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中学・高校受験エッセイ・9今読んでも涙。ブログで振り返る、中学受験の当日のこと【我が家3児の受験事情・9】

2017.05.03

この連載は……
3人のお子さんの中学受験・高校受験を経験した、ライターの佐貫香子さんによる受験エッセイ。受験生のママとして感じたことや、日々の取材を通して見えてきた受験事情を綴ります。

我が家3児の受験事情・9

長男の中学受験Xデー

9_2

先日、中学受験経験者(母親のほう)数人に取材をしたのですが、もう何年も前のことだというのにみなさん受験当日のことを非常によく覚えていて、中学受験ってそれほど印象深いことなのだなとあらためて思いました。

で、自分はどうなのかというと、記憶がかなりあいまい。これまでも脳みそに鞭打ちながら必死に思い出して原稿を書いてきました。

とくに長女(1番目の子)の場合は、無理をしなければ合格できそうな学校を第一志望にしていたから、初日にあっさり合格。ハラハラドキドキの強烈な記憶はありません。

問題は長男(2番目の子)。

受験当日まで、とにかく勉強をしてくれなくて、非常にやきもきしたことは覚えています。

そんな彼の受験当日はどうだったのでしょうか。当時はブログを書いていたので、そこからちょっと引用してみます。

ブログで振り返る当時の気持ち

まずは、1月に行われた併願校(つまりは滑り止め)受験。

中学受験が始まった。
息子は負け続けている。

13日火曜日、三度目の受験があった。

うわー、キツい。不合格が続いたみたいですね。
思い出してドキドキしてきました……。

間、いろいろあったんだけど、飛ばして続きを読みます。

それにしても、息子は果敢に戦っている。

今は、受験日のその日のうちに合否がわかる。
インターネットでIDパスワードを入力して
クリック、即一発だ。


「不合格」の3文字に涙を流した息子は、
その時から初めて本気で受験勉強を始めた、と言っていい。

やめたいだの、辛いだの言わず、
もちろん学校をずる休みしたいなどとも言わず、
もくもくと勉強をしている。


もうどこでもいい、とにかく合格を勝ち取って、
5年生からの長く苦しかった日々を終わりにしてあげられればと思う。

ああ、涙が出てきました(笑)。
なんか、大変だったんですねぇ。

さて、数日後、彼は4回目の受験に行くのですが…、

17日、長男の4回目の受験に行ってきた。
30分以上早く会場に着いたが、保護者控え室はすでに満杯。

本日の募集人数は10人。
まさかきっちり10人ってことはないだろうけど、
この人数を見ると、今日もダメかも、とチラリと思う。

試験開始の合図を聞くと、私は席を立った。
もし、今日も不合格だった場合に備え、押さえの学校を急きょ追加することにした。
今日は、その学校の最後の説明会があるのだ。
かなり具体的に試験問題の内容について解説があるという。
無駄になるかもしれないが(いやむしろ無駄になってほしいが)
この説明会は行っておいたほうがいいだろう。

なんと、忘れていましたが、土壇場で
滑り止め校を増やす決意をしていたんですね、私。
願書の締切がギリギリの、見学したこともない学校を急遽受けさせようとするとは、
そうとうせっぱ詰まっていたのでしょう。

そして、この4回目の受験の結果はどうなったかというと…

あっというまに夜8時。
インターネット発表の時間。


学校のサイトにアクセスし、ID、パスワードを入力して、
最後のワンクリックが怖くてできない。
息子に「きみがやって」とマウスを渡す。


「え、なにこれ。え? やった合格だ!」
息子の弾んだ声。
目をあけて、私も画面を見る。

おお、今回はピンク色の文字。(不合格はブルーだった)
受験番号をもう一度見る。間違いない!
やった~~~!

毎日一人で塾の自習室に通って勉強していた息子のことを思う。
今度落ちたら、いくらノーテンキな息子も
がっくりきただろう。
ああよかった。本当に良かった。


第一志望校はまだ受け続けなければならないから、気を抜くわけにはいかないけど、
とりあえず、これでひと安心

ふう、なんとか併願校は合格したのですね。
これで、余裕を持って、2月1日の第一志望校受験に備えたわけですが、
その結果やいかに。

2月1日、
東京都内の中学受験がスタートした。
息子と二人、電車に乗る。

この日息子が受験した学校では、午前に1回目、午後に2回目の試験がありました。1回目で合格できているとは限らないから、午後の2回目も受験するつもりで出かけました。

高校入試や大学入試と違って、同じ学校を何度も受けられるのは、中学受験の気楽なところでしょう(といっても子どものプレッシャーはハンパないと思いますが)。

午前、午後とも受験して、
午後の終了後、1時間も待てば合格発表がある。
なので、試験後、家に帰らずに待つことにした。

感触は悪くない、と息子。たぶん大丈夫、とも。
もしかして、特待生合格かも?とまで言う。

しかし、結果を見るまでは安心できない。
試験中、朝から8時間待っても待ちくたびれなかったのに、
合格発表までの1時間がとっても長く感じる。胃がむかむかするくらい。

ようやく時間になり、受験番号が書かれた紙が貼り出される。
私は見る元気がなかったが、息子が人垣をかきわけるようにして
掲示板をのぞきこむ。
番号はすぐに見つかった。
特待生ではないが合格。

そうとわかれば長居は無用。
すぐに書類を受け取って帰ることにする。
希望者には点数を教えてくれる、というので聞いてみた。
特待生どころか、ボーダーすれすれ。
息子の「大丈夫かも」とはこのレベルだったのか!!


が、合格したのだから、ま、いいか。

長い間、本当によくがんばったね。

2月1日で私たち親子の受験は終わりました。

もしここで合格できなかったら、2日、3日と受け続けたでしょう。

それでもダメだったら、1月に合格していた学校に行ったはずです。

それにしても、こんなに大変だったあれこれを忘れていたとは、我ながらすごい忘却力ですね(笑)。

「合格した学校が、その子にとっていい学校」と言われる理由

受験経験者からよく聞く言葉に、「合格した学校が、その子にとっていい学校」というのがあります。

「第一志望に落ちて、併願校に行くようになったけれど、後で思えばそこが一番よかったのだ」という親たちの実感です。負け惜しみのように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。

どの学校にも校風があります。試験問題にも、それが現れていると言われます。

つまり、「こういう問題ができる子がほしい」という学校の想いが試験問題に現れているのです。だから、その問題で合格点に達する子というのは、最初からその学校に合った子なのです。

高偏差値だから、ブランド校だから受験したけど落ちちゃった、というのは不幸なことではなく、むしろ合わない学校に行かなくてすんでラッキーだったのかもしれません。

ともあれ、何とか第一志望に合格できた長男は、ネイビーのブレザーとチェックのズボンの制服を着て元気に中学校に通い始めました。

近代的な校舎、木製の質のいい机と椅子、設備の整った特別教室や重厚な図書室。ここで6年間学ぶのねえ、としみじみ嬉しかったのですが、その後、2年もたたないうちに退学することになるとは。

何かと長男には苦労させられたのでした……。


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佐貫香子

ライター。3児の母。1人目(長女)は私立中高一貫校~私立大学へ。2人目(長男)は、私立中高一貫校を中退、公立中学に転校~公立高校~専門学校へ。3人目(次男)は、公立中学~公立高校に在学中。おとなしく優等生の長女、荒れ放題の自由人の長男、バランス型の次男を育てた経験から「教育に正解なし」を実感する今日この頃。

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