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小さなお子さんがいる家庭向け防災ガイド「地震から身を守る①」

小さなお子さんがいる家庭向け防災ガイド「地震から身を守る①」

Part 1 自宅の建物や立地は、安全?  

9月は防災月間。コロナに気をとられて忘れがちですが、災害はいつ起きてもおかしくありません。首都直下型地震は30年以内に70~80%、さらに広域の南海トラフも同じ確率で起きるといわれています。

自宅の安全度は?

地震への備えを考えるうえで、まず2つ確認しておくべきことがあります。

①自宅の構造=>建物の壊れやすさ

②自宅の立地・地盤=>揺れやすさ、火災・津波・土砂の危険性

突然ですが、
皆さんのご自宅は、1戸建てですか?  マンションですか? いつ建てられましたか? 木造ですか?  RC造ですか?  鉄筋ですか?  鉄骨ですか?

こう聞かれるとごちゃごちゃして分かりにくいので、整理してみます。

自宅の構造:建物の壊れやすさ(*1)

ご自宅は、新耐震基準を満たしていますか?

自宅の形態(マンションか、木造住宅か)と、建てられた年が重要なポイントです。

◆マンション

1981年6月1日以降に建築基準法確認申請を受けたものは、「中地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」という基準を満たしています。

これより古いものは、耐震補強がなされているか要チェックです。

◆木造住宅

2000年6月以降に建築されたものかが判断基準です。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)の調査によると、1981年6月の新耐震基準の実施から、2000年6月に建築基準法が再改正されるまでの間に建てられた木造住宅の約8割が、震度6強で倒壊する可能性があることが指摘されています。

(*1)一般財団法人日本耐震診断協会
https://www.taishin-jsda.jp/column17.html

さらに細かく、耐震の種類や等級などを気にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは新耐震基準を満たしているか、要チェックです。

耐震基準を満たしていても、家具の下敷きになってけがをした例はあります。後で触れますが、大きな家具や電化製品の固定は必須です。

自宅の立地・地盤:揺れやすさ・液状化

埋め立て地・造成地のように揺れやすい地盤では、液状化のリスクも高いです。

ここからは、首都直下型地震を想定したマップを用いて説明します。他の地域にお住まいの方は少しお付き合いください。

以下の地図で、皆さんお住まいの場所の想定震度をご確認ください。非常に細かく、〇番地単位まで表示されます。

(画像は一部を表示)NHKによる首都直下地震の“被害想定マップ”「震度分布」
https://www.nhk.or.jp/taikan/hazardmap/?map=1

自宅の立地・地盤:火災の起きやすさ、消火しにくさ

地震といえば、大きな揺れを想像しますが、地震による死者・ケガ人は、火災、津波などによるものが実は多いのです。

【木造住宅密集地域(木密)】
特に東京都内では、木造住宅密集地域(木密)での火災による死者が懸念されています。火が燃え広がりやすい、狭い道に消防車が入れず消火活動が進まない、逃げにくいというのが原因です。

最悪の場合、火災が重なると、「火災旋風」という炎の巨大竜巻が発生し、高速で移動すると指摘されています。関東大震災でもこの現象は起きました。

東京都は、これらの木密地域を中心に、燃えにくい建物に建て替える施策を進めていますが、皆さんもご自宅周辺に木密地域がないか、お子さんと散歩しながら観察してみてはいかがでしょうか。

以下のサイトでは、木密地域やその危険度などを、細かい地域別に重ねて表示できます。

東京危険度マップ 23区+多摩地域
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/visual.htm

【倒壊・火災の危険度ランク、地図】

〇丁目という単位での建物倒壊、火災発生延焼の危険度ランクは以下で見られます。皆様の町内はいかがでしょうか?

(画像は一部を表示)東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/home.htm

さらに火災に特化します。以下の地図では、皆さんお住いの場所の焼失棟数が表示されます。非常に細かく、〇番地単位で表示されます。

(画像は一部を表示)NHKによる首都直下地震の“被害想定マップ”「焼失棟数」(*2)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_05.html?map=3

耐震性のあるお住まいならば、「地震=即避難」ではありませんが、火災の危険が迫っている場合は、即退避です。

国の想定では、61万棟が全壊または焼失

首都直下型地震についての国の想定では、冬の夕方、風が強い最悪の場合は、全壊または焼失する建物は61万棟に上り、このうち火災で焼失するのはおよそ41万2,000棟とされています。

死者はおよそ2万3,000人にのぼり、その7割にあたるおよそ1万6,000人は火災が原因で死亡するとされています(*2より数値引用)。

次回以降ふれるように、小さなお子さんがいる家庭は原則「在宅避難」をおすすめしていますが、津波と火災リスクが高い地域の方は、予兆があらわれたらすぐ逃げてください。

地域ごとに、備えるべき被害の種類は異なる

他の地域でも、同様の地震被害マップが作られています。

被害内容は、海の近くか、崖の下か、市街地か、埋め立て地か、など立地により想定される被害の種類が異なります。

例えば、静岡市では、津波避難マップが重要な役割をしめています。

(画像は一部を表示)静岡市防災情報マップ 
https://www2.wagmap.jp/shizuoka-hazard/Portal

千葉市では、揺れ・火災・津波に加え、液状化や急傾斜崩落マップが重視されています。

(画像は一部を表示)千葉市地震・風水害ハザードマップ(WEB版)
https://www.city.chiba.jp/other/jf_hazardmap/map.html?lay=jishin_yureyasusa

地域の特性に応じた防災地図が作成されていますので、必ず一度は確認しましょう。

家族が新しく増えた時や小学校入学前は新居を探す時期です。家探しの時に、防災面も検討事項にいれられるといいですね。

次回は、地震発生の瞬間、そして12時間後までに何が起きるかを一緒に疑似体験しながら、小さいお子さんがいるママ達が何に備えるべきか考えます。

大雨の際の自宅の危険度を知るにはこちら:

小さなお子さんがいる家庭向け防災ガイド「大雨から身を守る」前編

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上沢 聡子

上沢 聡子防災士、「赤ちゃんとママの防災講座」主宰

大阪で阪神大震災を経験。東京で出産後、「今、被災したら子どもを守れない」と奮起し、乳幼児親子向け防災を始動。同活動で「第9回健康寿命をのばそう!アワード母子保健分野厚生労働大臣賞優秀賞」を受賞。東京都語学防災英語ボランティア、中野区防災リーダー。幼稚園児ママ。oyakobousai@gmail.com oyakobousai.wp.xdomain.jp

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