子供の軽度の障害ってどういうものがあるの?種類と相談できる窓口とは
子供の成長や発達は、親にとっては気になるものです。もしかしたら障害があるのかもしれないと思うときは、どう行動できるのでしょうか。今回は、子供の軽度の障害について、その種類と相談できる窓口について紹介します。
子供の軽度の障害とは
子供の障害で、軽度の障害とはどういうもので、どんな症状があるでしょうか。それぞれみていきましょう。
軽度知的障害
軽度知的障害とは、幼少期から18歳までの発達期に生じた知的機能の障害により、知能指数(IQ50~69)が低くなるため、知的発達と適応能力に制限がある障害のことです。
知能指数(IQ)とは、知能検査によって出された人の知能の基準を数値化したもの。平均のIQは90~109で、70未満が知的障害とされています。その中でIQ50~69となると、4段階に分かれている知的障害の中でも軽度となるのです。
学習の面では理解しづらいこともありますが、ひととおり身の回りのことは1人でできることから幼少期には気付かれにくい特徴があります。
そのため、小学校高学年から学校に馴染めず、医療機関を訪れて軽度知的障害と診断されるケースもあるのです。
軽度発達障害
発達障害とは生まれつき、脳機能の発達に問題が生じて起こる障害のことです。軽度発達障害とは、障害が軽い、いうわけではなく、発達障害の中でも知的な遅れがない障害のことを「知的障害がほかに比べて軽度である」という意味で使われています。
注意欠如・多動症(ADHD)
ADHDは、年齢や他の子に比べ、じっとしていられない、ミスが多い、思ったまま行動してしまう、集中力がないなどの症状があります。
しかし、軽度の場合は、幼児期の子供はもともと落ち着きがなく、じっとしないものと正常の範囲と判断されてしまうこともあるのです。
そして小学生になり、集中力が続かないため、授業中にじっとしていられない、また不注意から忘れ物が多いなど叱られる場面が多くなり、軽度のADHDと診断されるケースもあります。
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症とは、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを考えたりするコミュニケーションが苦手で、また興味のあることや行動に強いこだわりがある特徴をもっている障害のことです。
軽度の自閉スペクトラム症では、幼少期ではマイペースな性格や個性と捉えられていたものが、小学生になり、友達とコミュニケーションがとれなくなったり、こだわりがより強くなったりして悪化する場合もあります。
学習障害(LD)
学習障害とは、読字障害、書字障害、算数障害の3つに分かれていて、「話す」「聞く」「書く」「計算」「推理する」などが苦手な障害です。
知的な発達に遅れはないものの、ある分野が苦手だったり、個人差があるためあらわれかたが違ったりするため、判断が難しいともいえます。
努力不足とも捉えられるため、子供を追いつめてしまわないように注意しましょう。
子供の発達が気になるときは?
子供の発達が気になるときは、どうしたらいいのでしょうか。身近な相談場所についてみていきましょう。
小児科で相談
子供の成長や発達に関して心配な場合は、まずはかかりつけの小児科で相談していましょう。普段から子供を診てもらっているからこそ、気が付くこともあるかもしれません。
小児科によっては、医師のほか、臨床心理士による発達相談をおこなっている場合もあるので、問い合わせてみましょう。
発達相談窓口で相談
自治体の相談窓口や地域の子育て支援センター、保健センターなど、お住いの自治体にはたくさんの相談窓口があります。 また、1歳半健診や3歳児健診などで相談するのもいいでしょう。
発達が気になるときは早めに相談しよう
ほかの子供と比べたとき、我が子は少し違う気がすると感じると不安や心配になるでしょう。子供は成長や発達に個人差があり、この年齢なら必ずできていなければならないというわけではありません。 もし子供の発達が気になるときは1人で悩まずに、早めに相談してみましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得