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藤田あみいの「懺悔日記」・18障害や病気は医者が見つけるから、お母さんはこの子を可愛がってあげて【懺悔日記・18】

2017.04.04

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第18回・健康診断

18

2014年9月2日

かかりつけの病院で健康検査の日だった。知らなかったのだが、ここの菩薩のような女の先生は、小児発達の専門医で、業界で知らない人がいないほどの有名人だそうだ。

てーたんの人見知りをしないこと、名前をよんでも振り向かないこと、後追いしないことを心配に思っていると打ち明けてみた。

先生はフフと笑って、赤ちゃん何人もみてるから、見ただけでわかるわよって言ってくれた。

8か月の赤ちゃんが自閉症かどうかなんてね、あなた、外に出たら車にひかれたらどうしようって言ってるのと同じよ。

そう言いながらも、先生はてーたんの目をずっと見つめていた。人見知りにはね、個人差があるからねって。後追いはこれから、って。

聞いてもらっている間、肩に乗ってた重たいものがぼろぼろ落ちていくのがわかった。順調よ。って言われて肩をポンとたたかれた。

お母さん、障害や病気は私たちが見つけるから、お母さんはしっかりこの子を可愛がってあげて、と言われる。

要約すると、素人は余計なこと考えるなってことだ。ありがたいお言葉だった。

お家に帰ってのっぴに話をして、「ほらね」なんて言われて、ご飯を作って食べた。ご飯がすごくおいしかった。とりあえずはほっとしてしまった。

だけどうちは違ったからいいや、なのだろうか?

実際に自閉症やほかの障害のあるお子さんを育ててるお母さんの苦しみの氷山の一角に触れた気がする。すごく怖かった。世界で一番大切な人にもしもなにかあったとしたら…

2014年9月7日 

今日は来年4月から保育園に行くことも考えつつ、子乗せ自転車を見に行った。

電動自転車とノーマル自転車があるようだが、試乗した結果、どっちも怖かった。無理。無理です。

最近てーたんは本を読んであげると大笑いする。本をめくるのも手伝ってくれる。

今日はまた別の保育園の見学にも行ってきた。とてもきれいな保育園だった。先生たちもとても優しくて素敵だった。ここに入れたらいいなあ。

認証保育園だけれども、すでに80人ほどの見学者がいるらしい。ここに入るのは難しいのだろうな。

優しい心が芽生えているのかな。何の変哲もない日だったけれど、その大切さをひしひしと感じる。

不安を感じない育児などない。でも幸せを食ってしまうような不安にはとても耐えられない。これでいいのだ。たぶん。ちょっと目を離してるスキにティッシュ全部出されたけれど。

2014年9月28日

29歳になった。28歳は子どもを産むという一大イベントにすべて持っていかれたがために、自分のことに全く手が回らなかったが、少し、おしゃれなどにも気を使っていきたいところだ。

体重も産後から6キロくらい落ちたけど、まだまだ太っている。なぜなら出産前に14キロ太ったから…

三鷹の「田舎」というお店でコースをいただいた。個室で良い店だった。

てーたんもぎりぎりグズらないでいてくれたのでなんとか食事を終えることができ、よかった。この外食時のハラハラはいつなくなるのであろうか…

昼間、てーたんは健康診断+予防接種。B型肝炎を打ち終えた。検診はとても順調とのこと。よかった…。

離乳食を食べてくれないことに関しては、少し授乳の期間を延ばしてみては、とのこと。たしかに泣いたらすぐにあげていた感は否めない。これで離乳食食べてくれるのかしら。

今日てーたんは頭をぶつけてイテイテイテエ~イ!と泣いていて、笑ってしまった。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第6回「お腹の中でお星様になった子のこと」
第7回「どーでもいい細かいことがいちいち気になってしまう」
第15回「知らないおばさんに「子どもは希望」と言われて、泣きそうになる」
第16回「自閉症。発達障害。検索結果が頭の中から消えてくれない」
第17回「ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう」
第18回「障害や病気は医者が見つけるから、お母さんはこの子を可愛がってあげて」
第19回「強いお母さんになりたい。不安で震えが止まらない」
第20回「インターネットから得た余計な知識。どれも燃やして捨てたい」
第21回「これは母親の勘なのか、それとも私が異常なのか」
第22回「悲しいことにわたしは、娘を色々と試すようになっていた」
第23回「ただひたすらに「助けて助けて」と頭が悲鳴をあげていた」
第24回「この子に何か問題があってもいいじゃないか」
第25回「断乳した翌日、信じられないことが起きた」
「懺悔日記」連載一覧

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

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