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藤田あみいの「懺悔日記」・29治療が必要なのは娘ではなく、100%お母さんの方だということになった【懺悔日記・29】

2017.05.12

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第29回 母と子どもの心療内科

29

2015年3月31日 

妹ナタリーの友達・萌ちゃんが勤めている心療内科が、子どもの発達とお母さんの心、両方をみてくれる病院らしく、しかもたまたま隣の町にあるとの情報をききつけ、早速そこに行ってみた。

といっても、実は年明け前くらいからそこに行く予定はあったのだが、予約がいっぱいでなかなか行けなかったのだ。

4月からはてーたんも新しい保育園、私も新しい職場で頑張らなくてはならない。ようやく頼れる場所を見つけたものだと思った。

そこの病院には優しそうな女医の先生がいた。あとから知ったのだが、母親向けの雑誌に育児相談の連載をしているような先生だそうだ。

私はてーたんをつれて今まで起きたことをすべて話し、娘の様子を見てもらった。

先生は「この子が発達障害? ありえない」と一刀両断だった。

「でもこんな小さいうちに断言なんてできないのでは……」と不安がると、「うん、でもね、もうこのくらいからでも見たらわかるよ」と言っていた。

他いろいろな質問に答えてもらうことができ、治療が必要なのは100%お母さんの方だということになった。薬の処方もちょっとかわった。次の月の予約をいれて、そこをあとにした。

娘への心配は全て私の妄想なのか、そうなのか……。いずれにせよ安心できる病院を近所に見つけることができて、一歩前進といったところか。

2015年4月2日

昨日からてーたんは新しい保育園に通っている。

同じクラスの子は9名。うさぎ組だそうだ。なんてかわいいクラスだ。

他の子はみんなギャン泣きの朝だったそうだが、意外と以前にも保育園生活があったからなのか、てーたんは泣かないで楽しそうにしていた。

それにしても素敵な保育園だ。ここに入れて本当に嬉しい。

月謝は決して安くないが、ここでしっかり見てもらえるなら、痛い出費ではないような気がする。

昨日は9時から11時まで、今日は9時から12時まで。というふうに少しずつ慣らしていくようだ。短い時間だが、炊事や洗濯ができて、なんだかまともな人間に戻れたような気がする。

12時に慣れない子ども乗せ自転車で迎えに行き、そのまま前の職場のお花見のため、井の頭公園へ行った。公園とさくらと娘。なんとも幸せを感じる。

このままどうか私の症状も快方へ向かいますように。

毎日こんなふうに楽しいことがあれば、辛いことや心配なんてなくなっちゃうんじゃないのかな。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第10回「汗疹がよくならない。もう何が正解なのやらわからない」
第11回「表現しがたいが、てーたんが回転するようになった」
第12回「離乳食はほとんど食べず、三角コーナー行き」
第13回「誰も言ってくれないけど、私、おつかれさま」
第14回「会ったこともない人のことを想像して、私もがんばろっ!とはなれない」
第15回「知らないおばさんに「子どもは希望」と言われて、泣きそうになる」
第16回「自閉症。発達障害。検索結果が頭の中から消えてくれない」
第17回「ごめんね、ごめんね、どうしてこんな母親なんだろう」
第18回「障害や病気は医者が見つけるから、お母さんはこの子を可愛がってあげて」
第19回「強いお母さんになりたい。不安で震えが止まらない」
第20回「インターネットから得た余計な知識。どれも燃やして捨てたい」
第21回「これは母親の勘なのか、それとも私が異常なのか」
第22回「悲しいことにわたしは、娘を色々と試すようになっていた」
第23回「ただひたすらに「助けて助けて」と頭が悲鳴をあげていた」
第24回「この子に何か問題があってもいいじゃないか」
第25回「断乳した翌日、信じられないことが起きた」
第26回「寒い寒い氷の町の丘の上にてーたんの保育園はあった」
第27回「昔は一人でいるのが大好きだったのに、今はとても不安でやりきれない」
第28回「育児ノイローゼというやつなのか? 本当に屈辱的で誰にも話したくない」

「懺悔日記」連載一覧

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい