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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

息子の弟。猫のタンタンのこと【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2018.10.15

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


弟のタンタン

9月20日から26日は、『動物愛護週間』でしたね。みなさんは、動物が好きですか?

私は実家で、幼少のころから猫と暮らしたりしたことがあったので、猫は好きでしたが、それ以外の動物にはさほど関心がなったのが正直なところです。ところが、子どもが生まれてからというもの、動物との関わりが急激に増えました。

息子がよちよち歩きのころ、お散歩中に小鳥がチュンチュンと鳴けば、そっちを指差すので、私も「とりさんだね」と声をかけたこともありました。シェパートに遭遇すれば怖いものなのかどうか、私の方を振り返ってみるので、「わんわん、かわいいね」と安心させてやったりもしました。そうしていると私自身も、より一層生き物を愛おしく感じるようになりました。苦手だったカメレオンも、「見てごらん、おメメがくるくるしてるよ」と息子を誘うと、可愛い生き物に見えてきましたし、大嫌いだったカマキリも三角の顔で睨まれると、息子を手招きして「面白いよ」と、私も半径1メートルまで近づけるようになりました。動物園や水族館に一緒に行くようになるころには、独身時代に比べれば大変な生き物好きに変身したと思います。もちろん、ゴキブリを除いては。

そうこうしているうちに、動物を飼ってみようかと思い始めました。うちの子が年長になった時のことです。ひとりっ子なので、自分のおもちゃを弟に荒らされて悔しいだとか、臭いウンチをしたけどお世話しなきゃだとか、そういった類の我慢をする機会がないに等しい生活をこのまま続けていいものなのか。小さい可愛いものに心が和む時間もあった方が、心理的にもいいのではないだろうか。そういった理由からです。そこに、私の本来の猫愛と、パパの動物好きがマッチングしました。

そこで、私は、我が家の軒下で野良ちゃんが子猫を生むのを待ってみることにしました。近所を歩くときは、捨て猫の入ったダンボールが置き去りになっていなか注意して歩くようにもしました。でも、近所をぶらついているのはV字カットの耳をした野良猫ばかり。子猫を見かけないどころか、出会う希望もありません。(不妊治療を施された野良猫は、それとわかるように耳をV字にカットされていることがあります)

そこで、ネットで里親探しを検索してみました。正直に猫毛アレルギー持ちだと伝えたせいか、良い返事は来きません。お次は、ペットショップで大きくなりすぎた猫はどうだろうかと、サイトを見てみることにしました。すると、いました。値段がものすごく下がっている、1歳越えの「ブサカワ」です。お家が見つからないかもしれないと思うと、かわいそうで、東京の果てのペットショップまで2時間かけて会いにいったのを覚えています。そして、主人と相談するため家に帰り、何度も話合いました。でも結局、「1匹目は、やっぱり一緒に育つというのが良いのかもしれないね」という結論になり、都内のお店で2ヶ月のアメリカンショートヘアを招き入れることになったわけです。それが、息子の「弟」のタンタンです。

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ウチに来たばかりのアメショのタンタン

この件に関しては、友人たちからブーイングがきました。殺処分の猫も多いのに、ブランド猫を買うなんて、と。

とはいえ、命は命。大切な命です。

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息子と一緒に大きくなりました。

我が家の、ちょっとぼーっとしたアメショのタンタンくんは、今日も可愛く、窓際で日向ぼっこをしています。

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そしてウチの子は、というと、猫を飼い始めてから、小さい子に優しくなったり、我慢強くなったり、寛大になったりと随分と心がゆったりとしてきたと思います。タンタンが来てくれて本当に良かった。

というわけで、猫ちゃんの絵本3選。

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まずは、新書です。『ねこです。』(北村裕花:さく/講談社)。もこもこの毛糸玉に見えるのは、実は猫。おもちやおはぎにも見えたり、いろいろな形をしますが、でも猫なんです、という猫のいないいないばぁ的な展開がシンプルで気持ち良く、くせになる作品です。2歳からですが、9歳の息子は、「めっちゃ、かわいい! くそ、かわいい!」と絶賛していました。(スミマセン、汚い言葉で)。

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次に、猫好きの方に、赤ちゃんがいるご家庭に、二人目が生まれたごきょうだいに、ぜひ『ねえ だっこして』(竹下文子:文/田中清代:絵/金の星社)。生まれたばかりの赤ちゃんに、大好きなお母さんのお膝を取られた猫の気持ちを淡々と描いた作品です。ちょっと切なく、キュンと胸が詰まる感じは大人になった方が感じるかもしれませんが、3歳から。そして、昔も読みましたが、いま一度読んで聞かせてみた結果、9歳のウチの子は、「めっちゃ、かわいい! タンタン思い出すから、めっちゃ、かわいい!」と言いました。(スミマセン、表現が乏しくて)。

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最後に、息子と何度も読んだ猫の絵本はこれです。『かねもちのいえのねこ と いえのないねこ』(バーナード・ウェーバー:文・絵/童話館出版)。野良猫と家猫、どちらの暮らしもそこそこ悪くないけれど、できれば素敵な名前があったほうがいいのかも? 野良猫スキャットの出世(?)物語。5歳ぐらいから読んで聞かせていましたが、先日の日曜日、なかなか起きてこない息子のベットの脇に座り、久しぶりに開いてみました。読み終えると、「めっちゃ、かわいい! タンタン撫でたくなったから、起きようっと!」とのこと。今では、この物語以上にタンタンに夢中なようです。

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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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