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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

少しづつ親の手を離れ、自立してゆく息子。哺乳類展と動物絵本【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2019.04.25

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


哺乳類展と動物絵本

新年度が始まり、息子もいよいよ4年生。小学生活を2分割すれば高学年の仲間入りです。
担任の先生が代わったり、友達の顔ぶれも違ったり、よその学校から来たお友達ができたりと、子どもたちにとっては何かと変化があるこの時期です。子どもによっては、すぐに新しい環境に馴染めず不安を抱えながら過ごすこともあるかもしれません。
親としては子どもの気持ちを汲み取りながら年度のスタートを切りたいと思うところですが、そんな心配をよそに、息子の方は、毎年この時期、1年の中で1番はつらつとしているかもしれません。なにせ世界が広がるとワクワクするタイプ。クラス替えはなかったものの、担任の先生が新しくなり、教室の場所も代わり、責任のある係も受け持てて、やる気に満ちている様子が見て取れます。もう私があれこれ気にかける余地も与えてもらえないくらい。なんとなく、置いてきぼりを食らっているような気分です。
こうして少しづつ親の手から離れ、自立してゆくのだろうなと思うと、もちろん嬉しいですし誇らしいですが、やはり少し寂しい。
お家でも、自主的に宿題も取り組むようになり、ピアノも適当ではありますが、思い出したら積極的に練習します。片付けも入浴も着替えも就寝も、放っておけば自分で手際よくやってしまいます。

というわけで、私は、先日、カレーだけ作ると、あとはパパに任せて、久しぶりに飲みに出かけました。今までなら、夜、友人との食事会に出かけても、ちゃんと寝間着を取り出せただろうかとか、ちゃんと寝ただろうかとか気になって早々に帰宅していました。でも、もう、それも気にならなくなりました。きっと上手くやってる。
そう思って安心していたら、その晩、私が帰宅したのはなんと深夜。お陰さまで友人と久々に長々と話ができました。

さて。少し前の春休み中のことです。「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」(国立科学博物館、6/16まで)を見てきました。こうした展覧会へはいつも親子だけで行っていましたが、今回はクラスの仲良しも誘ってみました。これまでは、展示物を指して、これは何か、だとか、どうしてこうなのか、などと息子の質問責めにあったり、私の方が問いかけたりして、親子でとやりとりをしながら観賞するのが当たり前でしたが、お友達と一緒だと全然違いました。2人で観察し、会話し、盛り上がってます。私には目もくれません。なんて楽なんでしょう!私は羽を伸ばしながら観ていましたが、だんだんと寂しくなって、構って欲しい妹のように、2人の間に割り込みました。
「なになに?」と私。目の前には動物の剥製がずらりと整列しています。これは一体どういう基準で並んでいるんだろうかと2人は話し込んでいたそうです。
「きっと、右のほうに行けば行くほど哺乳類なんじゃない?」と意見を言ってみました。
すると、お友達の方はびっくりした様子で私を見上げます。
息子は、呆れた顔をしています。
「ママ!なに言ってるの?これ、全部哺乳類だよ。そういう展覧会なんだから!」
ああ、恥ずかしい。なんてトンチンカンなコメントをしてしまったのだろう。
もう、息子たちの間に入っていこうと野暮なことはせず、出口まで大人しく後ろからついていくだけにしました。

哺乳類展

というわけで、哺乳類の絵本を三冊ご紹介します。
哺乳類というと堅苦しいですね。動物絵本です。
まず、『しましまかしてください』(林なつこ:作/教育画劇)。ゾウさんが、シマウマとお友達になりたいがために、ハチやトラに縞模様を借りに行きます。可愛らしい展開で、お話会でも人気です。4月は、小学1年生のスタートプログラムで読んで聞かせました。

絵本

『どうやってねるのかな』(やぶうちまさゆき:福音館書店)。絵本の動物画といえば、この方。リアルなタッチで描かれた動物たちは、小さい子にとってもとても親しみやすく、且つ、何度見ても見飽きない面白さがあります。動物たちがどうやって寝るのか、大人だって意外と知らないものですね!(2歳から)

絵本

松岡達英さんの動物画も外せません!今回は数ある作品の中から、『いのちのひろがり』(中村桂子・文/たくさんのふしぎ傑作集/福音館書店)を選びました。私たちすべての生き物は、元はと言えば、38億年前に生まれた一つの細胞だということから、今に至るまでの、いのちの繋がりを描いている作品です。小学生向けですが、生物好きにとっては大変魅力的な絵だからでしょうか、6歳の時に息子に見せて以来、繰り返し読まされたものです。生き物の進化に興味を持ったのも、尊敬する人はダーウィンだというのも、発端はこの絵本からです。
知られざる生き物の世界はまだまだあります。そんな世界を、絵本を通じてイメージを膨らませたいですね。
(Anne)

絵本
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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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はじめまして、アンヌです

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