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男の子とは何かが違う。女の子の発達障害とは?

男の子とは何かが違う。女の子の発達障害とは?

生まれつき見られる脳の働きの違いにより、行動面や情緒面に特徴が出る「発達障害」。実際に診断されたり、「うちの子もそうなのでは?」と疑ったりしたこともあるのではないでしょうか。

インターネットを検索すれば、簡易的なチェックリストや特徴の説明などを見ることができます。しかし、私たちが触れる多くの情報や診断基準は、”男の子向け”のものだということをご存知ですか? 

この記事では、女の子の発達障害の特徴や見過ごされやすい理由、放っておくと危ない二次障害などについて解説。これを書いているライター自身もASDと診断されており、その際に参考にした本も紹介します。

「見過ごされやすい」女の子の発達障害

一般的に発達障害は、男の子に多いとされています。なぜ女の子の発達障害が少ないとされているのかというと、

・一般的に知られる発達障害の特徴が男の子に比べて出づらいこと

・診断基準が男の子に合わせてあること

・女の子は社会性が育ちやすいこと

などが挙げられます。自分の子どもの発達障害を疑いながらも、一般的な発達障害の特徴が見えないため、受診するのを躊躇する親御さんもいるそうです。

また、以上の理由から診断も出づらいとされています。

専門的な知識を持っていない病院や医師にかかると、心身症や統合失調症、パーソナリティー障害などと診断されてしまう場合もあり、適切なケアが受けられません。

わたしの場合も10代の頃から、ほかのパーソナリティー障害や気分変調症(抑鬱状態が続く気分障害)などと疑われ、関係のない薬を飲んでいたことがあります。

適切な認識を持ったり、ケアを受けたりするためには、しっかりと診察、検査、診断をしてくれる児童精神科や心療内科、発達障害の専門医などを受診することをおすすめします。

女の子の発達障害の特徴

では、女の子の発達障害にはどのような特徴があるのでしょうか? 

以下では、ASDとADHD(注意欠如・多動性障害)のふたつの発達障害で見られる、女の子の特徴を紹介します。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASDは、自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群などと呼ばれる場合があります。

一般的なASDの特徴としては、社会的なコミュニケーションが苦手だったり、興味関心に偏りが見られたりするため、想像力が乏しく思いやりに欠ける、言葉をそのまま受け取ってしまうなどということが言われます。

女の子の場合、

・ガールズトークができない

・友達ができない

・自分の世界に浸ってぼんやりしている

・体調に影響が出やすい

などが、問題になりやすいとされています。上記の特徴は、主に思春期以降に見られます。

というのも、女の子のASDは、人間関係が複雑になる思春期以降にその特徴が見えやすくなるといわれているためです。

参考:

・講談社「女性のアスペルガー症候群」宮尾益知 著

女性に多い、「隠れ発達障害」はなぜ起こる?|kaien

ADHD(注意欠如・多動性障害)

ADHDと聞くと、衝動性が強く、落ち着きがない人というイメージを持たれるかもしれません。就学しているお子さんなら、授業中の立ち歩きやクラスメイトとの衝突などがわかりやすい特徴かもしれません。

しかし、女の子の場合は、

・多動的ではなく不注意傾向が強い

・部屋の片付けができない

・人の話に割って入ってしまう

・物事を計画的に遂行できない

などの特徴が見られます。多動性よりも不注意傾向が強いと、忘れ物やケアレスミスなどが多くなり、授業態度や成績に影響を与えます。

男の子に見られる「人との衝突」は、腕力がないので子どものうちは目立たず、先生に叱られることも少ないため、見過ごされやすい原因になっているそうです。

参考:

ADHD 男性と女性で特徴に違いはある?|宮尾医師監修記事|kaien

簡単チェック!女性のADHD、10大特徴|kaien

「女の子なのになぜできない」発達障害の女性を襲う”二重の苦しみ”|岩波明|PRESIDENT online

女の子の発達障害を見過ごすと心配される二次障害

発達障害は特性だけではなく、「二次障害」にも注意が必要です。二次障害とは、発達障害のストレスやトラウマなどが引き金になって起こる、二次的な問題を指します。

女の子の場合だと、うつ病や不安障害、摂食障害などを起こすケースが多く、頭痛や貧血、生理痛などの体調不良が慢性的になる場合もあります。

また、成長する中でサポートが受けられなかったり、周囲の無理解に苦しんだりすると、自傷行為や暴言・暴力などを行う場合も出てきます。

二次障害を治療するというより、発達障害があっても生きやすい環境を整えることが二次障害を防ぐ対策になるでしょう。

参考:自閉スペクトラム症の「二次的な問題(二次障害)」を防ぐ|すまいるナビゲーター

女の子の発達障害の特性や悩み、対策などが知れる1冊

宮尾益知著『女性のアスペルガー症候群』は、女の子のアスペルガー症候群(言語能力に遅れはないけれど社会性に乏しい特性)やASD(自閉スペクトラム症)の説明書的な1冊です。タイトルが「女性」となっていますが、主に思春期から大学生までの女の子と、その家族に向けた内容となっています。

わたしがこの本を読んだのは、30代に差し掛かろうとしていたとき。この本で解説されている女の子たちとは、かけ離れた年代でしたが、のちにASDを診断されてみると、この本に書かれている通りの思春期を過ごしたなと思いました。

例えば、ASDの女の子は怒られた記憶が長年残ること、そのときの感情が生々しく蘇ること、感覚に偏りがあること、女の子らしい振る舞いをするのが苦手という特性があるそうです。(もちろん、ほかにもあります)

わたしの場合も、昔から強くはないですが、感覚過敏があったり、怒られたり嫌だったりした記憶が何年も残り続けて「思い出し怒り」(思い出して怒ること。わたしが命名しました)をよくしていたり、女の子らしくできなかったりしました。

それが障害の特性だとは知らなかったので、この本で答え合わせできた気がします。

また、人間関係や生活習慣、体調不良、感覚面などの対策なども紹介されています。発達障害、特にASDのお子さんの生活面でお悩みの方は参考にしていただけると思います。

女の子のアスペルガー症候群やASDの特性を知りたい、子どもが成長するなかでどのような対策を取るといいのか知りたいママや、その疑いを持つご家族におすすめの1冊です。

女の子特有の症状に気づいたら、専門医を受診してみよう

Male pediatrician reassuring mother of little Asian girl

今のところ、女の子に特化した診断基準などはありませんが、専門医を受診すると詳しく検査してもらえます。気になる特徴や特性がある場合は、一度受診すると安心です。発達障害には性差がある、ということを覚えておきましょう。

きく

きくライター

美、食、住に貪欲な、20代から40代の女性向けメディアで活動中の執筆屋。34歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、自分の過去や特性を研究しながら、発達障害やその疑いに悩む人に向けた記事を執筆します。

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