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コロナ禍の妊娠・出産を経験して ④産後4か月目~

コロナ禍の妊娠・出産を経験して ④産後4か月目~

「地域にママ友は一人もいません」

1人目出産の真美さん(仮名)は、産後5か月たってこうつぶやきます。

コロナにより妊娠・出産・産後のママ達の孤立が深まっている、という調査結果(*1)が出ました。コロナ前は立ち会い出産を希望する妊婦のうち9割近くが希望を叶えましたが、コロナ禍では4割に減少。産後の面会希望の実現率は、コロナ前は9割、コロナ禍では2割。産後うつなどメンタル悪化の事例が増えているという報告も。

一方、男性の育休取得率は上昇し、妊産婦向けサービスのオンライン化が進んだという明るいニュースもききます。

今、出産・産後に何が起きているのか?この状況を乗り切るヒントは? 2020年4月以降の出産経験者や専門家に話をききながら考えます。

「地域にママ友が一人もいない」

2020年7月に1人目を出産した真美さん。妊娠中~産後、Twitterで同じ月齢のお子さんを持つママ達と励ましあってきました。

「リアルのママ友は地域にはいません。ショッピングモールをベビーカーで散歩して、帰宅する1日です。家のそばにスタバがあるので、その新作を飲むのが一番の楽しみです。本当は、もっと子どもやママ友とわいわい出かける生活を想像していました。こんなにひきこもることになるとは……。5か月だけど、子どもにはいろんな経験をさせてあげたい。

でも、マスクしながらでは新しい友達を作れる雰囲気ではないですね…。3か月健診で、ママ友ができるのでは、と期待していましたが、机を2メートル離して座り、会話できない雰囲気でした。

5か月頃の離乳食相談会も1:1の個別相談でした。同じ月齢のママ同士で集まりたかったのですが。

子育て広場ですか?  人数制限・予約制で開いているようですが、行きません。コロナに関しては、安全なら安全なほどいいと思っていて、赤ちゃんがいると特にその傾向が強まります。その分、孤独は深まりますけど……」

「Twitterのおかげで、人とつながりたい、話したいという願望はなんとか満たされています。Twitterで、他の赤ちゃんと発育を比べて安心もできます。でも、地域情報がわからないのが困ります。特に、保育園の情報が入ってこないです。保育園見学自体がなかなかできません」

「育児の息抜き、発散ができないのがつらいです。思い描いていたのは、子どもを夫に預けて、都心で映画を観て、友達とわーっとしゃべってという休日でしたが、コロナですから……」

都内自治体の管理栄養士に、コロナ禍での工夫をうかがいました。

「離乳食講座は、感染症対策を徹底しながら、少人数開催しています。栄養士による調理実演はしますが、試食はできません。そのかわり、やわらかさ体験のために、1人ずつ少量の離乳食を配り、ラップの上から触ってもらいます。

以前は、グループワークをして交流できるような流れにしていましたが、今は行えません。でも、簡単な自己紹介や全体での質疑応答は行います。

 参加者からは、同じ立場の人達とうけることができてよかった、実際に見て触れてわかりやすかった、コロナ禍でも参加できて育児の不安解消につながった、など前向きな感想をいただきました」

初めての離乳食作りにおいて、やわらかさを確かめることができるのはありがたい配慮です。少人数でも、同じ月齢のママ同士が集まれば、偶然帰り道が同じ方向の人がいるかも。友達になれるかもしれませんね。

「子育て広場にいくのが後ろめたい」「人と話す機会がぐんと減った」

2人目を出産したゆう子さん(仮名)は、子育て広場での迷いを語ってくれました。

「子育て広場に行くのが後ろめたいです。しゃべっている人同士はけっこう盛り上がっていますが、人と話せば感染のリスクが高まるので、行っても私は距離を置いています。注意すればするほど孤独になりますが、赤ちゃんの存在が第一なので、うつ病になったとしても私は孤独に耐えます。

