子育てママのお悩み解決メディア
コロナ禍の妊娠・出産を経験して ③産後2か月目~3か月目

コロナ禍の妊娠・出産を経験して ③産後2か月目~3か月目

「赤ちゃんがかわいくない、なんて夫には言えない」

2人目を出産したゆう子さん(仮名)は産後2か月目に、泣いている我が子をあやせなくなりました。

コロナにより妊娠・出産・産後のママ達の孤立が深まっている、という調査結果(*1)が出ました。コロナ前は立ち会い出産を希望する妊婦のうち9割近くが希望を叶えましたが、コロナ禍では4割に減少。産後の面会希望の実現率は、コロナ前は9割、コロナ禍では2割。産後うつなどメンタル悪化の事例が増えているという報告も。

一方、男性の育休取得率は上昇し、妊産婦向けサービスのオンライン化が進んだという明るいニュースもききます。

今、出産・産後に何が起きているのか? この状況を乗り切るヒントは?  2020年4月以降の出産経験者や専門家に話をききながら考えます。

「赤ちゃんがかわいくない」なんて、誰に言えばいいの?

2020年9月に2人目を出産したゆう子さん。産後2か月目に寝不足が続き、疲れが出ました。

「赤ちゃんがかわいいと思えない日々が何日も続きました。泣いていても抱っこもできず、そのまま放置してしまって、追いつめられている状態。やばいな自分、と。

でも、こんなこと夫に言えないじゃないですか。メールや電話だとしたら、ママ友には重たすぎる内容だし。会って、ちょっと話す分には軽く触れられるけど。

思いきって、広報紙に掲載されていた東京都の虐待防止LINE相談『子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京』(*2)に相談しました。LINEで臨床心理士さんが答えてくれました。30分くらいチャットでやりとりしていたかな? 『十分がんばっている、悩んでいるのはあなただけじゃない』と言ってもらえて楽になりました。

本名は不要でした。月齢と呼び名をきかれたくらいです。他の部署につなぎます、とも、病院を受診しなさいとも言われなかったので、気楽でした。

一番良かったのは、チャットで話しているうちに、今の自分の状況を整理できたことです。ひとりだとぐるぐる考えがめぐってまとまらないのですが、相手がいると違いました。1回でも相談すれば、救われる人がたくさんいると思います。

ちょうど同じころ、授乳状況が改善して、夜まとまって寝られるようになり、また子どもと向き合えるようになりました」

(*2)「東京都福祉保健局「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/kodomo/katei/linesoudan.html

ゆう子さんは、同様に東京都のオンライン助産師相談(無料)も利用しました。

「フェイスブックグループで流れてきた情報で知りました。早速予約して、30分くらい助産師さんにZOOMで授乳について相談しました。受けとめてもらって、一緒に状況整理して、びっくりするくらい心が軽くなりました」

オンライン助産師相談については、別途取材しましたので、次回詳しく触れます。

産後2か月目以降も「気持ちが激しく上下」「夫に感謝しているのに、けんかを繰り返した」

3人目を出産した漫画家マルコさんは、産後、感情の振れ幅が大きくなって、涙もろくなりました。

「とにかく、産後は気持ちの浮き沈みが激しく、急に気持ちの落ち込みがきました。朝起きるのもいや、怖い夢を見る、眠りが浅い……と、多分ホルモン変化の影響だと思います。さらに産後3か月くらいまでは赤ちゃんに起こされて、ずっと寝不足で本当につらかったです。他に頼る人もなく、外出できないので、夫は本当にいろいろ手伝ってくれました。コロナで夫の重要性がすごく高まりました。

でも、感情の揺れが激しいせいで、夫ともよく言い合いになりました。彼がきつい言葉を言ってきて、私がわーっと泣いて落ち込んで、を繰り返してしまいました。でも、一番話せる相手は夫です。もっと冷静に、夫に状況説明できたら。家事育児の役割分担なども冷静に話し合いをしたかったのに。

