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藤田あみいの「懺悔日記」・37頭の中は娘に関する心配事ばかり。身も心も憔悴しきってしまった【懺悔日記・37】

2017.06.09

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第37回 2歳の誕生日

37

2015年12月6日

てーたんが2歳を迎えた。近場のジブリの森美術館で1日を過ごした。

1歳の誕生日の時は、私が病気にかかり始めたばかりで、大変に混乱していた。

一時は良くなったものの、ぶり返してしまった病気に、辟易する毎日ではあったが、今日こそは心から彼女の誕生日を祝ってあげたい。

幸いにも、てーたんは言葉が早いようで、もうかなり会話が成り立つようになってきた。

1歳半の頃は、単語の数なんかをメモして記録していたが、今では数えるのがとても追いつかないほど良く喋る。

言葉の早い遅いは本当に個人差がある中、私は猛烈な不安症なので、早い方だったのは神の思し召しか何かか、と思わざるをえない。どうしようもない母親だが、少しは神様も譲歩してくれたようだ。

てーたんは4日前くらいに熱を出し、すっかりよくなったようだ。と、思って、美術館に行ったものの、まだまだ全快ではなかったようで、終始不機嫌だった。

申し訳ないことをした。本人のためをどれだけ思っても、それが最適でないことが育児にはままある。

失敗も多いが、この子の人生が素晴らしいものになるように、私も手助けをしていきたい。そのためにはまず自分が心から笑えるようになれば、と思ってはいるのだが、なかなかこれかせ思うようにいかず、はがゆい日々だ。

2015年12月7日

2歳児検診は1歳半検診で要観察と言われた子ども以外は任意なので、実費なのだが、もちろん受けることにした。

内容は1歳半検診の時とほぼ同じだったので拍子抜けだったが、これで一瞬でも私が安心できれば、とりあえず我が家としては御の字なのだ。

1歳半検診と内容がほぼ同じということで、当然そこから半年成長した娘にとっては簡単なテストだったようだ。まったく問題なし、と菩薩のような先生に告げられた。

私の病状は日々悪化しており、毎日お酒をのんだりして腐ったように眠る毎日だった。

酔っぱらうのも早いので、ビール一缶ぐらいで完全にへべれけになってしまうのだが、よく毎日好きでもないお酒を飲むものだと自分でも思う。

相当に追い詰められていないとこういう状態にならないだろうな、と改めて思う瞬間もある。

家事や炊事・洗濯なども、最近はほとんど手につかなくなってしまった。

とにかくやる気が起きない…と書いてみたものの、やる気が起きないというのが適切な言葉ではないような気がする。

前述したように、「手につかない」のだ。私の頭の中は娘に関する心配事で常に忙しく、ほかのことにまったく注意が向かないのだ。やる気がないというよりも、どうしてもできないのだ。

自分でも、こんな簡単なことがなぜできなくなったのか?と思うが、身も心も憔悴しきっているというか、体に力が入らないような感覚だ。

夫がかなり無理をして、仕事も家のこともすべて回してくれるような状況が今だ。

夫は私のことを非難したりせず、いつも相談に乗ってくれて、淡々とやるべきことをやってくれていた。

最近、かかりつけの医者から以前に紹介してもらった保健師さんに電話をすることが本当に多くなった。

保健師の永坂さんは私が電話するといつも「お電話をくれてありがとうね」と言ってくれた。それだけで、心の病を抱えている自分の罪悪感を多少払拭できた。

私の感じる日々の不安をなんでもかんでも彼女には打ち明けた。三鷹市がこういうシステムを作ってくれていて、行政もなかなかやるじゃないと思う。

そんなわけで夫や病院の先生、保健師さんなどいろいろな人に助けてもらいながら、なんとか生活をしている。

最近娘に関して気になることといえば、時たま「イーっ」と口を結んで、小刻みに震えることだ。

てんかんかなにかなのかととても心配したが、ビデオに撮影するほどの時間はなく、医療機関にも、永坂さんにも、きちんと相談できない出来事であった。

色々調べた結果、成長期の幼児によく見られる身震い発作というものがそれに近いような気がしたが、正確な答えがわからない。しばらくこのことで悩む日々が続いた。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第30回「私はこんなにめちゃくちゃな人間なのです、と泣けたらどんなに楽だろうか」
第31回「破壊へと道を進めているのは私そのもの。私だけが狂っている」
第32回「恐れていた一歳半検診。ついにこの日が来た」
第33回「わたしが暗闇の中を彷徨ってる間に、この子はこんなに喋れるようになった」
第34回「ああ嬉しい。もうちょっとで普通のお母さんになれる」
第35回「胸の奥から再びモヤモヤした黒いものが湧き上がってくる」
第36回「娘に「ママいなくなってもいい?」と聞いてしまった」
第37回「頭の中は娘に関する心配事ばかり。身も心も憔悴しきってしまった」
第38回「体重が激減した。ご飯が喉を通らないのだ」
第39回「悩んでいたことが口からこぼれ、初めて会った人の前で泣いていた」
第40回「もう終わらせたかった。なにもかもを終わらせて、消えたかった」
第41回「ちょっとだけ話をしたい」と言いながら、子どもみたいに泣いた」
第42回「元気に見える人たちも、なんらか心に葛藤を抱えている」
第43回「愛情という文字を見た瞬間に、わたしは大きな声を上げて泣いていた」
第44回「「自分を責める必要はない」というのはわかったが、やっぱり辛いのだ」
第45回「娘を見ているのがつらいなんて変だ。私は家を出ることにした」
第46回「布団に入っても、夫の言葉が頭の中を巡った」
第47回「自分に発達障害の可能性があるとは、夢にも思わなかった」
第48回「私が発達障害を抱えているとしても、何も変わらないのではないか」
第49回「私は、可愛い娘から逃げてここにいるのだ」
第50回「ママ、大好き」と言って眠りに落ちた娘の側で、私ももう一度眠りたい

「懺悔日記」連載一覧

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい