産前休暇とは?休暇を取らない場合のメリットデメリットも紹介
産前休暇は、働く女性が安心して出産をするために取得できる制度です。今回は産前休暇について解説しますので、妊娠がわかった働く女性はぜひ参考にしてみてください。
産前休暇とは
産前休暇は労働基準法第65条で定められている出産前に取得できる休暇です。では、産前休暇について詳しくみていきましょう。
産前休暇はいつから取得できる?
産前休暇は出産予定日の6週間前から、多胎妊娠の場合は14週間前から取得可能です。出産予定日はあくまで予定の日なので、予定日より早く産まれた場合は産前休暇は短くなり、予定日より遅れて産まれた場合は産前休暇は長くなります。
帝王切開で出産日が決定していても、妊娠40週0日である出産予定日を変えることはできないため、休暇を希望する際は勤め先の会社に相談してみましょう。
休暇取得の流れ
会社は妊婦に対し、安心して働けるよう配慮や措置を講じる必要があるため、妊娠が判明したら早めに会社へ報告しましょう。
産前休暇を取得するためには「産前・産後休暇願届」を記入し会社に申請します。申請の書式や用紙の提出期限については会社で規定されているため、就業規則を確認し期限ギリギリになって慌てることのないようにしましょう。
産前休暇中の給料は?
労働基準法では「事業者が給料を支払う義務はない」とされていて、原則産前休暇中の給料は支払われません。ただし、給料が支払われなかった期間を対象に出産手当金を申請することが可能です。
出産手当金は健康保険加入者に給与の3分の2程度の額が支給される制度で、産休中の収入減を補うためにしっかり考えられています。
産前休暇を取らない場合は?
産前は本人の希望があれば就業することができるため、産前休暇を取らずに出産ギリギリまで働くことが可能です。ただし、無理は禁物なので体調と相談しながら決めましょう。
メリット
産前休暇を取らないことで次のようなメリットがあります。
- 出産ギリギリまで働くため、給料がしっかり入る
- 家でダラダラせず規則正しく生活できるため、体重管理ができる
産前休暇を取ることで、食事が不規則になったり運動不足になったりして体重が急に増える方もいます。無理はよくありませんが、体調に合わせ仕事を続けることも、安心して出産するための選択肢のひとつなのかもしれません。
デメリット
産前休暇を取らないことで次のようなデメリットがあります。
- 妊娠中は体調の予測ができず何が起こるか分からないという不安がある
- 出産準備に時間がとれない
産前休暇が取得可能な妊娠9ヶ月といえば、かなりお腹が大きくなり通勤や仕事で体への負担も大きくなります。体調が不安な方は無理せず産前休暇を取り、出産準備や心の準備に時間を使いましょう。
出産手当金はどうなる?
出産手当金は、出産によって収入が減ってしまう女性の生活を支援することが目的であるため、産前休暇を取得しない場合は原則出産手当金は支給されません。
しかし、出産手当金の適用期間は出産予定日の42日前から出産後の56日目までなので、産後の休暇中に給与の支払いがなかった分は支払い対象となります。休んだ日数に応じて健康保険から給与の3分の2に相当する額が支給されるため安心してください。
安心して出産にのぞもう!
産前休暇は働く女性のために定められている制度です。無理をせず体調と相談しながら産前休暇を検討し、元気な赤ちゃんに会いましょう。