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親野智可等さんに聞く! どうやったら子どもが勉強をするようになりますか?(後編)【小学校ってどんなところ?・11】
2019.04.01 by 石井 栄子 石井 栄子

小学校入学準備・12 親野智可等さんに聞く! どうやったら子どもが勉強をするようになりますか?(後編)【小学校ってどんなところ?・11】

前回は、楽勉(らくべん)や、子どもに宿題を自分からさせるコツなどを聞きました。(前回記事:https://hanakomama.jp/topics/69714/

小学校ってどんなところ

中学受験が向いている子、高校受験のほうが向いている子

――学習時間は、最低でも学年×10分はさせたほうがいいと言われますが、本当のところどうでしょうか。

学年×10分は、一つのめやすにはなると思います。ただ、中学受験をさせたいというのであれば全然足りません。

――ズバリ、中学受験についてどう思われますか?

私立校のいいところは、「こういう子どもを育てたい」という建学の精神が明確なこと。自分の教育方針と合う学校を選択できるのはいいことだと思います。

しかし、単なるブームで、「みんなが受けるから受ける」「私立に行かない子は負け組」みたいな発想は感心しません。

中学受験に向く子と向かない子があります。一般的に、早熟な子は中学受験に向いていますが、大器晩成の子は高校受験で勝負したほうがいい場合もあります。

自分の子にどういう教育をさせたいか、子どもの向き不向きも考えて、中学受験をさせるかどうか考えてほしいと思います。

5~6個ほめて、最後に注意をする

――勉強は、親が見てやったほうがいいのでしょうか。

働くママにとっては負担かもしれませんが、宿題くらいは見てあげたいですね。
親が見てあげると、子どもは勉強が好きになるし、定着もするのです。
仕事から帰ったら、5分でもいいので宿題を見てあげて、プラス思考でコメントしてあげましょう。

まずは「宿題をちゃんとできたんだね」と、できたことをほめてあげる。
次に、いいところをみつけてほめてあげましょう。

たとえば、漢字の書き取り。文字が汚くても、「もっとていねいに書きなさい!」と叱る代わりに、比較的マシな字をいくつか見つけて、「これ、きれいに書けてるね」「これも形がいいね」とほめます。どうしても、直させたい字があったら、最後に「じゃあ、これだけ直そう」と言えば喜んで直してくれます。

日記も、「会話が生き生き書けているね」「ここは様子が目に浮かぶようだね」など、よくできている部分を見つけて、「ここがこんなふうにいいね」と具体的にほめてあげましょう。

5~6個ほめて、どうしても直させたいところがある場合は、最後に言うようにしましょう。

ほめてられると子どもはもっとがんばろうと思うものです。

好きではない習い事を無理に続けると、うつ病になることも

――最後に習い事についてお聞きします。今、塾とあわせて週の半分以上が習い事で埋まっているという小学生もめずらしくありません。こういう傾向についてどう思われますか?

本人が好きでやっているなら問題はありません。あとは親の負担との兼ね合いですよね。

ただ、好きでない習い事は、本当に苦痛なものです。いやいや習い事に通っている子は、うつ病発生率が高くなるというデータもあります。

一見、本人も喜んでやっているように見えて、実は大好きなママを喜ばせたいためにがんばっているという場合もあるので注意が必要です。こういう子は、高学年あたりから燃え尽き症候群になってしまうこともあります。

習い事は、本人が好きでやりたがること、向いていることをやらせたほうがいい。無理矢理やらせるのは時間の無駄でしかありません。

今、この時間を楽しくさせることが何より大事

――でも、一度始めたことを途中でやめさせると、やめぐせがつくのではと心配です。

「やめぐせがつく」というのは迷信です。

10個やめても11個目にぴったりはまるものを見つけたら、やめろと言われてもやめないものです。いろいろやらせてみて、本人がやりたがることを見つければいいのです。

人は、楽しいことをやっているときは、脳から快楽物質が放出され、どんどん頭もよくなります。逆に、好きはないこと、向いていないことをやらされると、毎日楽しくないし、叱られることも増えるから自己肯定感も下がる。やる気も下がります。いいことは一つもありません。

親は、子どもに「将来のために、今はがまんがさせよう」とする。これが間違いです。
将来のために今を犠牲にしていると“不幸せ体質”になります。

将来って水平線といっしょで、あるように見えるけど実在しないものです。実在する時間って“今ここ”しかない。将来のために今を犠牲にしているとずっと不幸せな状態が続くのです。

今この瞬間を楽しくすることを大事にしてほしい。それがお子さんの伸びる力につながります。

親野智可等さん プロフィール

教育評論家。公立小学校で23年間教師を務めた経験をもとに、執筆や講演活動を行っている。メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)などベストセラー多数。

HP  http://www.oyaryoku.jp


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石井 栄子

石井 栄子ライター

3児のママとライターを両立してン十年。『Hanakoママ』では3歳〜5歳向けの「3・4・5」を担当。ようやく子どもたちの手が離れ、趣味に飲み会にと羽を伸ばし中。今ハマっているのはオンライン英会話。もう英語で話しかけられても怖くない!のがささやかな自慢!Photo by Natsuko Toida

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