アスペルガー症候群を診断するときの基準とは?その判断基準を紹介
アスペルガー症候群を診断するためのチェックリストはネット上にも多くみられ、自分である程度その傾向を調べることができます。しかしながら昨今は、アスペルガー症候群ではなく自閉スペクトラム症と呼ばれることもあり、その名称や疾患概念に変化が生じているようです。
そこで本記事では、アスペルガー症候群の名称や疾患概念の変化と、またその診断基準について紹介しましょう。
アスペルガー症候群の名称や疾患概念の変化
昨今はアスペルガー症候群ではなく、次第に自閉スペクトラム症と呼ばれるようになってきています。自閉スペクトラム症とは、具体的にどのような疾患概念なのでしょうか。
自閉スペクトラム症(ASD)とは
発達障害のなかでも自閉症と高機能自閉症、アスペルガー症候群の3つは、「人とのコミュニケーションが困難」、「特定のことに強いこだわりがある」、「パターン化した行動」といった同じような特徴があります。
そもそも高機能自閉症とアスペルガー症候群は自閉症の一部であり、明確に線引きするのは難しいのが現実です。そのため「本質は同じ連続したもの」とした考え方に基づいて診断がくだされるようになり、総称して自閉スペクトラム症と呼ばれるようになりました。
しかしながら、アスペルガー症候群のほうが世間では認知度も高く、あえてアスペルガー症候群という名称を使っている人も少なくありません。
アスペルガー症候群を診断する基準とは
それでは、アスペルガー症候群を診断する基準とはどのようなものでしょうか。いくつか代表的な診断基準を紹介します。
子どものころの情報がカギとなる
アスペルガー症候群は生まれつきであり、成長する過程で発症するわけではありません。そのため、どのような子どもであったのか、子どものころの様子が診断するときのカギとなります。現在の状況と子どものころの様子を照らし合わせて、総合的に診断されることが多いでしょう。
対人関係におけるさまざまな障害
アスペルガー症候群の大きな特徴は、社会的なコミュニケーションを取ることが困難なこと。他人の感情を読み取ったり共感したりできず、人と良い関係を築くのが難しいとされています。
パターン化した行動と強いこだわり
パターン化した行動とある特定の分野に強いこだわりをもつことも1つの診断基準でしょう。予想外のことが起こると、対応できずパニックになることも。
知的な問題はなく普通の生活が送れる
アスペルガー症候群は、言葉や知能の遅れはありません。そのため普通の人と変わらず同じような生活を送ることができます。ただし周りの人の理解がなく環境が合わないと、不登校になったり退職したりといったこともあるでしょう。
診断するには専門家への相談が欠かせない
アスペルガー症候群の特徴は、多かれ少なかれほとんどの人が当てはまる内容でもあります。多くの人が人間関係に悩み、ある特定の分野に興味をもつものです。そのため安易に自分で判断することはできないでしょう。
もし心当たりがあれば、きちんと専門家へ相談することをおすすめします。