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藤田あみいの「懺悔日記」・17ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう【懺悔日記・17】

2017.03.31

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第17回・人に話してみたら

17

2014年8月29日 

今日は、てーたんを産んだ時、同じ部屋だった2人が、てーたんと1日しか誕生日の違わない子どもたちを連れて我が家に遊びに来た。

積もる話もたくさんあり、とても楽しい時間だった。

みんなそれぞれペースは違えど、とても成長していたし、私たちもとっても頑張った。お互いの功績を称えつつ、子どもたちを眺め過ごした。

でもびっくりしたことがあった。ふたりのママが子どもたちから1メートルほと離れたとき、子どもたちは猛烈な勢いで泣き出したのだ。これが後追いってやつだ…。

いっぽう、てーたんはきょとんとしていた。

後追い、全然しないよ。うちの子は後追い全然しないよ。とってもショックだった。

人と比べたらだめってわかってるけど、いまの状態で人と会うのはやめておいたほうが良かったのかもしれない。

私のかわいいてーたん、てーたんはもう答えを知ってるの? 

だめだ、前みたいな気持ちにどうしても戻れない。戻りたいのに戻れない。どうしたらいいのだろうか。

2014年8月30日

昨晩はどうしても夫ののっぴと話したくって、会社にいる時間に電話してしまった。

あまりにも家で顔を合わせる時間がないので、こうでもしないとお話ができない。そうして今の気持ちを聞いてもらった。

でるわでるわたくさんの不安。

のっぴは「うん、すごくよくしゃべるね。前に鬱で大変な人と喋ったことがあるけど、ほんとに人間窮地に立たされるとよくしゃべるんだよな」と言っていた。

そうして、今日は家で仕事をしてくれた。

誰かがいてくれるだけで、だいぶ気分が良くなったような気がする。

さらに友達のちあきに電話して、つむぎは名前を読んだら振り向く?って聞いてみたら「5~7割くらい振り向かないよ!ははは」と笑っていた。

人に話すのってものすごく大事なんだなって思った。

少し気が晴れたような気がするが、答えはまだ当分出ない。

今日てーたんは片手を離して立っていた。ちゃんと意思の疎通も取れている感じがする。いつもならもっと喜べるのに、なんだか花が枯れてしまったような気持ちで苦しいのだ。

ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう。まだ母親なんかじゃなかったんだ。私、何を考えているんだろう。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第2回「肉体的には限界だが、休むわけにはいくまい」
第3回「涙が出そう。すべての時間が赤ちゃんまみれ」
第4回「小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ」
第5回「わからないことだらけで苦しい。どうして誰も傍にいてくれないの」
第6回「お腹の中でお星様になった子のこと」
第7回「どーでもいい細かいことがいちいち気になってしまう」
第8回「最高過ぎる実家暮らし。東京に帰るのがとても不安だ」
第9回「きっと、きっとどうにかなる。だってこんなに可愛いんだから」
第10回「汗疹がよくならない。もう何が正解なのやらわからない」
第11回「表現しがたいが、てーたんが回転するようになった」
第12回「離乳食はほとんど食べず、三角コーナー行き」
第13回「誰も言ってくれないけど、私、おつかれさま」
第14回「会ったこともない人のことを想像して、私もがんばろっ!とはなれない」
第15回「知らないおばさんに「子どもは希望」と言われて、泣きそうになる」
第16回「自閉症。発達障害。検索結果が頭の中から消えてくれない」

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

「懺悔日記」連載一覧