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藤田あみいの「懺悔日記」・38体重が激減した。ご飯が喉を通らないのだ【懺悔日記・38】

2017.06.13

妊娠出産を経て、深刻な産後うつに。
三年の月日をかけてようやく母親になった、わたしの懺悔の日記。

この連載は……

出産後、ある時期から深刻な産後うつ状態になったイラストレーター・藤田あみいさんが、娘のてーたんを育てながら3年間にわたる気持ちの揺れを克明に綴った日々の記録「懺悔日記」。その内容を、少しずつ公開していきます。


第38回 発表会

38

2016年2月4日

昨年、以前から執筆していたブログの出版の話が持ち上がったが、頓挫してしまった。

その話が再び動き出し、細かいスケジュールなどが発表され、実作業に即移れることになった。

会社勤めをしながら子育てもし、あとは重苦しい病気と闘いながらだが、正直良い息抜きになりそうだと感じた。

どうしても締め切りに間に合わなそうな時は、夫にてーたんを託し、夜のファミレスでひたすら絵を描いた。

家で待ってるてーたんのことを考えると胸が苦しくなるが、絵を描く仕事にはとにかく夢中になれた。とても充実した時間だった。

どうしても家での時間だけでは間に合わないので、会社を休んで、会社の大きなデスクで絵を描くという、なんとも珍妙なスタイルで仕事をさせてもらった。

あいかわらずてーたんのことは心配ではあるが、絵を描いていると気が晴れていくのがわかった。

最近、体重が激減してしまい、身長が150cmと小さいのでそんなに珍しいことでもないかもしれないが、体重が37kgまで落ちてしまった。小学生の時以来の体重だ。

妹には「鶏ガラ」と呼ばれるようになった。ご飯が喉を通らないのだ。ほんの一口、二口食べたぐらいで吐き気がするようになってしまった。いよいよもって心身ともに、といった感じだ。

あいかわらず細かいことが気になり、てーたんのことを心配する日々だが、少しはよくなっているのだろうか。よくわからない。

2016年3月29日 

出版に向けての作業も大詰めとなってきたが、今日は娘の保育園の発表会だった。

年度末ということで、ほかの認可園に移ってしまうお友達もいる中、たった9人のうさぎ組さんは力を合わせてお芝居や歌を披露してくれた。そのひたむきな姿には胸が震えた。

こんなに一生懸命おおきくなったこの子たち、ずっとずっと幸せであって欲しいと思う。

ただ一人も欠けることなく、皆すこやかにおおきくなって欲しいと思う。

てーたんはお芝居もお歌も、とても力一杯頑張っていた。

私がふだん気にしていることや、心配事などからすべて解き放たれるような時間だった。

(次号に続く)

これまでの連載
第1回「私は生命を生み出してしまったのだと。ことの重大さに気づいた」
第20回「インターネットから得た余計な知識。どれも燃やして捨てたい」
第21回「これは母親の勘なのか、それとも私が異常なのか」
第22回「悲しいことにわたしは、娘を色々と試すようになっていた」
第23回「ただひたすらに「助けて助けて」と頭が悲鳴をあげていた」
第24回「この子に何か問題があってもいいじゃないか」
第25回「断乳した翌日、信じられないことが起きた」
第26回「寒い寒い氷の町の丘の上にてーたんの保育園はあった」
第27回「昔は一人でいるのが大好きだったのに、今はとても不安でやりきれない」
第28回「育児ノイローゼというやつなのか? 本当に屈辱的で誰にも話したくない」
第29回「治療が必要なのは娘ではなく、100%お母さんの方だということになった」
第30回「私はこんなにめちゃくちゃな人間なのです、と泣けたらどんなに楽だろうか」
第31回「破壊へと道を進めているのは私そのもの。私だけが狂っている」
第32回「恐れていた一歳半検診。ついにこの日が来た」
第33回「わたしが暗闇の中を彷徨ってる間に、この子はこんなに喋れるようになった」
第34回「ああ嬉しい。もうちょっとで普通のお母さんになれる」
第35回「胸の奥から再びモヤモヤした黒いものが湧き上がってくる」
第36回「娘に「ママいなくなってもいい?」と聞いてしまった」
第37回「頭の中は娘に関する心配事ばかり。身も心も憔悴しきってしまった」

「懺悔日記」連載一覧

藤田あみい

イラストレーター・デザイナー・エッセイスト。
「無印良品の家」のウェブサイトで「ぜんぶ無印良品で暮らしています~三鷹の家大使の住まいレポート~」を執筆中。
2016年に同タイトルの本を出版。現在韓国語・台湾語に訳され、幅広い層の人へ向けて発信を行っている。
趣味はショッピング。夫と娘が生き甲斐。

「懺悔日記」読者へのメッセージ

妊娠・出産を得て、わたしは強迫性障害という病気になってしまいました。
強迫性障害を簡単に言うと「潔癖性」というようなものがわかりやすいと思います。
私の場合は潔癖ではなく、「『娘に障害があるのでは』という強迫観念が浮かんでくる。」というのが症状です。
愛する子どもを育てていて、一瞬でも「この子に何かあったら」と不安を感じる人は少なくないと思います。
このブログはそんな気持ちのドツボにはまってしまった私の懺悔の日記です。
「ありのままを受け入れる」そこに至ることが難しい人に向けて、少しでも気が軽くなればいいなと思い書き連ねています。
藤田あみい