自閉症の特徴や原因、支援について理解しよう!知的障害との関連も解説
もしかしたら我が子が自閉症かもしれないと思ったとき、不安になる方や焦る方もいるかもしれません。でも、自閉症の特徴や受けられる支援、知的障害との関連について知ることで、落ち着いて自閉症と向き合いやすくなります。子供に不安やストレスを感じさせないよう、子供を支援していきたいもの。まずは、自閉症について一つずつ理解を深めていきましょう。
自閉症とは
自閉症は1歳を過ぎた頃から兆候が現れやすく、生まれつきの脳の障害が原因といわれています。育て方やしつけの仕方が原因ではありません。自閉症を判断するはっきりとした数値などはなく、行動観察により判断することがほとんど。
知的障害などの精神疾患を併存することが多く、人によってはADHD(注意欠如・多動症)や学習障害をはじめとする様々な疾患も併存しやすいです。
自閉症の症状は、将来的になくなるとは言えません。しかし、早期からケアすることで、子供に適した育て方や接し方が見つかりやすい傾向があります。したがって、子供が自閉症かどうか気になる方は、幼児期の早い段階で、自閉症かどうかの診断を受ける方がよいでしょう。
自閉症と知的障害の違い
では、自閉症と知的障害は何が違うのでしょうか?自閉症は知的障害ではなく発達障害の一つで、発達障害にはほかに学習障害(LD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)があります。
一方、知的障害は知的な遅れのことで、複雑な事柄や会話の理解が難しいという特徴が挙げられるでしょう。医学上の分類では、発達障害・知的障害どちらも広い意味での精神障害と定義されています。
ちなみに、知的障害を併存する自閉症もありますが、必ずしも併存するわけではありません。
自閉症の特徴
自閉症は、対人関係・コミュニケーションが苦手で、かつ強いこだわりがあるのが特徴です。全ての特徴があてはまるとは限りませんが、代表的な症状がどんなものか把握しておきましょう。
対人関係が苦手
他者への関心がないため、人との関わり合いが苦手なのが自閉症の特徴です。視線が合わない、表情がない、などの症状があったら、自閉症の疑いがあるかもしれません。
また、他人の気持ちを理解することも難しいでしょう。相手の気持ちを読み取れないため、その場に合わせた発言や行動ができないこともあります。
コミュニケーション障害
全体的に言葉の遅れがあるだけでなく、言葉のキャッチボールが苦手です。「話すことがちぐはぐ」「一方的に話し続ける」「相手の言葉を繰り返す」といった行動が多く、身振りや物まねなどもしづらいでしょう。
こだわりが強い
自閉症は一つのことのみに興味を持つ傾向があり、こだわりが強いことが特徴です。一つのことに夢中になるものの、同じ行動を繰り返し、興味が広がっていくことはほとんどありません。食べ物などの好き嫌いがはっきりしている子もいれば、特定の音を嫌がる子もいます。
また、今使っているものや今のやり方にこだわりやすいので、新しいもの・新しいやり方を嫌がることも自閉症の特徴といえるでしょう。急に予定を変えたり、新しいものを生活に取り入れるとパニックになることもあります。
自閉症の子供の支援
自閉症特有の行動は周囲に理解されづらいので、中には不安になったり生きづらく感じたりする子供もいます。親は子供がのびのびと育つことができるよう、自閉症を子供の個性として受け止めましょう。
まずは、自閉症の子供特有の考え方・行動を理解した上で、子供の得意なこと・苦手なこと、好きなもの・嫌いなものを知ることが大事です。そして、うまくできたこと・達成できたことはほめてください。
ほめられることや成功体験を積み重ねることは、子供にとって安心、そして自信となります。小さなことでもいいので、ほめることを心がけてください。
保護者と学校が連携して支援を
自閉症の子供を支援するには、学校との連携が必須です。学校とこまめにコミュニケーションをとり、家庭での子供の様子や発達の様子などを伝えてください。子供に関する情報を学校と共有することが欠かせません。
自閉症の子供の支援は、子供の特徴や発達レベルに合わせることが大事です。またライフステージに合わせて、ベストな支援をしましょう。どのような支援がよいかは、ライフステージによって異なります。そのとき最も最優先するべき支援を、学校と相談しながら決めてください。
子供一人ひとりに合った支援を心がけよう
同年齢の他の子と発達を比較してできないことを嘆くのではなく、自閉症を個性として肯定的に受け止めることが大事です。自閉症の症状は、子供によってさまざま。学校と協力しながら、子供の性格や症状に合った支援をするよう心がけましょう。