軽度知的障害の特徴!幼児期に見られる気になるポイント
軽度知的障害は「軽度」と名前についていますが、実際のところは障害の程度が軽度という意味ではありません。軽度知的障害とは何か、また、幼児期に見られる特徴について解説します。早めに医療機関を受診することで得られるメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
軽度知的障害とは?
軽度知的障害という病名・障害名はありません。そのため、どのような病気を指しているのかはその時々で異なることがあります。
一般的には「学習障害」と「注意欠陥多動性障害」、「高機能広汎性発達障害」の3つの障害を指すことが多いです。しかし場合によっては、「軽度精神遅滞」も含めた4つの障害を指すことがあります。
障害の程度が「軽度」ということではない
冒頭でも解説したとおり、軽度知的障害とは知的障害の程度が「軽度」という意味ではありません。脳性麻痺や精神遅滞といった発達障害に比べるならば障害の程度が軽いという意味で、「軽度」という言葉が使われることが多いようです。
幼児期に見られる軽度知的障害の特徴
軽度知的障害に含まれることがある学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能広汎性発達障害などは、いずれも先天性の障害で、幼児期にも何らかの特徴が見られることがあります。主な特徴を4つ紹介しますので、気になる部分があるときは早めに医療機関で相談するようにしてください。
言語の遅れ
言葉の発達は個人差が大きいため、一概に遅れを指摘することは難しいです。しかし、2歳になって二語文(ごはんおいしい、お母さん好き)が話せない場合は、軽度知的障害を疑うことができるかもしれません。
聞く・話す・推論する能力の問題
周囲の話をしっかりと聞かない子供や論理だてて話すことが苦手な子供も、軽度知的障害が疑われることもあります。また、推論する能力も確認してみましょう。例えば「今日は、いつもの猫がいないね?どうしてだと思う」などと子供に質問し、子供の答えを聞いてみてください。
衝動性・多動性が見られる
理由もなく暴れたり叫んだりする子供は、注意欠陥多動性障害が疑われます。また、じっと座っていることやおとなしく話を聞くことが苦手な子供も、注意欠陥多動性障害の疑いがあるかもしれません。
コミュニケーションが難しい
一方的に話す子供や会話ができない子供も、軽度知的障害の可能性があります。興味のあることだけを話して、興味のないことに関してはまったく聞こうとしない子供も、軽度知的障害を疑うことができるでしょう。
早めに医療機関を受診して相談しよう
軽度知的障害は先天的な障害のため、治療で克服することはできません。しかし子供に合った学習方法や生活習慣を習得することで、社会生活や日常生活に不便を感じにくくなることはあります。早めに療育を開始するためにも、気になることがあるときは医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得