教えて! ケイト先生! 「ごめんなさい」はなぜ必要? 子どもが「ごめんなさい」を言えない時に、大人がすべきこととは?
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。今回は、先日ライブ配信でお答えできなかったお悩みをテーマにお話していきたいと思います。2回目は、5歳児のお子さんをもつご家庭のお悩みから……。
「年長でとても頑固な男の子。素直に謝れない。『ごめんね』が言えないので困っています」
「ごめんなさい」の意味、本当に理解できていますか?
同じようなお悩みを私もよく受けるのですが、皆さんは「ごめんで済むなら警察はいらない」という言葉をご存知ですね。まさにそうだなぁ……と私は思います。
「ごめんなさい」は、その場を丸く収めるためにある言葉だと私達多くの大人は勘違いしていませんか? もちろん悪いことをしたときは、きちんと謝罪することは大切です。しかし、納得できていないのに、とりあえず謝罪をさせることが私は違うのかな? と思うのです。
大切なのは「ごめんなさい」という返事ではなく、どうして謝罪をしなければならないのか、本人が理解しているかどうかです。
その場で謝れないこともあると、大人が理解しておく
私達大人は、子どもが起こしたトラブルに関して「白黒」をつけることが大切だと思っている人が多くいます。
しかし、それ自体がまずは誤りだということにまずは気づくことが大切です。というのも、トラブルを起こしてしまった子の表情を見たことがありますか? 笑顔で話しを聞いているでしょうか? 大半の子がバツの悪そうな顔をしていませんか? 私はそれだけでも十分に罪の意識を感じていると思っています。
また、トラブルを起こしてしまった子が全て悪いのでしょうか? きっかけや原因は必ずあります。そのきっかけや原因をまずは探すことが「正しい謝罪」への導きに繋がります。
子どもの気持ちを聞き出すのには時間がかかるかもしれませんが、とにかく「思いを聞き出して、受け止めること」と「大人が納得ができない内容でも、とにかく受け止めて、心の余白を作ること」が大切です。
受け止めてもらえた子どもは心に余白ができ、自分の行動を振り返ることができます。振り返るという行動こそが、謝罪につながるのです。こうした背景があることを私達大人が理解しておけば、トラブルが起きても「ごめんなさい」を言うことでとりあえずその場を済ますということがなくなると思います。
謝罪の仕方は人それぞれ違う
私は謝罪の仕方は人それぞれ違ってもいいと思います。何度も言いますが、大切なのは「ごめんなさい」にどれくらい思いが入っているかです。
私が保育士をしているときにも素直に謝れない子がいました。謝り方と心の折り合いの付け方がわからなかったのです。喧嘩やトラブルは両成敗。「あやまりなさい!」と大人が焦らせてしまうと、子どもは「この人わかってくれない!」と意固地になってしまい、その結果謝ることに関して断固拒否してしまうのです。
先述したように、自分がしたことを振り返る時間があることで、自分に非が本当になかったかなども考えられるようになるので、その時間が来るまでじっと待つことも大切です。
気持ちが落ち着いたな? と思ったら、トラブルに関しての振り返りを大人と一緒に行いましょう。もし、そこで自分の「非」を認められるようになったら「気づけて偉かったね」と言うとともに、どうしたら仲直りができるか考えさせましょう。言葉に出しづらい子だとしたら、どのような謝り方があるのかを大人が選択肢を与えてもいいでしょう。
今回は「ごめんなさい」ということについてお話させていただきました。謝罪に対しての捉え方を誤ってしまうと、「とりあえず謝れば許してくれる」となってしまい、本当に大切なことに気づけないまま成長してしまいます。だからこそ、小さなうちからしっかりと謝罪をするほんとうの意味を伝えていきたいですね。