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編集部の取材エピソード力強いおすもうの絵は、こうやって描かれました

2016.02.21

毎月ミニ絵本をお届けする「KID’S CLUB」、今回はザ・キャビンカンパニーさんの『おやつずもう』です。

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「バナナやま」と「チョコのふじ」による、おすもうの対戦。両者にらみ合った、迫力ある取り組みに思わず引き込まれます!

ベニヤ板に描く理由は

作者のザ・キャビンカンパニーさんは、大分県で活動されているおふたり。地元で廃校になった小学校をアトリエに創作しています。絵本もたくさん出版されていますが、いっぽうで壁画のような大きなアート作品も描いています。登場人物たちに動きがあってカラフルで、見るだけで楽しくなる絵本から、どこかノスタルジックで懐かしさを感じるような作品まで、どれもほんとうに素敵‼ 機会があれば、ぜひほかの作品も手に取ってみてください。

さて、今回の「おやつずもう」ですが、原画が編集部に届いてびっくり‼ なんと絵が紙ではなく、べニヤ板に描かれていたのです。理由をうかがうと、絵の技法によるものだそう。

その技法というのは、こんな流れです。
1・さまざまな色を混ぜながら、まず、板の全面に色を塗る。
2・その後、型紙でマスキングした状態で背景色を塗る。
3・マスキングをはがして、さらに絵を描いていきます。

この、マスキングされた型紙をはがす作業のときに、下地が紙だと破れてしまうので、ベニヤ板がよいのだそう。なるほど!!この絵は、何層にもなっているのですね。

「おやつずもう」ではないのですが、『よるです』という絵本を制作中のおふたりの動画がありました。

これを見るとすごくわかりやすい。そして、何とも手間のかかる作業! 

こんなふうにして、今回の「おやつずもう」も生まれたのですね。さらに、ベニヤ板に描く理由としては、描いていても端が丸まってこないこと、しっかりしてるので描くときに気合が入るというのもあるそう。作品をよーく見ると、ほんのり木目が感じられると思います。

こだわったところは、ふたりの肉肉しい腕と足

今回の作品について、おふたりにうかがいました。

「一画面半という限られたページ数で、しっかりオチがつき、迫力を出すのにぴったりなのが【おすもう】というテーマでした。おすもうは決着が早いですが、みんなが息をのむような展開を描くことができます。

思いついたきっかけは、すもうの浮世絵です。前々からすもうの浮世絵の構図や人の形が面白いなあと思っていたので、いつか描きたいと考えていました。なので今回描くことができて、とても嬉しいです。

オチが混ぜ混ぜになるというのは先に決めていたので、何と何を混ぜようかと考えたのですが(りんご飴という案もありました)時期を考え、バレンタインに合わせてチョコバナナという感じで決めました。いつも案を出すのに結構時間がかかるのですが、今回はかなりスムーズに決まりました!

こだわったところは、ふたりの肉肉しい腕と足です。それから観客のおやつたちも、美味しそうにいろんな種類のものを描いたので、どんなのがあるか探してみてください。」

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ベニヤ板の原画を撮影してみました。絵の具の盛り上がりまで伝わりますか? 踏ん張った足が、浮世絵を感じさせますね。私は教科書で習った古代ギリシャの絵画も思い出しました。力強い! 

1回読んだ、というかたも、あらためてじっくり見ると、きっと新しい発見があるはず。ぜひ親子で楽しんでください。

宮本 博美(みやもと・ひろみ)

ライター/エディター 子どもが生まれて絵本の面白さにハマり『Hanakoママ』では絵本ページを担当。毎号素敵な作家さんに出会えて心躍る日々。ひとり息子はこの春小学生に。最近の読み聞かせはもっぱら戦隊モノの大百科。これはもはや読み聞かせとは言えないのでは。でも写真のキャプションまでしっかり読みますよ!