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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

息子の料理と、春のごはんの絵本3選【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2018.05.15

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


春のごはん

先日、本当に些細なことですが、とても嬉しいことがありました。息子と一緒にお料理をしたことです。

以前、保育園で包丁の使い方を教わって帰ったときがあり、それを機に、幾度か一緒に台所に立ってみました。でも、就学前の子どもです。毎回どんな結末だったか想像できますよね。

もちろん、ママの言うことをよく聞いて、上手にお料理のお手伝いをするお子さんもたくさんいると思います。ただ、ウチの子の場合、素直に言うことを聞くタイプとは言いがたく、思うような展開にはなりませんでした。

子ども包丁握る息子の姿に、人参を切るにもジャガイモを切るにも、ヒヤヒヤさせられっぱなし。さらには、つい「あ!」だとか、「え!」だとか、「あぶない!」だとか、いちいち口を挟んでしまう母の私が横にいるものだから、早々に腹を立て、「2度と料理なんかしない」と吐き捨てられて終わり。そんな経験ばかりでした。

ところが、この間、『春野菜のスープ』というレシピを新聞で見つけた息子が、「これ作りたい」と言い出したのです。こと子どものこととなると、案外母親はへこたれないもので、ではもう一度チャレンジしましょうという気になるものですね。一緒に作ることにしました。

余談ですが、この新聞というのは、小学生新聞のことです。ママ友に勧められて、息子が4歳ぐらいのころから購読しました。3社試し読みして1社を選びましたが、いずれも傾向はあるものの、豊富な内容で、切り口もさまざまなので、本当に小さい子から中学生ぐらいまで、あるいは親も面白く読めるものだと思います。

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最初のうちは、ウチの子が興味を持ちそうな箇所だけ読んであげたり、写真を見せたりしていました。そうすると会話が膨らみます。「〇〇動物園にライオンの赤ちゃんが生まれたんだって、今度見に行ってみようか?」と話してみたり、「ダンゴムシ、丸くなるんだって、捕まえて見てみようか?」と提案してみたり。こうして毎朝目を通していくうちに、小学校に上がるころには自分で読むようになり、今では朝一番の日課となっています。

その小学生新聞に、月に1回紹介されている簡単クッキングレシピをウチの子は見たわけです。

いつもは「これ食べてみたーい」と私にねだりますが、自分で「作りたい」と言ったのは、恐らく今回が初めてだと思います。なので、へこたれている場合ではありません。

冷蔵庫には人参もジャガイモも入っていましたが、あえて買い物から一緒に始めることにしました。値段にも注意してもらいながら、新人参、新ジャガイモ、新玉ねぎ、春キャベツなどを選ばせましたが、すでにこの時点でかなりの張り切り様。このテンションが下がらないうちに、まだ日は高いうちでしたが、帰宅後さっそく料理に取り掛かりました。

小3にもなれば包丁捌きもそこそこ安心して見れるようになるものですね。「あぶない!」などとやたら口出しせずに済み、お陰でウチの子は終始笑顔でした。やはり自分で作っただけあって、達成感からか、美味しい美味しいと喜んで、お代わりまでしていましたよ。めでたし、めでたし。

今回の3冊は……

こんな風に、季節のお野菜を使って一緒にお料理するも楽しいですが、せっかくのポカポカ陽気、お弁当を持ってピクニックも気持ちの良いものですよね。そんな季節に読みたくなる絵本3選です。

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まず『サンドイッチ』(福音館書店/2歳ぐらいから)。作り方の手順が、とてもリアルに、しかしシンプルに紹介されていて、こちらもおもわず唾を飲むほどです。図書館のお話会でも使いましたが、子どもたちも「おいしそう~」、「ぼくトマト好き~」だとかコメントしながら喜んで聞いてくれました。見ていると改めてサンドイッチの良さが伝わってきます。

簡単に作れて美味しい。包丁捌きにヒヤヒヤすることなく、お子さんと楽しく台所に立てるレシピでしたね。ウチの子が小さいときに、道具などに気を取られず、こうした重ねるだけを一緒に楽しめば良かったと思います。またしても後悔先に立たず。

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次に、最近たまたま手に取った創作絵本『べべべんべんとう』(さいとうしのぶ・さく/教育画劇)。これは、開いてびっくり、です! 本当に愉快で楽しい、関西風のノリ満載の、いろんな意味で美味しい作品でした。おかあさんのお弁当作りの腕もあっぱれ。そのうち外国のお弁当はこんな感じかなぁと想像して行く展開も素敵です。子どもにウケること間違いなし! ウチの子は、一年で最初に食べるお弁当というくだりに、大きく頷いていました。4歳ぐらいから。小学生にぴったり。

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そして春になると必ず思い出すのが、この昔話。『おむすびころりん』(童心社)です。何度も図書館で借りて来ているので、そろそろ購入したほうが良さそうなくらい、愛着が増しています。もちろん取り立てて春をテーマにしたお話ではありませんが、私の中では春→ピクニック→おにぎり、という繋がりなんですね。

お馴染みの昔話でも著者によっても雰囲気が変わりますし、地方によっても主人公が違ったりするようです。通常おじいさんが主人公ですが、これはおばあさん。山口県あたりのバージョンです。ぜひ読み比べてお気に入りを見つけていただきたいですが、私はこの作品が一押しです。

長野ヒデ子さんの愛嬌ある絵で、素朴な昔話らしい幸福感が漂います。欲張りバアァさんの「醜い」感じも可笑しい。松谷みよ子さんの、テンポ良い文と良く合っていて、飽きません。「おにぎり持ってピクニックにいったら、ネズミさんの蔵にすってんころりんするかもよ~」などと子どもに語って、想像力を掻き立てたいですね。幼児からオールエイジ向け。

絵本が、春のお楽しみを、より一層膨らませてくれることでしょう。
(Anne)

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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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