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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

動物も登場する、言葉遊びを楽しむ絵本3選【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2018.09.25

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


ことば遊び

2歳ごろって、どんなだったかしら。でも必死に思い出そうとしても、少ししか思い出せません。あんなに息子のことで頭がいっぱいだったのに。不思議なことに過去の子育てを面白いくらいに忘れていくものですね。おそらく、「今」に集中しているからでしょうか。先輩ママも口々にそう言います。

一方、オランダにいる妹の息子は、今ちょうど2歳。妹からオノマトペが好きだという話をだいぶ前から聞かされていたので、ウチの子はどうだったかしらと、朧げな記憶を漁ってみたところです。

たしかに、そんな時もあったかも。オノマトぺ、それに口でブーだの、バッバッだの、プッチュー、などといった変な音をこちらが出してみると、喜んだ覚えがあります。本当に小さかったころのことだと思います。

それからしばらくして、言葉もだんだんと話せるようになり、2語文から、しだいに主語述語形容詞の立派な文章が話せるようになると、反対言葉やダジャレを使った冗談、というか、ユーモア、というか、ギャグを頻繁に言うようになったの思い出しました。

右手に持っているおにぎりをなかなか食べ終えないので、「その右手に持ってるおにぎりを早く食べちゃいなさい」と声をかけると、おにぎりを持ち替えて「左手で持ってる」と返してきたのは、忘れもしない2歳と数ヶ月のころ。急かされないための口実だったのかは分かりませんが、そう言われてつい笑ってしまったことは、はっきりと今でも覚えています。

そんなことから始まり、そして月日が経ち、言葉遊びもいっぱしに。「いただきます」と言いながら、板を抱くポーズをしたりと、オヤジギャグが口説いと思った時期もありましたが、9歳になったこのごろは、めっきり無駄な言葉遊びをしなくなりました。こうなると、今度は逆に少し寂しくなるものですね。

そういえば、こんなこともありました。3歳の時の連絡帳です。毎日保育園から帰って、連絡帳を開くのを当時私は本当に楽しみにしていました。事細かく子どもの気持ちを書き留めてくださったベテランの先生もいれば、園生活のワンシーンを切り取ってほのぼのとした文で書いてくださった若い先生もいて、今となっては、6年分の連絡帳は家宝というくらい大切なものです。

その日の連絡帳は、若い先生の番でした。「今日は動物のお話をしました。上野動物園に行ったことがあるかと聞いたら、(ウチの子が)「したのどうぶつえんならあるよ」と言うので、「したの動物園というのはないよ」と教えてあげました」というようなことが書かれていました。

微笑ましいやりとりです。

でもまてよ。ウチの子のことだから、「したの」と言ったのはきっと、言葉遊びだったのではなかろうかと。それが上手く先生に伝わらなかったのではないかと。息子も先生の返しに、「そうじゃなくて…」と思ったに違いないでしょう。噛み合ってないようなシーンを思い浮かべて、思わずクスリとしてしまいました。私が好きな連絡帳の1ページです。

それにしても、「うえのどうぶつえん」、ではなくて、「したのどうぶつえん」などというのは、ベタなギャグですよね。やはりそれをネタにした絵本もありました。

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『したのどうぶつえん』(あきびんご:さく/くもん出版)です。タイトルを見て、ものすごく共感したので手に取ってみました。中身はなんともユニークです。9歳のウチの子も読みながらゲラゲラ笑っていました。小さい子も気に入ること間違いなし。「わらいおん」「くらいおん」だとか、「やかんがるー」「かんかえるー」だとか、ライオンもカンガルーの様々。斬新奇抜なダジャレ動物が満載です。

動物の言葉遊びといえば、『さるのオズワルド』(エゴン・マーチンセン:さく/こぐま社)です。

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「あるところに、一匹のつるがいてーー、おっと、まちがい、さるがいて…」というふうに、言葉の間違いで遊びながら展開してゆく子猿の物語ですが、面白いだけではありません。いつまでも人の言いなりになるものか、という強いメッセージもあります。デンマークのロングセラーです。ウチの子が5歳ぐらいのころのお気に入りで、一緒によく笑いました。訳は松岡享子さんです。言葉遊びを訳すのはさぞ難しいだろうと思いますが、さすがです。

猿の言葉遊びの大人気絵本といえば、『さる・るるる』(五味太郎:さく/絵本館)ではないでしょうか。

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こちらは続々編の『さる・るるる・る』。

「さる・くる」で猿が来て始まり、「さる・とる」でりんごを取って、「さる・ける」でりんごをける、というように、語尾に「る」がつく2文字の言葉で繋がる一日の物語です。最後は_「さる・ねる」。リズムの良さや絵の面白さに、子どもたちはハマってしまう、こちらも楽しいロングセラーです。続・続編の『さる・るるる・る』(五味太郎:さく/絵本館)も、遊び心が広がる展開に仕上がってます。0歳からでも。

子どもと一緒に笑った時間は、宝物ですね。

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「うえの」でも、「したの」でもなく、「べつのどうぶつえん」にて、大好きな孔雀と。
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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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はじめまして、アンヌです

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