお星様になった子のこと【懺悔日記・6】

2017.02.21

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第6回・お星様になった子

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2014年3月11日 

3.11だ。3年前は恐ろしかった。今年は子どもと一緒に過ごすとは……、すごい環境の変化だ。

3.11のあとに、すぐ子どもができた。危機感を感じて、体が種の存続を願ったのだろうか。

ただ、その子は、たった9週間で私のお腹の中でお星様になった。

あの時はいろいろなことを考えた。友達や家族の言葉が、あの時ほど体に染み渡ったことは、ない。

一つ一つの言葉を素直に受け止めて、つぎはぎでボロボロになった心を、みんなが塞いでくれた。

のっぴともあの時にやっと夫婦になれた気がする。いつもクールなのっぴが、大きな声を上げて泣いていた。それで私はなんとか前に進むことができた。

その結果、てーたんに会えた。今日という日があるのも奇跡としか言いようがない。無くしたものもあるが、今あるものを大切にして生きていくしかない。

2014年3月12日

目をちょっと離した隙に、てーたんがオーボールを両手で持ってかじかじしていた。すごい!

ところで、母乳を吸われると悲しい気持ちになる人が一定数いるようで、私もその一人だ。

母乳を吸われると、とても幸せな気持ち……というイメージだったが、私の場合は、吸われて三秒後くらいにものすごい切なくて、親の前で初めての彼氏とのキスを見られているような罪悪感たっぷりな気持ちになる。

調べたところそういう人もいるらしい。オキシトシンだかなんだかの不具合だそうだ。

詳しいことはよくわからないが、ぜひこの特異な体質の私を研究対象にしてもらいたいものだ。私の場合はついでに吐き気もする。吸われる→とてつもない罪悪感→オエっ。という流れである。

あまりにも母乳をあげる時のあの感情が嫌で、ミルクにしたいと思ったが、最近とてもよく母乳がでるようになってきたので、あるものは使うしかない。

また、数時間おっぱいをあげないでいると自動的にこの罪悪感モードに陥るときがある。びっくりしたのだが、オエっとなって数秒後にびゃーーーっと母乳が飛び出している。人体の不思議そのものだ。ほかのみんなはどうなのだろうか。

それにしてもおっぱいパッドに吸い込まれた母乳が臭い。でも癖になる。娘よ、こんな臭いものでいいのかい……?

2014年3月16日

今日はてーたんの100日! おめでとう! 凄まじくおめでたい気分だ。

いつものヤマネコ写真館に写真を撮りに行った。実に楽しかった。夜はお食い初め。

どきまぎしつつ懸命に作った料理を、てーたんの前に並べた。

いろいろ間違いはありつつも、割と自分で満足した。てーたんが一生食べ物に困りませぬよう、歯が丈夫になりますよう、神様仏様、ご先祖様、どうぞよろしくお願い致します。

てーたんは、並べられた料理の前でバウンサーに乗せられて泣いていた。

2014年3月18日

今日はてーたんが18時ごろからぴーっと泣いていて、すごかった。

下痢も1日8回くらいする。病院に行くべきか…明らかに行くべきのような気がするが、もうよくわからん。

それにしても魔の3ヶ月(という言葉があるのを知った)なのか、凄く泣く。

あと数日で飛行機に乗るのだが、心配だ。ベビーカーをまだ買ってなかったので、隣町のイトーヨーカドーに見に行った。

一人で行動することが多いだろうから、軽いものにしよう。とにかく軽さ重視だ。イトーヨーカドーのベビーカーにてーたんを乗せたら、すごく興味深そうに色々と周りをみていた。

なんだか嬉しくなった。おむつをMサイズにした。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第2回「肉体的には限界だが、休むわけにはいくまい」
第3回「涙が出そう。すべての時間が赤ちゃんまみれ」
第4回「小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ」
第5回「わからないことだらけで苦しい。どうして誰も傍にいてくれないの」
第6回「お腹の中でお星様になった子のこと」
第7回「どーでもいい細かいことがいちいち気になってしまう」
第8回「最高過ぎる実家暮らし。東京に帰るのがとても不安だ」
第9回「きっと、きっとどうにかなる。だってこんなに可愛いんだから」
第10回「汗疹がよくならない。もう何が正解なのやらわからない」
第11回「表現しがたいが、てーたんが回転するようになった」
第12回「離乳食はほとんど食べず、三角コーナー行き」
第13回「誰も言ってくれないけど、私、おつかれさま」

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子供を育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

「懺悔日記」連載一覧