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台湾在住の日本人ママにインタビュー!【その1】 桃園市・スーさんの場合

台湾在住の日本人ママにインタビュー!【その1】 桃園市・スーさんの場合

この連載では、台湾で子育て中の日本人ママ3名に行ったインタビューをお伝えします。

台湾の首都・台北にほど近い街「桃園(タオユエン)」に暮らすスーさん。愛媛県出身の35歳で、30歳になる前に台湾へ移住し、結婚、出産を経験されました。今は1歳になった息子さんを育てながら、在宅でライター、編集者として活躍中。今回はそんなスーさんに、台湾移住を決めたきっかけや台湾での妊娠、出産、子育てエピソードなどを伺いました。

「夫が輝ける場所に住もう」と台湾移住を決意

ー台湾へ移住した経緯を教えてください。

オーストラリアでワーホリ中に台湾人の彼と知り合い、結婚を決め移住することにしました。夫と知り合ってから台湾という国について深く知った、というのは内緒の話ですが(笑)。

ーおふたりは海外で知り合っていますし、台湾以外に、日本や第3国で暮らす選択肢もあったと思うのですが、台湾に住むことを決めた理由はありますか?

私は海外旅行が好きなので、どこの国でも住めると思ったのですが、夫が一番輝ける場所で暮らすのがいいんじゃないかと思い、台湾で暮らすことにしました。

ー旦那様が一番輝ける場所、というのは?

夫はバスケが大好きで。オーストラリアにいたときも、台湾全土の社会人・実業団チームが集まるバスケの試合に参加するために帰国していたくらい、バスケ中心の生活を送ってました。日本やほかの国で家庭や仕事を持つと、それまでのようにバスケをする環境を失うんじゃないかと心配だったんです。

ーそれはステキな理由ですね! 実際に住んでみた感想はどうですか?

実際住んでみると、気候も人もあたたかく、噂通り、日本人にとっては住みやすい国だなと思いました。

今は1歳の子供を育てながら、在宅でライター・編集の仕事をしていて、子供の離乳食を作るだけでもいっぱいいっぱい。料理はするほうなので苦ではないのですが、今は外食、テイクアウトが一般的な台湾の文化の恩恵を受けています。週に3〜4回はfoodpand(オンラインデリバリーサービス)を利用したりして。

夫もそういう文化の中で育っているので、料理をしないことについて何か言われるということはありませんし、気が楽です。

「無痛やっとく?」台湾での出産

ー息子さんが1歳になりました。出産当時のエピソードを聞かせてください。

最初は普通分娩を予定していたのですが、陣痛が始まって病院に着いたら、看護師さんから「無痛やっとく?」という感じに聞かれまして。(笑)夫が書類にサインをし、お金を払い、無痛分娩にしてもらいました。

ーそんなフレキシブルにに無痛分娩を選択できるんですね。

ただ、息子の頭が大きくて麻酔後に力む必要が出たので、結果的には麻酔を止めての出産になったのですが……。

ーそれは大変でしたね!!

麻酔が効かなくなってからの痛みが激しく、看護師さんに飛びついて、引きずられるようにして分娩台に。陣痛がマックスになってからは「拷問ってこんな感じなのかな」とか「世界中で無痛分娩が広がって欲しい!」という、壮大なことを考えながら耐えていました。

日本での出産の経験はないのですが、無痛分娩にまだ慎重だと聞きます。日本でも多くの人が取り入れられればいいなと思いました。

旦那さんのほうが寝不足!? 台湾人の育児観

スーさんが滞在した月子中心のお部屋の様子。まるでホテルのよう。

ー産後はどのように過ごされたんですか?

まず、月子中心(ユエヅジョンシン:台湾の産後ケアセンター)で16日間過ごしました。台湾では、産後の体を1ヶ月休めるのが常識で、お風呂もダメ。これはどんなに若い人でも共通の認識だそうです。日本だと、そんなに長い間何もせず休んでいるということが精神的な負担だったりしますよね?

