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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

まったくもってありえない! でもクセになる絵本3選【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2018.04.25

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


スタートプログラムとありえない話

4月の、とある日曜日、パパと出かけたウチの子が、新しい靴を買ってもらって嬉しそうに帰ってきました。こんなに喜んでいるということは、さては、と心構えをしましたが、案の定こういうことでした。

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ド派手スニーカー。

なるべくシンプルなものを履かせたいという思いがあるので、正直、このスニーカーは私のなかでは「ありえない」チョイスです。確かに私の好みは地味だとよく言われますが、それにしても。「パパは、ママが見たらびっくりすると思うよと言ってたけど、やっぱりびっくりした?」と聞かれ、「う、うん」と答えたきり。それ以上は何も言いませんでした。

さて。話は変わりますが、私の活動のひとつに、地域の小学校や図書館他での読み聞かせがあります。もうかれこれ3年半ぐらい経ちます。読み聞かせの団体に所属していて、専門家の講習などを受けながら、日々勉強しつつ、子どもたちが絵本を楽しむためのお手伝いをさせていただいています。

最近では、近隣の小学校で新1年生のスタートプログラムに協力させていただきました。初めの2週間、1年生が学校生活に無理なく移行できるために、毎朝読み聞かせの時間を設けるというものです。私は今回が初めてで、ホヤホヤの1年生には、どんな本がどんな風に受け止められるのだろうととても楽しみにしていました。

選書に関してはグループのリーダーが事前に30冊ほど用意し、その中からスタッフは各自、感覚の合う作品を選んで指定された日に読みに出向くというやり方です。

私が選んだのは、第1週目用に『ふってきました』(講談社、もとしたいづみ・文/石井聖岳・絵)、2週目用には『まちにはいろんなかおがいて』(福音館書店、佐々木マキ・文と写真)です。

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『ふってきました』は、講談社が主催する読み聞かせ講座に参加した際、紹介された作品でした。ウケることまちがいないと。内容は、シンプルですが、奇想天外です。そらから降ってくるのは雨と思いきや、ワニやゾウ、パンダやライオン。そして最後にはとても嬉しいものが降ってきます。このサプライズをしっかり子どもたちに伝えるためには、読み聞かせにちょっとしたコツがいります、というアドバイスもありました。

実は内心、本当にウケるのか疑心暗鬼でしたが、石井聖岳さんの微妙なタッチの絵に愛着が湧いて、試しにウチの子に読んでみようと購入してみました。いざ息子に読んでみると、あらあら、本当。タイミング良くページをめくると、「ええーーー!!」。またページをめくると「なんでぇ~!!」と言いながらゲラゲラ笑いました。子どもの反応に、こっちも楽しくなってしまう作品でした。

今回1年生に読んでみて、その反応はというと、これまた本当に嬉しいものでした。息子同様、ページをめくるごとに、「ええーー!!」の連呼。なかには「ありえない」と呟く子もいますが、そう言いつつ笑っています。最近では、昔話を聞く機会が減ったり、テレビやゲームなど視覚からの情報に頼るシーンが多いためか、目にみえないもの、目で確かめられないもの、見たことのない状況などが受け入れられない、想像力が乏しくなっているのではといった、専門家の話がよくありますよね。なので、より一層こうした絵本に出会って欲しいと私は思います。

小さいうちにできるだけ多くの「ありえないこと」を楽しんで、頭を柔らかくして欲しいと。それがのちに、様々な問題を解決する力に繋がるような気がします。例えば長新太さんの不条理なナンセンスワールドも良いですよね。実はウチの子にどちらかというとスルーさせてしまった分野です。反省しています。

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『ちへいせんのみえるところ』(ビリケン出版/長新太・さく)。まったくもってありえない、でもなぜか癖になるような面白さをぜひお子さんと一緒に楽しんで。

プログラム2週目の『まちにはいろんなかおがいて』も、1年生に大ウケでした。

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マンホールや滑り台、家の窓とドアなどに、顔を発見してゆく写真絵本です。なかには「顔じゃないじゃん!」という子もいましたが、そう言いつつも楽しんでくれましたね。読み終えたころには、教室中に、かお、かお、かお、を見つけて大騒ぎでした。

ちなみに、ウチの子の「ありえないスニーカー」ですが、履いているのを見てるうちに、ありかな、と思えるようになりました。母の私、頭が少し柔らかくなったのかも?

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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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