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【フランスからの報告】フランスに日本語がどんどん浸透!

【フランスからの報告】フランスに日本語がどんどん浸透!

フランスは「空前の〇〇ブーム!」というような「熱しやすく冷めやすい」一時的な流行が起こる国ではない。
ジワジワと静かに浸透し、深く根づき、末長く愛され続けることが多い。
寿司や抹茶、指圧や盆栽などは、そのいい例。
そして、それらの発音がそのまま、例えば「Kaki(柿)」「Nashi(梨)」などアルファベットでつづられ「フランス語になる日本語」が、次々と増えてきている。
「Shinrin-Yoku(森林浴)」や「Kaizen(改善)」など、思いもかけない言葉がフランス語になることもあり、これからどんな言葉がフランス語になっていくのか予想もつかない。
今回は「フランスで活躍している日本語」についてリポートします♬

第24回 どんどん増えている「フランス語になった日本語」

畳、着物、抹茶、あずきやユズもフランス語に!

私が移住した27年前は、まだ「侍」「芸者」「腹切」……そんな日本語ばかりがフランスには伝わっていた。
やがて「畳」「着物」「禅」という言葉もあちこちで見聞きするようになり、これは柔道教室が全国に広まったためだと思う。
そして寿司ブームが起こり、今では「Sushi」という単語を知らないフランス人は田舎の子どもにもいないほど。
また多くのシェフやパティシエが日本にも出店。日本に旅もし、日本食材に魅了され、フランス料理やフランス菓子にも取り入れるようになったので、「抹茶」や「ユズ」、今では「うまみ」「弁当」なども、そのままフランス語になっている。

「あずき」「しそ」「ユズ」「柿」は訳されることなく、そのままの発音がアルファベットで書かれるようになっている。「ランチボックス」ではなく「Bento」と言われることも増えてきていて、さらには「昆布茶」までが「私、健康のために毎日Kombuchaを飲んでいるのよ」などと親しまれている。ただし日本の昆布茶とは少し違う味。

食べ物や物だけではない。「ZEN(禅)」も既にフランス辞書に載っている

禅が「ZEN」と書かれ、高速道路の電光掲示板にも「ゆっくりゆったり、ZENの精神で走りましょう!」などと表示される。
そして「森林浴」や「香道」。さらには「改善」までが今やフランス語。
「可愛い」「おいしい」「楽しい」などの形容詞も次々と商品名になっている。

様々なメディアに見られる「Kaizen(改善)」「Koh-dho(香道)」などの日本語。写真右上の「Shirin-Yoku」は森林浴のミスプリントと思われるが、本文では「Shinrinは森や林のこと」と書かれている。

日本語学習は「憧れ」「誇り」!?

「漫画(Manga)」も既に誰もが知っているフランス語。日本漫画の外国人読者数はアメリカに次ぎフランスが世界第2位なのだそう。
そして日本語学習はパリなど都心部では15年以上前から人気となっているけれど、その波は徐々に田舎にも及んできていて、私も近所の小学生数名に懇願され教えはじめている。

大人が日本語を学んでみたいと思う理由は、
「日本の文化に惹かれて」
「日本に行ってみたいから」
など『憧れ的要素』が強いが、子どもの場合は
「ポケモンやドラゴンボールが好きだから」
「お寿司が大好きだから」
「親戚が日本人と結婚。イトコが日本にいてフランスに来ると一緒に遊ぶから、その子達と日本語でも喋ってみたい」
そんな『実質的な動機』が多い。

そして子どもが日本語を学ぶことを親もとても喜ぶ。その理由も聞いてみたところ
「難しそうだから、小さい頃こそ遊びでいいので親しんでほしい」
「語学というより芸術性を感じる」
「高尚な習い事のようで誇れる」
「いつか家族で日本を旅する時が来るのかも? そんな小さな夢を抱けるのは楽しい」
など。
つまり「日本語=難しい」というイメージの方が強く、英語のように「マスターして将来に生かして欲しい」という願望や目標を親が抱くことは少ない。そのため、子ども達も気軽に楽しく学べるのかもしれない。

ちなみに「フランス人にとって習得が難しい言語」では日本語は5位にランキング(1位中国語・2位ギリシャ語・3位アラビア語・4位アイスランド語・Alltradis 2019 )。
逆に「習得しやすい言語」は1位英語・2位スペイン語・3位イタリア語・4位スワヒリ語・5位ポルトガル語となっている(Babbel2019)。

村の小学生達と交換日記のようにノートをやりとりしての日本語学習。「あいうえお」学習は退屈そうなので、ひらがな・カタカナ・漢字に同時進行で慣れていくことを試行。どの子も漢字を書くのが一番楽しいという。親も「美しい。芸術だ!」とよろこぶところが面白い。
まったく日本語の読み書きを教えなかった我が子達には「いいなぁ。どうして、私達にはやってくれなかったの?」と嘆かれ「それどころじゃなかったのよ」と応えたところ「つまり今は『それどころ』なんだ」と真顔で言われる。「それどころ」とは何なのだろう? 日本語は難しい。

我が家の子ども達(現在26歳、22歳、20歳)が小さい頃から今に至るまで好きな日本語は、擬声語や擬音語。

「ドキドキ」「ヒヤヒヤ」「キョロキョロ」「そわそわ」「ビクビク」「ちくちく」「ズキズキ」「アツアツ」「ふかふか」「プヨプヨ」「ベタベタ」「ねばねば」「ドロドロ」「イライラ」「やれやれ」「クヨクヨ」「きらきら」「ピカピカ」「だらだら」「ブツブツ」「チヤホヤ」など。

リズミカルなので聴いて楽しく、ニュアンスも伝わりやすく「様子や気持ちがよくわかる」「日本語って面白い!」とワクワク度が増し、口にもしやすいそう。 もしかしたら、これらの日本語もそのうちフランス語になるのかもしれませんね!

祐天寺りえ

祐天寺りえライター

1994年フランスのスキー場(メリベル)に移住。小学校勤務(給食、教室清掃、スクールバス添乗など)、執筆業、鍼灸&指圧&アロママッサージなどを生業とする3子(20&21&26歳)のシングルマザー。著書「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て(小学館)」「食いしん坊の旅(パラダイム出版)」「フランスだったら産めると思った(原書房)」facebook.com/rie.yutenjiosaki

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