障害を持つ子供が生まれる確率は?障害のリスクを下げる方法も
我が子は、できるだけ五体満足で生まれてきて欲しい。母親ならば、誰もが願うことかもしれません。先天的な障害や病気を持つ確率と、妊娠中に摂取する食べ物、飲酒や喫煙、出産する年齢などとは関係があることがあります。
つまり、それらの原因に注意することで子供が先天的な障害や病気を持つリスクを下げることができるのです。今回は、子供に先天的な障害がある確率や、先天的な病気を持つリスクを下げる方法を解説します。現在妊活中、妊娠中の人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
子供が先天的な病気・障害を持つ確率
先天的に異常があり何らかの処置が必要な赤ちゃんが生まれる確率は、平均で3%程度と言われています。ダウン症などの染色体異常のケースを除くと、母親の年齢と先天異常発生率はあまり明確な関係はないようです。
しかし、障害のうちダウン症などの染色体異常が発症する確率は、出産年齢によって変わることがあります。25歳で出産した場合、ダウン症を発症する確率は1/1250ですが、45歳の場合は1/30まで上がってしまうのです。
先天的障害・病気を持つ確率を下げるには?
ここでは、先天的な病気や障害を持つ確率を下げる方法をご紹介します。
20~30代で早めの妊娠を意識する
妊娠する年齢が上がるにつれ、ダウン症などの染色体異常が生じやすくなるという研究結果があります。さまざまな事情はありますが、家族やパートナーと相談し、20~30代で早めの妊娠を心がけることができるかもしれません。
飲酒・喫煙を控える
妊娠中の飲酒・喫煙は胎児に悪影響を与えることがあります。
妊娠中に飲酒すると胎児性アルコール症候群になることがあり、低体重やADHD(注意欠如・多動症)を引き起こす可能性があるでしょう。
また、妊娠中の喫煙は、先天異常を引き起こす可能性が高いと言われています。妊娠中の飲酒・喫煙は控えましょう。
偏った栄養補給をしない
妊娠中は免疫力が下がるので、普段普通に食べている物でも母親や胎児に悪影響を与える場合があります。そのため、妊娠中は食べる物にも注意が必要です。
飲食を控えた方が良い物
- 生もの
- アルコール
食べ過ぎに注意するべき物
- カフェインを含む飲み物(コーヒー、コーラ、エナジードリンク、お茶、ココア)
- 香辛料が多く、辛い物
- 塩分の多い加工肉
- インスタント食品
- 水銀を多く含む魚(マグロ、サメ、深海魚類)
- 海藻
上記の食材に注意しながら、バランスよく栄養を摂取して規則正しい生活を心がけましょう。
葉酸を摂取する
ビタミンの1種である葉酸は、細胞の生産や再生、成熟を助ける役割があります。葉酸の摂取は、胎児の発育を助ける他、脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができると言われているので、妊婦さんには欠かせない栄養素です。
妊活中や妊娠初期に1日に必要な葉酸の摂取量は、妊娠前と比べると1.8倍ほどと言われています。そのため、葉酸が多く含まれる、ほうれん草、アスパラガス、枝豆、焼きのり、レバーを積極的に摂るようにしましょう。
ただし、このうちのレバーは、妊娠初期に多量摂取しない方が良いとされる動物性のビタミンAも多く含まれるのでご注意ください。
子供が障害を持つ確率は減らせることがある
先天的な障害や病気を持って生まれるリスクは、飲酒や喫煙、偏った食生活、出産年齢などに注意することで減らせることがあります。
飲酒や喫煙など、長年の習慣は一気に止めるとストレスになってしまい、止めるのが難しい場合もあるかもしれません。しかし、妊娠を考えている場合は、できることなら早めに日頃の習慣を見直してみるとよいでしょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得