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お雑煮とお餅の絵本

連載:絵本とボクと、ときどきパパ お雑煮とお餅の絵本

明けましておめでとうございます。今年も『絵本とボクと、ときどきパパ』をよろしくお願いします。

なかなか自由がきかないこのごろですが、それでも楽しみを見つけられますように。

さて。新年の食べ物といえば、まずはお餅ですよね。焼いて食べたり、きな粉やあんこをかけて甘味にしたり。でも、私の一番はお雑煮です。

それぞれ家庭の「味」というのがあるのは、お味噌汁や肉じゃがに近いものを感じます。幼少期、お正月のご挨拶周りで親戚訪問する機会がありましたが、行く先々でいただくお雑煮の味は、同じ首都圏でもやはり少しずつ違って、それがとても楽しみでした。

息子にもお雑煮を好きになって欲しい。そう思っても、子育て中のお雑煮となると、やはり気を使いますよね。お餅は噛み切りにくいし、喉につかえるので、赤ちゃんに向かないのは、新米ママ時代の私でもわかりました。

お餅って、いつから食べさせるもの? 離乳食についての本を漁り、3歳ぐらいまでは与えなかったと思います。

歯がしっかり生え揃って、咀嚼も上手くなって、それからです。緩めに溶いて、小さくした白玉団子から少しずつ様子をみながら始めた気がします。保育園に通わせてるご家庭なら、給食で白玉団子が出るタイミングを目安にしても良いかもしれませんね。

その前は、私は、ご飯をすりつぶした餅もどきを作り、大人のお餅とお揃いにして食べさせた記憶があります。離乳食期は、一食材ごとにいちいち安全を確かめ、食事を作っていて神経を使いましたが、今となってはその頃が懐かしい。中でもお餅は一番悩んだ食材かもれません。

そんな息子ももう11歳。当たり前ですが、しっかり噛み切り、咀嚼して、飲み込めてます。もうこのごろは、お餅は小腹が空いた時の非常食。お正月のお雑煮も堪能していました。

ところで、話は逸れますが、息子とよく観る番組の一つに『世界くらべてみたら』があります。先日の放送は、おせち料理の品を外国の人に試食してもらうという内容でした。

かまぼこは、オランダの人にとっては、お菓子に見える。どうやら「トンプース」というピンクのアイシングが塗られたカスタードケーキに似ているそうです。アメリカでは、数の子はカットしたアップル。ケニアの人は、ニシンの昆布巻きを黒いビニール袋ではないだろうかと疑っていて、私たち親子で思わず吹き出してしまいました。確かにそう見えなくもない!

見た目はさておき、実際口にしてもらうと、意表を突かれながらも「美味しい」という感想です。共感してもらえて嬉しくもなります。

また、万国共通と思われるハンバーガーも、実は形や味わいをその土地の各慣習に合わせて作られているんですね。チキンがメインだったり、ベジバーガーだったり、形を長細くしてあったりと。見慣れたものも、世界ではまた表情が変わる。

私は、息子には、みんな同じが当たり前だと思って欲しくないんです。それぞれの文化を尊重して、「違い」を面白がって、興味を持つことをとにかく息子に伝えたい。そういう願いもあって、この番組を楽しく観ています。

さて、お雑煮です。各家庭の味があるどころか、日本各地に視野を広げてみても、こうも違うのかと驚きますよね。私の住む関東の定番は、すまし汁に焼いた角餅です。鶏肉、蒲鉾、青菜、人参、椎茸、三つ葉、が主だった具材でしょう。関西では、白味噌に丸もちを焼かずに入れて、中身は里芋がメインでしょうか。

