子育てママのお悩み解決メディア
怠けてばかりもいられません! そう戒めたいときの絵本

連載:絵本とボクと、ときどきパパ 怠けてばかりもいられません! そう戒めたいときの絵本

今年は梅雨入りが早そうですね。こうも空気が湿って重たいと、何をやるのも億劫になってしまいます。

ことあるごとに腰を痛めている私は、整形外科の先生からこういう時期は要注意と忠告され、小まめに足腰動かすよう促されました。怠けていてはばちが当たる。気をつけなければ。

子どもだって、のんびり過ごす時間も大事ですが、怠けてばかりもいられません。やるべき事は自分でやるしかないんですもの。

つい先日の話です。息子が何やらニヤニヤしているので、気になって見てみると『コロコロコミック』を読んでいました。もう6年生。この類のコミックはすっかり卒業したのかと思ったら、そうでもないんですね。ソファーに寝そべって、絵に描いたような怠けようです。ニヤニヤの原因は「ドラえもん」。てんとう虫コミックスの7巻から抜粋した『小人ロボット』の巻でした。

得意なことといえば昼寝という、怠け者の代名詞のようなのび太と、未来からやってきた愛嬌ある猫型ロボットとのやりとりは、大人の私にさえ夢を与えてくれます。時代を超えて愛されている「ドラえもん」。息子が読んでいるページに出てきたのは、「小人箱」と言うまさに夢のような道具でした。靴屋のおじいさんの話で、寝ている間に小人が仕事をしてくれるというグリム童話がありますが、それが羨ましいと言うのび太の願いを叶えるためのものです。箱に向かって用事を頼み、「グウ」と寝さえすれば、その間に靴磨きだって、草むしりだって小人たちがやってのけてしまうのですから、のび太としては、願ってもない! 真っ先に思いついたのはもちろん、宿題を片付けてもらうことです。そんな魂胆でいたのだが……、と言う展開。

私だってそんな箱があったら欲しい。湿気で面倒なこの時期の洗濯や食器洗いを、ごっそりお願いしたいところです。

きっと息子も羨ましい筈。あんなに楽しそうにしているのですから、さぼりたい事柄をあれこれ思い巡らせているに違いありません。階段の掃除。出した本の片付け。学校からのプリントをランドセルから出す……。

でも我が家には天地がひっくり返っても小人はやってくる筈もなく、怠けていてもどうにもなりません。自分でやるしかないんですよ。そう戒めたいところですが、ガミガミ言うまい。コロコロコミックの「ドラえもん」から教訓を受け、私が黙っていても、自ら掃除機を取り、本を戻し、プリントを私に手渡すのよと目に物言わせてみます。

ところが、どうでしょう。ふと私の視線に気づいた息子は「ママ、どうしたの? 気持ち悪い」でした。

私のいわんとする事は伝わってないようです。しばらくして、ミシミシと聞こえてきました。パパがリビングにやってくる足音です。この音には敏感な息子。

「さてと、掃除しよっと!」

すっくと起き上がり、掃除機を取りに行きましたよ。コロコロコミックの後の「ミシミシ」は、怠け癖退治に説得力を発揮したのかもしれません。

当然、私にだって小人は来ません。自分で動かなければ、流し台の食器は片付きませんし、腰痛だってぶり返すかもしれません。

幾度も読んで聞かせた『おさらをあらわなかったおじさん』(フィリス・クラジラフスキー:分、バーバラ・クーニー:絵/岩波書店)を思い出しました。

一人暮らしのおじさんは、料理をして食べることがとても好き。ある日のこと、いつもよりうんと多めにご飯を作ったら、お腹が膨れて動きたくなくなってしまいました。食後の食器洗いは明日にしようと、そのまま寝てしまったのです。翌日も倍の量を作って、また同じように疲れてそのままにしてしまいます。同じように日を重ねていくと、なんと新しい食器が一枚もなくなって、見渡す限り汚れたお皿だらけになってしまいます。とうとう、植木鉢やら灰皿などにも食事を盛るように。このままではどうなってしまうのでしょうか。そこでおじさんは名案を思いつきます。長い間読み継がれている愉快なお話。これを読んだら怠けていると大変なことになる、と分かること間違いなし。光吉夏弥さんの日本語も美しくて読みやすいですし、レトロな絵も素敵です(4・5歳から)。

『おとなしいめんどり』(ボール・ガルドン:作/童話館出版)

とある小さな家に、猫と犬と鼠と、おとなしい赤いめんどりが一緒に暮らしています。最初の三匹は一日中寝てばかりの怠け者。家の中の仕事は全てめんどりが引き受けています。時々、手伝いを頼みますが三匹はこぞって知らんぷり。おとなしいめんどりはそれでも文句を言わず、せっせと働き、ケーキ作りに励みます。さて、美味しい思いをしたのはいったい誰でしょう! 谷川俊太郎さんの訳が耳に心地いい、私がとても好きな作品の一つです(5・6歳から)。

『なまけものの王さまとかしこい王女のお話』(ミラ・Rオーベ:作、ズージ・ヴァイゲル:絵/徳間書店)

ある国に、ナニモセン5世というその名の通り怠け者の王様がいました。一日中ふかふかのベッドで寝て、おいしいご馳走をたんまり食べ、そのほかの事はなんでも家来にやってもらう生活でした。そんな風なので、王様は丸々太って動かなくなる一方です。とうとう、王様は病気になってしまいます。そこで活躍するのがパパを思いやる王女さま。持ち前の活発で利発な性格を生かして、この難病を治そうとあれこれ作戦を練ります。たくさんのユニークなアイディアが出てきて、なるほど納得の愉快な物語です。さて、いったいどうやって王様の病気を治すのでしょうか。ヒントは「なんでも自分ですること」!

この徳間書店の児童書BFCには、絵本から読み物に移行する低・中学年にぴったりの、面白い作品がずらり。息子もたくさん読んだのが、今懐かしいおすすめシリーズです。

梅雨のだるい時期でも、なんとか動いて乗り切りましょうね!

(Anne)

Anne

Anneモデル・絵本ソムリエ

1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。

Anneさんの記事一覧 →