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中学・高校受験エッセイ・5塾で「ありえない先生」に当たってしまったときのこと【我が家3児の受験事情・5】

2017.03.08

この連載は……
3人のお子さんの中学受験・高校受験を経験した、ライターの佐貫香子さんによる受験エッセイ。受験生のママとして感じたことや、日々の取材を通して見えてきた受験事情を綴ります。

我が家3児の受験事情・5

juken5

前回は、受験生には必須の「塾選び」についてお話ししましたが、実際に通ってみると塾選びだけでは見えないようなトラブルが起きることもあります。

今回は塾で問題講師にあたってしまった、という我が子に起きたエピソードをご紹介します。

問題講師にあたってしまったのは、2番目の子、長男。

3年先に長女に中学受験をさせ、大変だったけど私学に行かせてよかったと思う日々だったので、迷うことなく2番目の長男も中学受験をさせることに。

勉強が大嫌いな長男でしたが、長女がそうだったように、塾で勉強の面白さを教えてもらえば彼も変わるかもと思って塾に通わせることにしました。

しかし、長男の勉強嫌いは全く変わらず。

塾の勉強は週3回。でも塾のない日も家庭学習をしなければ力はつきません。大量の宿題で問題の数をこなして初めて習ったことが定着するのです。ところが息子はどうしても宿題をしない。宿題用の問題集は真っ白なまま(問題集の費用は授業料とは別。これだって高かったのに…)。授業中の態度もきっとよくなかったのでしょう。そのために、講師に叱られるのは仕方がない。のですが、その叱り方が尋常ではなかったようです。

長男が通った塾はひとグループ6人程度の少人数指導塾でしたが、ほかの生徒たちの前で「バカ」「くず」と罵倒される、プリントをくしゃくしゃにして顔めがけて投げつけられる、長男の志望校について「そんな学校はバカが行くところだ」と言われる。などなど。

息子にも悪いところはあっただろうとは思うものの、すっかり傷つき、塾に行きたくないと訴える息子を見るとカッと頭に血が上ります。

危機管理コンサルタントに学んだ手法

でも、怒りにまかせて怒鳴り込んでいっても、モンスターペアレント扱いされるか、「子どもというものは、自分の都合のいいように嘘をつくものです」と諭されるのがオチ。

ちょうどそのころ、ストーカー被害にあった場合、どのように警察に訴えれば相手にしてくれるか、ということを危機管理コンサルタントに取材することがあり、その手法を使おう、と思いました。

「相手にしてくれる」とは、「これは無視するわけにはいかないな、何か対策をしなければ」と相手に思われること。そのためには、「言葉で被害を訴えるのではなく、文書を作るのが基本中の基本」と危機管理コンサルタントは教えてくれました。

たとえば、

◎月◎日、〇〇の授業のときに△△先生に「×××」と言われた。
と、時間、場所、誰が、何をしたか、を簡潔に日々記録をつけるのです。

息子から過去の状況を聞いて箇条書きにしていきました。

それだけでは「子どもの都合のいい嘘だ」と言われてしまうので、同じグループの数人の友達の家に電話をかけ、息子の言ったことは本当かを確認しました。

文書は、実際に息子が先生から言われたこと、されたことの時系列の記録、友達の証言を書き、それだけでは相手がどう行動したらいいかわからないので、これらを踏まえたこちらの要望を2つの選択肢として提示しました。

1)この講師に辞めていただくか、教室を異動していただきたい
2)1)が無理なら、塾を辞めるので前納した受講料を返してほしい
この2点。

この文書をプリントして、夫に塾の室長を訪ねてもらいました。

夫は、中学受験については完全に傍観者でしたが、こういうときは父親の出番。忙しい中、塾に行ってもらいました。

文書を持っていっても、「上に相談します」とか、「あとで連絡します」とか言われるのかと思っていましたが、実際には一通り夫の説明を聞くと、一切の質問も弁明もなく、「わかりました。すぐに対応します」と相手が答えたのは驚きました。もしかしたら、ほかの保護者からも同様の苦情が来ていたのかもしれません。

ともあれ、この講師は異動になり、息子を苦しめることはなくなりました。

かといって、息子の勉強嫌いがなおったわけではなく、「勉強しなさい!」「いやだ!」のバトルは続き、苦難の日々は続いたのですが…。

でも、「そんなに嫌なら中学受験、やめてもいいよ」と言っても息子はやめませんでした。息子が中学受験をすることは、学校の友だちもなんとなく知っていて、息子も子どもなりのプライドから、途中でやめるとは言えなかったのだと思います。

親の立場からすると、「ここまでお金をつぎ込んだのに途中でやめられない」という気持ちもありました。

「中学受験は途中下車できない電車のようなもの」と誰かが言っていましたが、まさにそのとおり。

次回は塾のお金の話をしましょう。


こちらも読んで!
第1回「そこまでして子どもに中学受験をさせるのはなぜ?」
第2回「中学受験を決心させた、私学のいいところ8つ」
第3回「中学受験をさせたい親が、まずしなくてはいけないこと」
第4回「子どもによって通わせる塾を変えた理由」

佐貫香子

ライター。3児の母。1人目(長女)は私立中高一貫校~私立大学へ。2人目(長男)は、私立中高一貫校を中退、公立中学に転校~公立高校~専門学校へ。3人目(次男)は、公立中学~公立高校に在学中。おとなしく優等生の長女、荒れ放題の自由人の長男、バランス型の次男を育てた経験から「教育に正解なし」を実感する今日この頃。

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