私は京都の友人が作った、大きな里芋と丸もちがとろとろになった白味噌のお雑煮の美味しさが忘れられません。

その他には、例えば奈良では、別皿のきな粉につけながらだそう。岩手県ではアワビやホタテにいくらを盛ってと、なんとも贅沢。逆に石川県では、だし汁に紅白のお餅だけとシンプル。鳥取県では、おしるこのような甘いお雑煮。広島県は、特産品の牡蠣が入って納得! 福岡県朝倉市では茶碗蒸しのようなものだそうです。沖縄県ではお餅は入らず、中身汁のみ。

こんな風に特色のあるお雑煮マップが「毎日小学生新聞」に載っていて、息子と眺めました。中でも、2人で驚いたのが、香川県のお雑煮です。白味噌に、あんこの入ったお餅が入っているんです。塩味と甘味のブレンド。ぜひ一度食べてみたい!

ちなみに、私の実家で代々伝わるお雑煮は、これまた変わっていると思われるでしょう。なにせ、透き通ったオックステールシチューに、焼いた角餅を入れて食べる、というものなのですから。

この「オックステール雑煮」、私の祖父が自慢にしていたものなので、継いでいかなければと思いつつ、今年もサボって作らなかった! コロナが収束したら、腕を奮って、友人たちにご馳走しようかな。どれだけ「違う!」と驚いてくれるか。今から楽しみです。

ということで、お餅の絵本を選んでみました。

まず私は一にも二にも、『おもちのきもち』(かがくいひろし:文・絵/講談社)お勧めします!

ぺたんぺたんと叩かれ、ズリズリ伸ばされ、ちぎられて、そして丸められたら、むんずと座っていないといけない鏡餅の気持ち、考えたことありますか? いやはや、大変そうです。どんな風に大変なのか。おもちの苦悩を豊かな表情と擬音でコミカルに描いていて、お話はテンポ良く進みます。

そしてとんでもない展開へ。ゆっくりじっくり読んで聞かせると、もう子どもたちは、大笑い。高学年のクラスで読み聞かせてもリアクションが良かったのには驚きました。しかも単なるドタバタ劇ではなく、オチもなるほどと思うかも。思いがけず重宝する作品だと思います。(5歳ぐらいから)

『おもちのおふろ』(苅田澄子:作、植垣歩子:絵/学研プラス)

お餅のもーちゃんとちーちゃんが仲良く銭湯に出かけるお話。真っ白なお顔のニコニコ笑顔で二人は「ぽかぽかゆ」の暖簾をくぐります。するとそこには昔ながらの銭湯の風景が広がりますが、お客さんは白菜、人参、葱、帆立。番頭さんは、大きな大根爺さんです。ふたりが醤油の足湯に行くと、お寿司がズラーと座っています。

きなこの砂風呂に行くと今度はちっちゃなお団子たちがコロコロと、、、。といった風に、二人を取り巻く銭湯の世界が、細部まで面白くてほっこりする作品です。ちなみに、この銭湯は、小金井公園内の江戸東京たてもの園にある、「子宝湯」がモデルになっているそうです。こんなお出かけスポットがあるなんて知りませんでした。

楽しそうなので、この機会に行ってみるのもいいかもしれないですね。もちろん、緊急事態宣言が解除されたら。(3歳~5歳ぐらい)

『がまどんさるどん』(:大江和子:文、太田大八:絵/童話館出版)

お米の名産地である越後らしい猿と蛙の昔話です。蛙のがまどんは拾ったもち米の穂で、餅を作ろうと猿のさるどんに提案します。ところが、さるどんはちっとも協力的でない。それでもがまどんは文句も言わず、せっせと稲を育ててゆきます。そうするとどうなるか。

昔話のお決まりパターンが見えてきますが、それでも読んで聞かせるとお話が生きてきて、不思議と可笑しみと安心感に包まれます。味わい深い太田大八さんの絵もじっくり堪能して欲しい作品です。(およそ6~7歳から)

お餅のお話。読んでいると、寒い間に、あと一回はお雑煮を食べたくなるのは、私だけでしょうか。

(Anne)

Anne

Anneモデル・絵本ソムリエ

1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。

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