重度知的障害児との接し方とは?育て方と学校の選び方も解説
知的障害は程度によって、最重度、重度、中度、軽度の4段階に分けられますが、見た目だけレベルの判断は困難です。
そこで今回は重度知的障害の判定基準について、どのように判定されるのかについて解説します。また、重度の知的障害児とはどのように接するべきなのか、接し方や育て方、学校の選び方についても触れますので参考にしてください。
どこからが重度?知的障害の判定方法とは
前述の通り、知的障害は最重度、重度、中度、軽度の4段階に分けられます。段階によって特徴は異なり、重度の特徴には、文字や言葉、数などの概念の理解が難しいことが挙げられるでしょう。
発達の初期から遅れが見られ、生涯を通して食事や身の回りのことなど生活上の行動について支援が必要となるケースが多いようです。しかし、この特徴には個人差があり、どこからが重度となるのかは、特徴に当てはまるかどうかだけでは決められません。
では、知的障害の段階判定はどのように行われるのでしょうか。見てみましょう。
判断基準は「IQ」と「日常生活力水準」
知的障害の段階の判定基準は「IQの値」と「日常生活力水準」です。それぞれ4つのレベルに分けられ、当てはまるレベルによって段階が決定します。
重度知的障害の場合、IQは21~35とされていますが、日常生活水準の判定でレベルが低いとIQが中度とされる36~50あっても重度という判定に。逆に、IQが~20の最重度レベルであっても、日常生活水準が高ければ重度と判断されることもあるのです。
重度の知的障害児との接し方
重度の知的障害を持つ子供にはどのように接したら良いのでしょうか。重度の知的障害児への接し方と育て方を見てみましょう。
遊びを通して自信を身に付けさせる
知的障害を持つ子供は、障害があることで成功体験を得にくい傾向にあります。成功体験は子供が育つ上で、チャレンジ精神を生んだり、失敗したときに立ち直る力を与えたりする重要なものです。
そこで、遊びの中でも簡単なことを子供にチャレンジさせて成功体験を積ませてあげてください。例えば、ごく簡単な選択式のクイズ遊びをしたり、一緒に生き物を育てて観察したり、公園の遊具に乗せてあげたりと簡単なことからはじめましょう。
どんなことでも、自分でもできたという成功体験につなげてあげることが大切です。
学校や施設は子供に一番合った所へ
重度の知的障害児が通う学校としては、知的障害特別支援学校、知的障害特別支援学級が挙げられます。また、専門施設も選択肢としては挙げられますが、学校や施設選びをする際は、子供の状態に一番合った所を選ぶようにしましょう。迷う場合は、子供を含めて医師や専門家に相談することもおすすめです。
療育指導も取り入れて
家庭内だけで子供を育てていると、親の負担が大きくなってしまいます。また、子供の育て方で迷いが生じることもあるでしょう。そこで、療育指導も取り入れることをおすすめします。
療育指導を受けられる機関としては、0~6歳までは児童福祉法に基づく児童発達支援センターや児童発達支援事業所、小学生以上は放課後等デイサービスがあるので調べてみましょう。
重度知的障害児は自信を付ける育て方を
重度の知的障害を抱える子供は、成功体験が得られにくく、自信を付ける機会が多くありません。重度の知的障害児と接する際は、どんなに小さなことでも、できて当たり前と思うのではなく、できたことがすごいと褒めて自信を付けてあげてください。その自信こそが成長につながっていくのです。