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出産する前に知っておきたい「産後うつ」のこと
2020.08.03 by 河西 景翔 河西 景翔

出産する前に知っておきたい「産後うつ」のこと

こんにちは。河西ケイトです。

皆さんは「産後うつ」というワードを知っていますか? 知らなくてもどこかで聞いたことはあるかもしれませんね。今回は、産後ホルモンバランスの崩れから起こる「産後うつ」についてお話したいと思います。

産後は、身体も環境も大きく変化して、心が不安定になりがち

産後1年までに死亡した妊産婦さんの死因の減少の1位を締めている原因は、「産後うつによる自殺」とも言われています。産前産後のメカニズムとして女性の身体の中では、エストロゲンと言われる女性ホルモンのバランスが大きく変化します。胎盤ができると共に、数値は大きく上昇し、安定しますが、胎盤が出てしまう産後は急激に降下します。

この急降下は、普段の月経の100倍近い高さから落ちると言われているのですから、身体がついていけなくなるのは、自然現象であり防ぎようがないことといえます。また、出産後は交通事故に合ったのと同じくらいに身体が酷く傷ついた状態です。そこからすぐに赤ちゃん中心のお世話が始まり、自分の身体を治癒する暇なく、睡眠不足なれない生活で、精神的にも不安定になり「うつ」状態になってしまうとも言われています。

大切なのは、一人で頑張りすぎないこと

では、実際にホルモンバランスにより気持ちが落ち込むようになってしまったらどうしたら良いでしょうか? 産後はとにかく赤ちゃんのことで頭がいっぱいになりがちです。「私がいないと赤ちゃんが!」「泣いたらすぐいかなきゃ!」となってしまう気持ちもわかりますが、ママ自身が自分の心や身体のことを大切にしましょう。

ママが健康でいることこそが、赤ちゃんの健やかな成長にも繋がります。赤ちゃんが寝ている間に家事をこなさなきゃ! とは考えず、短時間でも睡眠をとったり、リラックスして自分時間を楽しむことも必要です。また、ときにはパパに育児をお願いして、自由な時間を作ったりなどの気分転換も大切です。

周りの人にSOSを発信する力をつける

先述したように、育児を一人でしなければならないという決まりはありません。むしろ、時代はチームで育児をする方向になっています。チームで育児をするには、「自分が一人でやらなきゃ!」という思いはまず捨てましょう。完璧でなくても良い、ここは誰かにお願いしよう、とやってもらいたいことをSOSとして発信していくことが大切です。

日本人は、古くから「耐えることが美学」として教え育てられてきました。しかし、耐えることで自分が病んでしまい、病んだ状態のまま育児をすることは、親子に良くない影響をあたえます。「SOSを出しても良いんだ!」と自分に折り合いをつけることが新たな一歩。踏み出せば必ず世界は変わります。まずは踏み出す(発信する)勇気を出せるよう、自分をトレーニングしていってくださいね。

症状が長く続くようなら専門機関を訪れましょう

「うつ」は病気です。育児をする中で、

「子どもがかわいく思えない」

「疲労感のほうが強く育児ができない」

「心配や不安で眠れない」

などの症状が長引くようでしたら、早期に受診し、専門の相談を受けることで回復も早くなります。そして、一番大切なのは、周りにいる人達が常にママの状態を観察・把握し、何かあればすぐにケアをしていくということです。パパは、育児を平等にできなくても大丈夫! ママの側について、一番の良き理解者として、話をたくさん聞いてあげるようにしてください。ママを思い支えることがパパの大切な役目です。

今回は「産後うつ」についてお話しました。日本はまだまだ「女性が子どもを一人で育てるのがあたりまえ!」という考えを持つ人は多いです。しかし、医学が進歩し身体のメカニズムが解明されている現代、本当に女性がひとりで育児をすることは正しいことなのでしょうか?

フランスは、子どもが誕生すると数週間男性も育児に入るそうです。数週間ですが、その数週間で父親としての自覚が芽生え、育児休暇が終わり、子どもを女性ひとりに任せて会社に行くことに対して「悪いことをしている」と罪悪感を抱くそうです。日本もそんな取り組みを始めれば、「産後うつ」になってしまったり、ながびいてしまう女性も減っていくのでは? と思います。

河西 景翔

河西 景翔子育てアドバイザー

小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。平成14~26年まで、保育士・幼稚園教諭として現場で働く。現在は、セミナーを開催したり、ウェブマガジン・ブログを通し、子育てに悩むママに向けて、子育てに関する情報を発信。「子育て中のママと、共に悩みながら最良の道を切り開く」を念頭において、日々奮闘中。

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