読字障害(ディスレクシア)とは?特徴や子供への対処と治療法
子供が成長する過程で、絵本や文章を読むスピードが遅すぎると感じたら、読字障害の可能性があるかもしれません。今回は読字障害とはどのような障害か、子供に読字障害が疑われる場合にできることについて解説します。
読字障害(ディスレクシア)とは?
読字障害とは、ディスレクシアとも呼ばれる文字や文章を読むことが苦手な障害です。
文字が読めないと書くことも困難になるので、読字障害を持つ人は、文字を書くことに困難を覚える書字障害を併発することがあります。
読字障害を持つ子供の特徴
読字障害を持つ子供の特徴には、以下が挙げられます。
- 文字をきちんと発音できない
- 文字の集まりである単語の理解が難しい
- 聞いた言葉を記憶することが苦手
症状の現れ方には個人差があるため、挙げられた特徴の全てが当てはまるわけではありません。また、すべてに当てはまらないこともあるでしょう。文字を読むということや書くことに関して少しでも気になることがあれば、小児科や専門家に相談しましょう。
子供に読字障害が疑われた時の対処と治療法
子供に読字障害が疑われた場合は、どのように対応するべきでしょうか。また、治療方法はあるのか見てみましょう。
専門機関に相談して診断を受ける
読字障害が疑われた場合は、まずは子供の障害に関する専門機関に相談しましょう。地域にある「児童発達支援事業所」「保健センター」「子育て支援センター」で相談することができます。
読字障害は学校へも相談するべき
専門機関に相談し、医療機関で読字障害と診断された場合は、学校へも子供が読字障害であることを伝えることができるでしょう。
なぜならば、読字障害は目に見える障害ではないため、周りからの理解が得づらいという特徴があるからです。また、学校に相談することで、授業での支援やサポートを受けられる場合もあります。
専門機関や家でトレーニングする
読字障害は幼い頃から療育することで、生活や学習に対応しやすくなる可能性があります。読字障害に対応している専門機関や家庭で、トレーニングを積みましょう。
家でのトレーニング例
読字障害のトレーニングは、家でも可能です。以下を参考に、子供に合った方法を探してみてください。
- 教科書を拡大コピーするなどして、文字のサイズを大きくして読みやすくする
- 漢字にはふりがなをふる
- 単語や文章の区切りにスラッシュを打って、文章のまとまりを意識させる
- スマホやタブレットなど拡大、音声機能付きの機器を使用する
他にも、背景に色が付いていた方が読みやすいという場合があるため、専門家に相談した上で色付きメガネをかけたり、色付きの下敷きを使ったりして背景色を変えることも試してみてください。
療育で読字障害に適応する方法を学ぼう
読字障害とは、文字や文章が読みづらい学習障害の一種です。読字障害を持ったまま成長すると、学校での勉強に支障が出てしまいます。
そのため、子供に読字障害が疑われた場合は、地域の専門機関に相談して、必要な療育を受けられるようにしましょう。療育を通して学習しやすくなることがあります。
療育の方法によっては家でもできるので、子供に合った方法で学習をサポートしていきましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得