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子どもの偏食、アレルギーと、洋梨の話
2020.11.15 by Anne Anne

連載:絵本とボクと、ときどきパパ 子どもの偏食、アレルギーと、洋梨の話

食欲の秋です。

きのこ類や栗、サツマイモ、それに秋茄子と、お店には魅力的な食材が山積みです。ただし、せっかく買って腕をふるっても子どもが食べてくれなければ、へこたれますよね。

子どもの食の悩みはつきものです。

息子が小さかった頃は、食べて欲しい一心で常に献立を思考錯誤していた気がします。

味はもちろん、柔らかさの度合いや人差し指と親指でつまめるかどうか、あるいはスプーンで掬えるかをチェックし、そして食材も豊富に、さらに、苦手なものも少し加えて慣れさせよう、などと考え必死でした。苦手食材の克服には、献立以外でも、例えば買い物中に自分で探して来させたり、一緒に絵本で見たりもしました。小松菜などの青菜は、こうしてある時を境に好物にまでなったんです。そういうわけで、息子はどちらかというと好き嫌いは少なめだったと思います。

小学校に上がり、保育園に引き続き給食で色々な食材を口にする日々。栄養士さんが一生懸命工夫してくれるお昼ご飯を、美味しいと言って、毎日お代わりまでして帰る時期もありました。

ふう、やれやれ。食の悩みは卒業したな。ところが、そう肩をなで下ろしていたところに、新たな問題が。

ある日突然、給食中に、とある食材を口にしたら、軽いアレルギー反応が出てしまったのです。いつもなら何も問題ないのに、いったいどうして!

早速医療機関で検査をすると、やはりアレルギーと出ました。身体に反応が出るかどうかは、どうやら体調やタイミングが左右することもあるそうです。

私は結果を持って学校へ。先生や栄養士さんとの面談後、給食は除去食に。

息子は、アレルギーと分かった途端に、今まで家や外食でも普通に食べていたその食材を、急に避けるようになってしまいました。まあ、そうですよね。賢明です。成長とともにアレルギー反応が出なくなる場合もあるとのことで、今後は年に一度、医療機関で確認することになりました。

現在の我が家の食の悩みはこの程度ですが、アレルギー反応が重篤だったり、偏食傾向が強いお子さんだと、日々の献立作りも大変だろうと思います。給食だって楽しめないでしょう。

特に日本の給食は食材が豊富。色々なものが混ざって野菜もたんまり入っています。これを多くの子どもたちが、当たり前のように食べていることの方が、私はすごいと思っています。

ふとフランスの子どもたちを思い出しました。彼らの食生活はだいぶ違って、概ねシンプルです。給食もありますが、日本ほど種類豊富ではない。もっとも、最近は変わってきたようですし、学校にもよるでしょう。でも、あれほどの美食大国でありながら、幼少期はさほどあれこれ食べないのは確かです。人参の千切りサラダとラディッシュにバターを塗ったものは比較的人気ですが(逆に日本の子は食べそうにないけれど)、基本的に野菜は少なめです。あとは、茹でたスパゲッティーにケチャップ。チョコパン。ヨーグルト。りんご丸かじり。これぐらい食べれれば十分、といった認識です。

妹が住むオランダの洋梨。ほっぺたが落ちそうなくらい美味しいんだそうです。

ちなみに妹の住むオランダの子どもたちのランチタイムは、ピーナッツバターサンド、生のパプリカ(これも驚き!)、りんご丸かじり。毎日そんな風だと。

それを聞くと、たくさんの種類を食べようだとか、好き嫌いをなくそうだとか言って、子どもに頑張らせなくてもちゃんと成長してくれるのではないかと思ってしまいます。

長年児童精神科医を務めた故・佐々木正美先生は、『子どもの心の育てかた』(河出書房新社)の中で、「我が家では、食事は子どもの好きなものを好きなだけ食べさせました。嫌いなものを食べさせようとしたことはありません」、「食べたいものだけ食べさせてあげましょう。それで子どもが間違った方向に進むなどということは、絶対にありません」と断言されています。長年児童精神科医を務めた故・佐々木正美先生は、『子どもの心の育てかた』(河出書房新社)の中で、「我が家では、食事は子どもの好きなものを好きなだけ食べさせました。嫌いなものを食べさせようとしたことはありません」、「食べたいものだけ食べさせてあげましょう。それで子どもが間違った方向に進むなどということは、絶対にありません」と断言されています。別の育児書などには、唐揚げが毎日食べたいと言ったら、そうしてあげれば良い、野菜を食べない子であれば果物を与えれば十分だというアドバイスが書かれていたのも記憶に残っています。

私はこうした意見を思い出し、野菜が足りなかったとある朝に、たまたまあった洋梨だけを息子の副菜もどきにしたことがありました。おかげさまで罪悪感から逃れましたよ。息子の方はというと、初めて口にしたその滑らかで豊潤な味に、目を輝かせていたのが印象的でした。以降、息子の好物に。

というわけで、今回は、秋には絶対食べさせたいその洋梨のお話です。

『ちいさなうさこちゃん』(ディック・ブルーナ:ぶん・え/福音館書店)

おなじみブルーナのお話。これはうさこちゃんの誕生のお話です。大きな庭の真ん中に可愛い家。これは奥さんとふわふわさんのお家です。ある日奥さんは買い物に出かけて、サヤエンドウと洋梨を買います。この洋梨の見事なこと! すると天使がやってきて…。ヨーロッパでは洋梨は女性のシンボルでもあるんですね。何度読んでも愛らしい絵本です。1歳から。

『ちいさなナシのき』(レイチェル・ウィリアムズ:ぶん、ジェニーバウアーズ:え/大日本絵画)

色あざやかな、めくり仕掛け絵本です。洋梨の木を軸とした四季の折々を、詩のように優しく語りながら、ページをめくり、仕掛けをめくっていきます。小さな驚きや、発見がいっぱいの、楽しくて素敵な作品です。3歳から。

『梨の子ペリーナ』(イタロ・カルヴィーノ:再話、酒井駒子:絵/BL出版)

酒井駒子さんのノスタルジックなタッチと洋梨が運ぶヨーロッパのイメージがとてもよくマッチした、眺めるだけでもうっとりするイタリアの昔話です。梨のカゴに隠れてやってきたペリーナは、優しく、賢く、とても魅力的な女の子でした。すぐに王子様と仲良くなります。でもしばらくすると宮殿には身に覚えのない噂が流れ、「魔法の宝箱」を探してこなければならなくなります。困ったぺリーナは梨の木の上で一先ずぐっすり眠りました。すると次々と不思議なことが起こり、試練をも乗り越えて進んでゆきます。どんな困難にあっても慈しみの心を忘れないペリーナ。昔話ならではの魅力と教訓が詰まった作品です。

それでは、ボナペティ! おいしい秋をめしあがれ! (Anne)

Anne

Anneモデル・絵本ソムリエ

1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。

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