台湾人ママの社会復帰は産後1~2ヶ月ほどと言われているうえに、共働きが普通。私の場合は、お願いすることはありませんでしたが、月嫂(ユエサオ:産婦と新生児専門の家政婦さん)や保母(バオム:ベビーシッター)の力を借りるのが一般的だそうです。

ー旦那さんは育児に協力的ですか?

1日くらいならひとりで息子を見てくれますし、私は夜間に仕事をすることが多いのですが、「夜は(息子を)見るよ!」と自分から言ってくれて助かりました。面倒見がいいと思います。

妊婦検診にも「来なくていいよ」と言っていたのですが、毎回付いてきてくれて。親である当事者意識というか、そういうのは当たり前だと思っているのかなと感じました。

実は、初めての育児と仕事に追われて産後クライシスになってしまったのですが、台湾人ママに言うと、「どうしてママだけ悩まなければならないの?」「うちは旦那のほうが寝不足」というふうに言われるほど。台湾では妊娠や出産、子育てはお母さんだけのものではなく、夫や家族、地域でするものだという意識があるのだと感じました。

台湾で子育てするうえで心配なこと

1歳になった息子さん

ー息子さんを育てるなかで、心配なこと、気になっていることはありますか?

季節によって空気が悪くなるのが気になりますね。春先はガスがかっている感じで、いつもは見える遠くの山が見えないことがあります。空気の汚染度を測るアプリ(※)を使っているのですが、今日だと私が住んでいる桃園は70、南部の大都市・高雄は150という数値が出ています。100を超えると体に悪い影響があるらしく、今日みたいな数値の日は、子供と一緒に外出したくないと思ってしまいますね(ちなみに、筆者が住む北海道は、この日「8」という数値でした)。

あと、交通事情も気になります。台湾ではバイクに乗るのが一般的で、新生児もおんぶされて一緒に乗っているんです。日本人の感覚からするとちょっと怖いというか。息子もいずれ大きくなれば乗らなくてはいけないので、いつデビューさせるか悩んでいます。

AirVisual|App store

時間にも場所にも縛られない。台湾で始めた在宅ワーク

ー現在は在宅でライター、編集者としてお仕事されています。在宅ワークは、日本の子育て世代のママも注目の働き方です。感じているメリットを教えてください。

時間や場所に縛られず作業ができることですかね。日本人ママの集まりには極力出席したいと考えているのですが、会社やお店勤めだとなかなか出席できません。在宅ワークなら仕事の時間を夜にずらして参加できます。

場所にも縛られないので、日本への里帰りする際も、持って行って仕事できるのがいいなと思っています。今はコロナで行き来できませんが、次に帰国するときのために、実家の近くの託児所やシェアオフィスもすでに調べてあるんですよ。

台湾の学校は9月入学なので、長期休みの際に息子を日本の学校に入れるのもいいなと思っていて。時間や場所に縛られない仕事なら、これも実現できるかなと思います。

「自作のコロッケを売ってみたい!」これから台湾でしてみたいこと

スーさんお手製コロッケ弁当。友達からオーダーを受けて配送していたそう。

ーこれから台湾でしたいこと、将来の夢などあれば聞かせてください。

今後は、どこかのタイミングで家族と一緒に日本へ移り住むことを考えています。ライターや編集の仕事を続けたいですし、移住前にしていた介護の仕事も天職だと思っているので、復帰するのもいいなと思っています。

あと、前々からSNSでは宣言しているのですが、台湾で日本のコロッケを売ってみたいと思っているんです。私自身がコロッケ好きというのも理由ですが、夫を始め、日本のコロッケを食べたことがない台湾人に食べさせたところ、とても好評で。

台湾では、路上で食べ物を売るのは日本ほどハードルが高くないので、オフィス街のランチタイムに小さな屋台を出してみたいなと考えています。

スーさんの台湾生活&出産、産後クライシスの経験などをまとめたブログはこちら
つぎどこ。【スーちゃんの台湾ライフブログ】

きく

きくライター

美、食、住に貪欲な、20代から40代の女性向けメディアで活動中の執筆屋。34歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、自分の過去や特性を研究しながら、発達障害やその疑いに悩む人に向けた記事を執筆します。

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