1人目の時できたことが全部できません。新しいママ友が欲しいけど、ランチしながら遊びましょうなんて今はできないので、友達を増やすのは難しいです。

話しかけてくれる人はぐんと減りました。スーパーでおばあちゃん達に『あら、かわいいわね』と言われるだけで救われたのに」

「少しでも身体を動かそう」「定期的に誰かと話す予定を」

3人目を高齢出産したマルコさんは、外出自粛しながらも家庭用ゲーム機で運動して心身の健康を取り戻しました。

「産後は眠りが浅く、もやもやしていたんですけど、産後3か月目くらいからリングフィットアドベンチャーというTVゲームをやりはじめたら、ハマっちゃって。1日30分からはじめて、多い時には2時間しています。眠りが深くなり、気持ちがすっきりします!

もともと外出大好きで、上の子の時は臨月までUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)やIKEAに行っていました。今回は、コロナで外出は最低限に抑えているので、ストレス解消や気軽な話をする相手がいないのが残念。

身体を動かすのも好きで、妊娠前は週3回ホットヨガに通っていました。やっぱり、人に会わないのも、動かないのもだめ! メンタルへの影響は大きいです。柔軟体操だけでもやったほうがいいです」

2人目を出産したゆう子さんは、こんな工夫をしています。

「新しくママ友はできないし、以前からの友達にもリアルでは会いづらいので、LINE通話を活用しています。1人目の時できたママ友達と、この曜日のこの時間はこの子と話す、と計画を立てています。

1人目を育てている時、人としゃべらないとどんどん『自分だけがやばい』と思い込んでしまう恐ろしさを経験したので、無理にでも人と話す予定をと考えました」

コロナで制限されている活動は、オンラインで補えるか?

コロナ禍で出産された人たちは、5年前に私が産後にできたことが半分もできない状況にいる、ということが分かりました。今回の記事内だけでも「運動」「自分のケア」「仲間づくり」「誰かと話す」「講座に参加」が制限されています。

私は、産前産後、赤ちゃん連れで行けるダンススタジオに救われました。そこに行けば自分の子どもの成長を他の赤ちゃんと比べて安心したい、どんな離乳食を食べるのか知りたい、という希望もかないました。気晴らし、友達作りという点では恵まれていたと思います。

直接人と触れ合う機会が制限されるご時世ですが、オンライン相談サービスや講座が増え、利用者の満足度が高いものがあり、ママ達を支えています。

次回からの2回で、「コロナ禍の産前・産後」を支えるヒントやサービスについて詳しくふれます。

(6回シリーズ。次回に続きます)

第1回 (1)妊娠期間 
第2回 (2)出産~産後1か月 
第3回 (3)産後2か月目~3か月目 
第4回 (4)産後4か月目~ 
第5回 あなたを支えるヒント集 オンライン活用 
第6回 あなたを支えるヒント集 産後うつ予防

(*1)株式会社スリールとNPO法人ファザーリングジャパン共同実施アンケート「コロナ禍前後の妊娠出産アンケート結果」(2020年9月7日付)https://fathering.jp/news/news/20200907-01.html

●取材協力してくださった出産経験者(すべて仮名またはペンネーム):

真美さん:2020年7月、1人目を出産。切迫早産で1か月入院。育休中。

ゆう子さん:2020年9月、2人目出産。重度のつわり、育休中。

エミさん:2020年6月、2人目を出産。切迫早産で入院。

マルコさん:2020年7月、3人目を出産。関西在住の漫画家。 他数名。

写真・イラスト:マルコさん

<マルコさん プロフィール>

関西在住の主婦。ライブドア公式ブロガー。3児の母。
https://danna-tonyo.com/

著書:「うちの夫が糖尿病になっちゃった! ズボラ夫が血糖値を下げた方法」日本実業出版社

夫が2型糖尿病と診断された主婦マルコが、知識ゼロから試行錯誤しながら奮闘する、明るくて“ためになる”ドタバタ闘病記! 月間最高200万超PVと抜群の人気マンガブログを書籍化。患者本人だけでなく、家族やパートナーが糖尿病の人たちの共感を呼ぶ内容。簡単にできるマルコの糖質オフレシピも掲載。

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。幼稚園児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。facebook.com/okamotosatokochina

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