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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

息子と母の3人で。初高知と初鰹とお寺のお友だち、それと魚市場絵本【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2019.04.16

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


初高知と初鰹とお寺のお友だち、それと魚市場絵本

久しぶりに私の母がパリから帰国したので、息子の春休みを利用して3人、我が家にゆかりある高知を訪問してきました。
特急あしずり、南風などに乗って、菩提寺のお寺に数泊お世話になり、スケジュールは盛りだくさん。高知城、魚市、鰹のタタキ賞味、桂浜、酒蔵、その他、諸々資料館、諸々跡地、など、一見すると、大人向けのプランですが、子どもだって楽しめます。武将好き、幕末好き、電車好き、魚好き、寿司好き、という男子にとっては特に、アミューズメントパークよりも娯楽三昧かもしれません。
ウチの息子もそんな男子の一員です。
そんなわけで、高知龍馬空港からまず最初に向かった高知駅では、乗り継ぎ時間に、わざとたっぷり1時間強取りました。高知の特急を息子が存分にホームから見るためです。

特急を見て楽しむ息子。
特急を見て楽しむ息子。

大人はその間待ってるわけですが、案外都合が良いものです。私はホームで読書ができますし、私の母、つまり祖母の方も、良い年なので、慌てて階段を登ってつまづいて、あわや命取りとヒヤヒヤする代わりに、駅の喫茶店でのんびりコーヒーを飲み、エレベーターを待つゆとりが持てるわけですから。
早速行った魚市も息子にとっては水族館です。カツオの他にフグやら、小さいイカやら何やらを目にすることが出来て面白がっていましたし、魚を捌く様子も、もはやパフォーマンスレベルで見入ってました。
パフォーマンスといえば、カツオの藁炙りです。目の前で炙ってもらったタタキを初めて口にして、面白い、美味しいとがっついていました。お寿司やお刺身好きにとってはたまらないでしょうね。春のカツオは初鰹と言って、秋の戻り鰹と違って、脂身が少なくさっぱりとしているそうです。そこがまた気に入ったらしく、滞在中に幾度もタタキを食べました。ちなみに帰りの特急列車「南風」でも、高知駅で買った「カツオのタタキ弁当」をペロリとたいらげました。結構な量だったのに。

瀬戸大橋からの眺め。カツオのたたき弁当を食べながら。
瀬戸大橋からの眺め。カツオのたたき弁当を食べながら。

高知城に行けば、早速、山内一豊や板垣退助の像の前で記念撮影。賢妻として有名な千代像もあり、恩恵を受けるんだとか言って、拝んだりもしていました。楽しいことばかりなので、急な階段も天守閣まで元気に登ります。そして中に入ると、フラッシュ無しならOKという看板を見て、パパから貰ったカメラを取り出し、熱心に資料や部屋や景色を写していました。忍者用の襖(?)や、雪隠もしっかりチェック。その辺、やはり男子だなぁと苦笑いする母です。

晴天の高知城。
晴天の高知城。

さて、出口で外履きに履き替えると、早速良い写真がたくさん撮れたとカメラをチェック。すると、あろうことか、息子は、うっかり写真を全部削除してしまったのです。ショックなんてものじゃありません。息子はすっかり元気をなくしてしまいました。
せっかくの楽しい高知旅行が、台無しになってしまわないだろうか。すると、お寺の閑栖様が気遣ってくださり、翌日も高知城見学をすることに。息子は元気を取り戻し、大人はやれやれ。めでたし、めでたし。
そして三日目。さすがに息子も疲れが出てきたのでしょう。酒蔵や資料館について来たがらず、お寺で遊んで待つことにしました。お寺には丁度同じ年の男の子がいたのです。閑栖様のお孫さんでした。
結局、楽しいことづくしのこの高知訪問で、息子が最も楽しんだのは、なんだったと思いますか?
大好きなお城よりも鉄道よりも、カツオのたたきよりも、何よりも、その男の子と遊んだことです。初っ端から意気投合して、一緒に「ミニ四駆」や「ガンダム」や「ポケモンGO」で遊んだり、池の鯉に餌をやってみたり、裏山に登って獣の形跡を探したり、枯れ草飛ばしごっこをしたり。
色々な見物もいいですが、やっぱり子どもです。気の合うお友だちと遊ぶのが一番のようですね。

お寺の男の子と「ミニ四駆」で遊ぶ息子。
お寺の男の子と「ミニ四駆」で遊ぶ息子。

さて、今回は、高知の魚市や初鰹も印象的だったので、魚市絵本を紹介したいと思います。
『おさかないちば』(加藤休ミ:作/講談社)。タイラギって何だろう?お寿司屋さんでそんな疑問を抱いた「ぼく」が、魚市場に見学に行くお話です。作者の加藤休ミさんは、作風に定評があり、クレヨンとクレパスでよくここまでリアルに魚を描けるものだと、思わず見入ってしまいます。市場の威勢のいい様子もユーモラスに描かれていて、主人公の「ぼく」と一緒に楽しく市場体験ができます。もちろん、タイラギの正体も分かりますよ。(5歳ぐらいから、小学生向け)。

おさかないちば

『よるのさかなやさん』(穂高順也:文、山口マオ:絵/文溪堂)。夜になってお魚屋さんが寝静まった頃、魚介類が陳列棚から這い出して、やれかくれんぼだ、やれ野球だ、と遊び始めます。魚屋版オモチャのチャチャチャといった感じ。子どもは純粋で真面目だからでしょうね。こんなことあるわけないという展開に、素直にウケてくれる人気絵本です。3歳ぐらいから。小学校の低学年読み聞かせでも。

よるのさかなやさん

最後に同じ四国の愛媛県が出身だという長野ヒデ子さんの人気絵本、『せとうちたいこさんシリーズ』から一冊。『デパートいきタイ』(童心社)です。この方の作品は、読めば読むほど愛着が湧くのは私だけでしょうか。愛媛の特産物でもある鯛が主人公ですが、そのお茶目なこと!あれもやりたーい、これもやりたーい、「ターイ、ターイのたいこさん」。テンポよくデパート巡りをしていると、鮮魚コーナーに来てしまい…。子どもと一緒に思わず笑ってしまいますよ。
というわけで、高知にまたいきたーい、の親子でした。
(Anne)

デパートいきタイ
prof2

Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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