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藤田あみいの「懺悔日記」・19強いお母さんになりたい。不安で震えが止まらない【懺悔日記・19】

2017.04.07

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第19回 再び病院へ

19

2014年10月10日

もうすぐてーたんと二人だけで釧路に帰る。今回もロング滞在だ。夫ののっぴが忙しくて自分が面倒みれないからと、長い帰省をゆるしてくれるのがありがたい。

しかしまたびっくりすることが起きた。てーたんに拍手を誘導されたのだ。

わたしは依然として前に自閉症だの発達障害だので悩んだ時に調べてしまったことが、微妙に頭から離れずにいる。

正面を向き合って手を叩いて遊んでいたら、私の両手を取ってパチパチと拍手をさせたのだ。これを「もしや発達障害の子がやるクレーン現象(パパやママなど他人の手を使って、自分がしたいことを代わりにしてもらおうとする行動のこと)とやらでは…」と思ってしまったのだ。

気にしなくていいやつだよ~。と頭のどこかではわかっているのだが、絶対これがクレーン現象じゃないとは言い切れないじゃない!という自分のほうがなぜか勝ってしまった。

なんだかあの日からやっぱり不安が消えないでいるようだ。

のっぴに話すと、とても怒っていた。ふざけるな!と叱責された。

それはクレーン現象ってやつじゃないと思うよ。それにもし発達障害だったとして、てーたんはてーたんでしょ、何も変わらないよ。そう言ってくれた。

ほんとそう、そうなんだけど、どうしてこんなに不安に感じてしまうんだろう。

強いお母さんになりたい。震えが止まらない一日だった。

2014年10月15日 

また例の菩薩のような先生がいる病院へ。

先生曰く「クレーン現象って1歳半とかにならないとしないよ……それに拍手はクレーンじゃないし」と言われる。

「あなたは歩けない子に足を引きずってるって言ってるようなものよ」と叱られる。

そうだったのか……。でもなぜだろう、前みたいに先生に話しただけでは安心できない。どうしてだろう?

きちんと話を聞いてもらって多少は元気になったのだが、午後にてーたんがまた私の手を取り拍手をさせた。

再び一気にテンションが下がる。なぜこんなことを気にしてしまうのだろうか。

先生が大丈夫って言ってくれてるのに、なんで信じることができなくなってしまったのだろうか。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第2回「肉体的には限界だが、休むわけにはいくまい」
第3回「涙が出そう。すべての時間が赤ちゃんまみれ」
第4回「小さな腕に注射の管が刺さっている。私のバカ」
第5回「わからないことだらけで苦しい。どうして誰も傍にいてくれないの」
第6回「お腹の中でお星様になった子のこと」
第7回「どーでもいい細かいことがいちいち気になってしまう」
第8回「最高過ぎる実家暮らし。東京に帰るのがとても不安だ」
第9回「きっと、きっとどうにかなる。だってこんなに可愛いんだから」
第10回「汗疹がよくならない。もう何が正解なのやらわからない」
第11回「表現しがたいが、てーたんが回転するようになった」
第12回「離乳食はほとんど食べず、三角コーナー行き」
第13回「誰も言ってくれないけど、私、おつかれさま」
第14回「会ったこともない人のことを想像して、私もがんばろっ!とはなれない」
第15回「知らないおばさんに「子どもは希望」と言われて、泣きそうになる」
第16回「自閉症。発達障害。検索結果が頭の中から消えてくれない」
第17回「ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう」
第18回「障害や病気は医者が見つけるから、お母さんはこの子を可愛がってあげて」

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい

「懺悔日記」連載一覧