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【フランスからの報告】フランスのクリスマス

【フランスからの報告】フランスのクリスマス

フランスといってもパリから660km以上離れたスイスとイタリアの国境近く、フレンチアルプスのスキー場暮らし。そんな田舎&山から、華やかさはないけれど、ごく普通で一般的なフランスの日常や教育についてご紹介。

今回は、フランスのクリスマスについてレポート!


第11回 クリスマスまで毎日カウントダウンの12月

カレンダーチョコ(アドベントカレンダー)でスタート♬

「もう〜い〜くつ寝ると〜♪」と唄でお正月までを指折り数えて待つのと同様、フランスっ子達もクリスマスを楽しみに待ち侘びる。そのカウントダウンに12月1日から始めるのが、このカレンダーチョコ。毎日、その日の数字が書いてある小窓を開けて、中の小さなチョコを食べていく。

幼児の場合、これが良い「数字の勉強」にもなる。

ささやかな毎日の楽しみ

発祥は19世紀のドイツ、そして当時、領地争いでドイツになったりフランスになったりしていた、今はフランスのアルザス地方。1850年頃はドアにチョークで数字を書いていったり、毎日、蝋燭や宗教画を増やしていきながら、イブの日までを数えるというスタイルだった。それがチョコになったのは1958年からのこと。

今ではフランスだけでも毎年850万個ものカレンダーチョコが売られ、その売り上げは57億円以上。近年では子どもにはレゴなどの小さなオモチャ。大人には香水やワイン、ビールや紅茶などのアドベントカレンダーも販売されているけれど、やはり基本はチョコレート。

学校の教室にも飾り、毎日「今日は僕の番!」と登校。1人ずつ順番にその日の数字のところに用意されたチョコやビスケットを食べることを楽しむ。

クリスマスツリー。毎年、生のモミの木を買う家が多い理由

クリスマスツリーの発祥もフランス・アルザス地方。(昔はドイツだったこともあるので、ドイツが発祥と記されていることもある)

はじめは冬でも緑が美しいモミの木に赤いリンゴを飾っていたので、それで今でもクリスマスツリーというと緑と赤の配色が多いらしい。

しかし1858年、リンゴが不作で収穫できず、その時にアルザスのガラス職人がガラスのボールを作ってモミの木に飾り、それが発端となってクリスマスツリーのデコレーションが始まったのだそう。

12月になるとフランス中のスーパーの駐車場には大量のモミの木が並び、販売が始まる。そして小学校にも校庭用に3m、各教室用には1mのモミの木が運びこまれてくる。植木鉢ではなく伐採ものなので、日に日に乾燥して葉が落ち毎日掃除には手間がかかるのだが、それでもイミテーションではなく生のモミの木を購入する家が多い。

とりわけ暖炉のある家は本物を好み、理由を訊くと「薪の香りとモミの木の香りの調和が心地よいから」だという。確かにクリスマス時期に暖炉のある家に行くと、一歩入った途端、まるで森にいるような、自然味ある豊かで柔らかな匂いに家中が包まれている。

毎年12月だけ味わえる、季節限定の自然な芳香剤だ。

12月は散歩も楽しい。家々の窓辺もクリスマス一色

そして12月になると玄関周りや台所の窓辺、ベランダなど、多くの家がクリスマスデコで飾るので、近所を歩くだけでも楽しいクリスマス気分を味わえる。繁華街のような過度な装飾や派手なイルミネーション、自己主張がないところも心地よい。

それはちょうど日本のお正月の門松や雛人形。七夕やお月見の祝い方、飾り方に似ていて、昔からの風習。ただただ静かに楽しんでいるという文化感が強い。

図画工作授業もクリスマスグッズ作り

「読み書きソロバン重視」つまりフランス語と算数がメインで、図画工作や音楽、家庭科などは毎週の時間割に組み込まれているわけではない小学校でも、12月はクリスマスにちなんだ工作を盛んにする。

上)幼稚園児は数字の勉強も兼ねてアドベントカレンダー作り (下)こちらは小学校高学年のクラスが作った木工デコ。12月のチャリティ(盲聴導犬や電動車椅子、小児病棟への寄付など)商品にした。

給食のクリスマスランチ

クリスマス&新年のバカンスは2週間。その直前の1学期最終日は給食もクリスマスメニュー。前菜にはサーモンやエビなどの海産物。メインは七面鳥か鶏肉料理。そしてデザートにはブッシュ(薪)型のケーキ・・・というのが毎年定番。

最後にはチョコレートの詰め合わせも手土産に渡され、子供達はクリスマス気分満載で最終日を終え、数日後の本番を待ち焦がれる。

配る直前にブッシュのメレンゲにバーナーで焼き色をつける。子供達も体験。

ブッシュ・ド・ノエル

フランスでクリスマスケーキといえば、ブッシュ(薪)型。何人でも分けあえる形も人気の理由。

昔、大きな薪を暖炉に置き、その火が新年まで消えないように上からワインや蜂蜜、牛乳を注ぎ、葉や栗も置いたことから、菓子「ブッシュ・ド・ノエル」の飾りもヒイラギや栗などになったのだそう。

今、そのブッシュ・ド・ノエルをめぐってはパティシエ達が華やかに競い合い、毎年、多くの傑作を生んでいる。

ブッシュ・ド・ノエルは子どもより、むしろ大人達にとっての楽しみ。イブの夜の最後を飾る打ち上げ花火だ。今年はどんなものに驚かされるのか。今から多くの菓子好き達がワクワクしながら、クリスマスまでを指折り数えて待っている。

昨年のブッシュ(左上)アドリアン・ボッゾロ(左中)ルノートル(左下)アントニー・ブルネ©️Philippe Exbrayat(右上)パスカル・エニグ©️Julie Lamont (右中)ヤン・クヴルー©️Laurent Fau(右下)ユーゴ&ビクトール©️Hugo&Victor
祐天寺りえ

祐天寺りえライター

1994年フランスのスキー場(メリベル)に移住。小学校勤務(給食、教室清掃、スクールバス添乗など)、執筆業、鍼灸&指圧&アロママッサージなどを生業とする3子(20&21&26歳)のシングルマザー。著書「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て(小学館)」「食いしん坊の旅(パラダイム出版)」「フランスだったら産めると思った(原書房)」facebook.com/rie.yutenjiosaki

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