「ビジーボード」で子どもの好奇心をとことん伸ばそう!
こんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。
今回は、「子供が、ボタンを見つけるとすぐに押したくなり、先日他の家のインターホンを押してしまいびっくり!! 思わず大きな声で怒ってしまいました。なんであんなにボタンが好きなんでしょうか?」と言うお悩みに対してお答えしたいと思います。
乳児期の成長発達を理解する
乳児期は、生まれてすぐに視力は発達し、追視をしながら大人の行動を観察し「身体がうごかせるようになったら試してみたい!」とワクワクしている状態がずっと続いています。
日々身体が成長発達し、ある程度自分で自由に動かせるようになると、「よし! やってみよう!」と色々な行動を実行するようになります。これが俗に言う「探索行動」と言われるものです。
特に1歳児は、行動範囲が広がり「探索行動」が盛んな時期です。なかには、大人が困るような行動を起こすかもしれません。しかし、子どもはそれが「困る行動」とは、経験をしていないことなのでわからないですよね。
たしかに、その行動が周りの人に迷惑をかけてしまうかもしれないと大人が心配してしまう気持ちも理解できます。一方で、「子どもたちの欲求を満たしてあげたい。でも、公共の場では子どもの気持ちだけを優先して欲求を満たすことは難しい」という、もどかしい気持ちを抱えていますよね。
そんな時に試してほしいのが、玩具を使ったアプローチ方法です。
私たち大人が本を読んで学ぶのと一緒で、子どもは玩具や遊びを通して様々なことを学んでいます。購入する事もできますが、購入をしなくても簡単に作れるものもあります。今回は、手作りでもできる物を紹介したいと思います。
有孔ボードを使った様々な仕掛けがある「ビジーボード」
穴の空いている「有孔ボード」に、子どもが好きそうな仕掛けが沢山ついた物を貼り付けます。子どもが好きそうな仕掛けとは以下です。
・ウエットティッシュケースの蓋:ウエットティシュの蓋の開閉は子どもは大好きです。指で押すと蓋が開くもの、指先でつまんで開閉するものがありますが、「押す・つまむ」ことで指先を鍛えることにも繋がります。
・自転車のベル:自転車のベルは、普段は鳴らしたくても鳴らすことができないとても魅力的なものです。初めは力加減ができず、強く弾いて大きな音ばかり出すかもしれませんが、側について大人が優しく弾くことで小さな音がなることを教えてあげると、子どもは音の変化に気づきます。自分自身で「色々な鳴らし方を試してみよう!」という探究心が身につきます。
・ボタン:押すと音が鳴るという仕様の物を用意するといいでしょう。子どもは、押すと音が鳴ることに「なぜ? どうして?」と不思議に思い、何度も繰り返して楽しむ姿がみられます。
・ハンディ扇風機:これも普段はできない経験の一つです。ボタンを押すと風が出てきて、ボタンをもう一度押すと風が止むということを不思議に思い、「思考力」を高めるきっかけになります。
・クリップ:これも蓋同様に指を使います。「挟む」ということがメインですが、「挟んだり、外したり」が子どもには大切。挟むという感覚を指先を使って学び、これが指先を鍛えてスプーンやフォークを握って持つからすくって持つ時に必要な指先の力を育てる事へと繋がっていきます。
・キッチンタイマー:数字がどんどん変わっていく様子を目で見て楽しむことができます。時間が立つごとに数字が変化し、タイマーをきっかけに「数字」に興味を持つきっかけにもなります。
番外編として……、
子どもは感触遊びが大好きです。保育園では、ビジーボードに感触遊びを取り付けたりもしています。
例えば、ジップロックの中に、片栗粉で溶いた水や、ジェルボール、整髪料として使っているジェルなどを入れ、更にスパンコールなどのキラキラしたものを入れるだけのものなのですが、子どもたちは形が変わっていく様子とその感触に大喜び。
他にも戸外に出た時、人工芝を嫌がる子が多いのですが、そういったことを見越して、ボードに人工芝を貼り付けて手で触ったり足で触わる経験をさせたりもしています。
今回は、「押す」ということに焦点をおいてお話させていただきました。
子どもは大人を困らせたくてそのような行動を取るわけではありません。「まだ経験したことがないからやってみたい!」という「やる」という成長発達の段階であることをまずは理解してあげてください。そこからその経験を沢山するにはどうしたら良いのかを、考え子どもの環境を見直していってくださいね。