気持ちが浮き沈みする状況を、もっと友達、親、いろんな人に早めに相談できればよかったのかな。夫とも、爆発してぶつかる前に話し合えたらよかったのにと、今は思います」

専門家「2か月目が手薄かも」「自治体の産後サービスを活用して」

「産後2週間、1か月は乳児健診があるので、ママの体調も医療機関で相談できます。3か月目も健診があるので、異常があればフォローできる仕組みがあります。その間の2か月目には何もないので、危ないかもしれません」

「自治体が、産後ケアのサービスを行っているので、そちらを利用して悩みを話し、母体を休められれば状況が変わるかと思います。ただ、このようなサービスのお知らせは、母子手帳交付などの妊娠初期に説明するので、産後の本当に必要な時にうまく思い出してもらえるかが肝です。助産師・保健師の産後訪問でも案内していますが、何度も行わないといけないですね」

自治体主導の産後ケアの一例として、「病院や助産院に半日滞在」「家事・育児援助サービス」などがあります。

コロナ禍であっても、これらのサービスは受けられます。むしろ、里帰りしづらい、実家から手伝いに来てもらえないという今こそ、産後の身体を休めるために使う時です。

「産後のことは産んでみないとわからないから」「私は大丈夫」という方も多いかと思いますが、知っておけば気が楽になります。外出できなくても産後すぐ使えるように、今一度検討してみてはいかがでしょうか?

【代表的な産後ケア】

・助産院などに滞在

助産院に半日滞在して、助産師さんに相談。赤ちゃんをみてもらいながらママ同士はゆったり雑談すれば、心は軽くなります。自治体から補助が出るため、回数上限はありますが1回1000~2000円程度でこれらのサービスを使える地域もあります。高リスク(高齢、持病など)の方には、泊りがけのプランを提供している場合も。

・自宅での産褥期サポート

妊娠中~産後1年半まで、産褥期の知識を持った有資格者が、育児・家事を手伝ってくれる産後ドゥーラ(*3)のサービスなど。自治体の産後ケアに取り入れられて、補助が出るところも。

・自治体による家事・育児援助

兄弟・姉妹の世話なら社会福祉協議会のファミリーサポート、産前産後も自治体の家事援助がいずれも1時間1000~2000円程度で利用できる制度もあります。

利用には、登録や申請が必要なので、産前に調べておければいざという時に助かります。

(*3)産後ドゥーラ:
https://www.doulajapan.com/howto-doula/
資格は、同協会の講座受講・認定によるもの。

(6回シリーズ。次回に続きます)

◆過去の記事へのリンクはこちら
第1回:妊娠期間
第2回:出産~産後1か月

(*1)株式会社スリールとNPO法人ファザーリングジャパン共同実施アンケート「コロナ禍前後の妊娠出産アンケート結果」(2020年9月7日付)https://fathering.jp/news/news/20200907-01.html

●取材協力してくださった出産経験者(すべて仮名またはペンネーム):

真美さん:2020年7月、1人目を出産。切迫早産で1か月入院。育休中。

ゆう子さん:2020年9月、2人目出産。重度のつわり、育休中。

エミさん:2020年6月、2人目を出産。切迫早産で入院。

マルコさん:2020年7月、3人目を出産。関西在住の漫画家。 他数名。

写真・イラスト:マルコさん

<マルコさん プロフィール>

関西在住の主婦。ライブドア公式ブロガー。3児の母。
https://danna-tonyo.com/

著書:「うちの夫が糖尿病になっちゃった! ズボラ夫が血糖値を下げた方法」日本実業出版社

夫が2型糖尿病と診断された主婦マルコが、知識ゼロから試行錯誤しながら奮闘する、明るくて“ためになる”ドタバタ闘病記! 月間最高200万超PVと抜群の人気マンガブログを書籍化。患者本人だけでなく、家族やパートナーが糖尿病の人たちの共感を呼ぶ内容。簡単にできるマルコの糖質オフレシピも掲載。

第1回 (1)妊娠期間 
第2回 (2)出産~産後1か月 
第3回 (3)産後2か月目~3か月目 
第4回 (4)産後4か月目~ 
第5回 あなたを支えるヒント集 オンライン活用 
第6回 あなたを支えるヒント集 産後うつ予防

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。5歳女児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。facebook.com/okamotosatokochina

岡本 聡子さんの記事一覧 →