障害を抱える子供にはどんな傾向がある?年代別に解説
障害を抱える子供には、いくつか共通した言動が見られます。病気の種類によって、どのような傾向があるのか。また成長していく過程では、どのような言動が見られる可能性があるのか事前に知っておくことは、非常に重要です。
障害をもつ子供にはどんな傾向があるのか
障害と言っても、それにはさまざまな種類があります。ここでは日本人のうち100人に1人いると言われる「自閉スペクトラム症」や「発達障害」をもつ子供に共通する傾向について、解説します。
自閉スペクトラム症の場合
自閉スペクトラム症の子供の特徴として、よく見られる傾向は以下のとおりです。
- 表情が乏しい
- 言葉を話すようになっても不自然
- 対人関係がうまくいかない
- 同じ行動を繰り返す
もちろん、上記の行動をしたからといって、すぐに「自閉スペクトラム症」と断定する必要はありません。気になる点があるときは、検査をしましょう。
発達障害の場合
自閉スペクトラム症を含む、発達障害をもつ方に共通する傾向としては以下のようなものがあります。
- 対人関係がうまくいかない
- 想像力が乏しい
- 言語の発達が遅れている
上記のような傾向が見られた場合は、専門の機関に相談してみてください。
年代別におこりやすい例
障害をもつ子供には、将来的にどのような言動が見られると予想されるのでしょう。ここでは「子供の頃」「学校へ入学後」「成人してから」の3つに分けて、各段階での傾向を解説します。
子供の頃
障害を抱える子供は、幼少期に以下のような言動が多く見られます。
- 頻繁に泣く(または全く泣かない)
- 抱っこされることを嫌がる
- 激しく動き回る(じっとしていない)
- 癇癪を起こしやすい
しかしいずれのケースでも、その子の個性である可能性もあります。そのため、やはり障害と断定するには医療機関の検査を受ける必要があるでしょう。
入学後
小学校など、学校へ上がってからは、以下のような傾向が見られます。
- 授業中に落ち着きがない
- 片付けや整理整頓ができない
- 友人と頻繁にトラブルを起こす
- 身なりを全く気にしない
学校内での生活は、教師などを通してしか知ることができません。発達障害などの場合は、学校に入るまで、親も気が付かないケースが多々あります。学校からの報告などには、よく注意しておきましょう。
大人になってから
障害を抱えた子供が大人になると、以下のような傾向が見られます。
- 仕事のミスが多い
- 仕事が長く続けられない
- 家事がうまくこなせない
- 無自覚に相手を不快にさせてしまう
- 面接が苦手
本人が発達障害であると自覚しないまま「人と同じようにしなきゃ」と思い込むことで、生きにくさを感じてしまう可能性があります。「もしかして」と感じたら、早めに専門機関の検査を受けましょう。
支援制度についても知っておこう!
親が自分たちだけで、子育てをしようと無理をしすぎることは非常に危険です。子供に対して正しく接することができず、親自身や子供も自信をなくしてしまうといった悪循環に陥る可能性があります。
障害は、種類によって複数の支援制度があります。不安に感じたら、速やかに専門の機関に相談しましょう。
子供の障害にはある程度決まった傾向がある!
障害を抱える子供には、ある程度決まった傾向があります。こだわりが強いことや対人関係が不得意なことなどです。
このような傾向が見られたら、親だけで抱え込まず、第三者のサポートを積極的に受けましょう。親が一人で抱え込まないことが大切です。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得