子どもの睡眠の大切さとは?学習能力にも影響するって本当?
子どもにとって睡眠は大切です。睡眠時間が短かったり、寝る時間が遅かったり、睡眠の質が悪かったりすると、子どもの発育だけでなく学習能力にも悪い影響が出るといわれています。今回は、意外と知らない子どもの睡眠の大切さについて解説します。
子どもにとって睡眠はなぜ大切なの?
大人にとって、睡眠は頭や体を休めるためのもの。一方、子どもにとっては休むだけでなく、未熟な頭と体を発達させるためのものなのです。そのため、子どもは大人よりも長時間睡眠をとる必要があります。
「寝る子は育つ」と昔からいわれていますが、これは本当のこと。子どもは睡眠中に脳から成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンによって、骨や筋肉、脳が発達するのです。そのため、睡眠が不足してしまうと、身体的な発達にも影響が出てしまいます。
子どもが小さいうちは自分で生活サイクルを管理できないので、大人が夜ふかしをさせないようにコントロールすることが必要です。
子どもにとって必要な睡眠時間とは
子どもに必要な睡眠時間は、
- 1〜3歳:11〜12時間
- 3〜6歳:10〜11時間
- 6歳〜12歳:8〜10時間
といわれています。10時間の場合、7時に起きるなら9時には寝る計算になります。 親の帰宅時間が遅かったり、習い事で帰りが遅くなったりすると、実際には厳しい時間かもしれません。
2000年におこなわれた日本小児保健協会の調査によると、3歳児で夜10時を過ぎても起きているのは50%を超えているそうです。アメリカの子どもの就寝時間は夜8時頃なので、日本の子どもが夜ふかしであることが分かります。
共働き家庭が増えて帰宅時間が遅くなっていること、スマートフォンやテレビゲームの普及などが子どもの夜ふかしの原因になっていると考えられます。
睡眠不足が子どもの学力に与える悪影響とは
子どもの睡眠が影響するのは、心身の発達だけではありません。実は、学習能力にも大きな影響を与えるのです。学習能力を高めるために、遅くまで塾に通わせたり、家庭学習をさせたりしていても、睡眠時間が削られてしまっては逆効果になる可能性もあるのです。ここからは、睡眠不足が学習能力に与える影響を解説します。
集中力が低下する
睡眠時間が短くなると、集中力が低下してしまいます。集中力が低下すれば、机に向かって勉強ができなくなり、本来ならできた問題もミスしやすくなります。
記憶力が低下する
感情や記憶を司っている大脳辺縁系は、しっかりと休めないと記憶力が低下します。また、人間の脳は睡眠中に不要な情報を排除して、必要な情報を定着させ、記憶として固定させていきます。そのため、睡眠時間が短くなると、記憶力が低下するだけでなく、情報の整理ができていない状態になってしまうのです。
やる気が低下する
睡眠不足が続くと、心身の疲れが取りきれません。そうなると、体が重く、やる気が起きない状態になってしまいます。脳や体をしっかり休ませることで、気持ちも体もすっきりとし、1日をスタートできるのです。
学力を高めたいのなら睡眠時間を見直そう
学力を高めたいと思い、睡眠時間を削って勉強をさせていると、集中力ややる気が低下し、記憶力も乏しくなってしまいます。なによりも大切なのは、睡眠時間をしっかり確保すること。そうすることで、脳や体が充分に休まり、情報が整理され、記憶として固定してきます。子どもが早寝をできるように、生活サイクルを見直してみましょう。