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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

環境について勉強している息子。消えたキックボードと、ゴミのはなし。【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2019.07.02

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


消えたキックボードと、ゴミのはなし

先日、翌日の準備をするため、ランドセル片手に翌日の時間割を見ていた息子が、「わーい、明日は、先生の社会だ!」と言いました。どういうことだろうかと思い、「(担任の)先生の社会の授業は面白いの?」と聞いてみると、「うん、めっちゃ面白い!国語も算数の理科も全部面白い!」と言うのです。私が小4だったころは、授業を面白いだとかつまらないだとか感じることもなく、ただ受け身で聞いていただけだったように思いますが、息子の時代の授業はもっと活気がある雰囲気なのだろうか。少なくとも、4教科全て子どもが面白いと思える授業を展開してくれる、そんな器用な先生がいるなんてと驚きますし、とにかくありがたいです。さらにありがたいことに、息子は、明日も先生の面白い授業があると思うと、翌日の準備も捗るようで、私の方もあれこれ口を挟まずに済んでいます。

さて、その社会の授業。このごろはゴミについて勉強しているようです。先日も清掃工場に社会科見学に行ってきました。私も引率でついて行きましたが、実際にこういうところに足を運んで、ゴミの分別や燃焼はどのように行われているのか、どのような手間や問題があるのか、などを見聞きしてみると、日々、どれだけ私たちがゴミに対して無神経だったか思い知らされました。エコバックをぶら下げて買い物しているだけでは、十分ではないのですね。もっとゴミを出さない努力を、もっと再利用を、もっとリサイクルしやすいようにしっかり分別を。これをリデュース・リユース・リサイクルの、3R活動というそうです。

エコバック
我が家のエコバックたち。フランスのもの、オランダものも、アメリカのものなどもあります。
いろいろなバックに入れっぱなしにしておくと忘れません。そろそろ日本でもポリ袋有料化が始まりそうですね。

息子も、意識が高まり、よく考えるようになりました。我が家の問題は、ミネラルウォーターのペットボトルが多すぎると指摘します。ウォーターサーバーにするべきだと提案するので、パパと目下検討中ということにもなりました。もともと海洋生物好きです。ゴミのせいで海が汚染され生態系へ被害を及ぼしていると思うとたまらないと言います。確かに、ごもっとも。

そんなある日曜日、朝寝坊を楽しんでいた息子が急にスックと起きてきて、自分のキックボードがないと騒ぎ出しました。記憶を辿ってみると、木曜日にキックボードで買い物に行き、そのまま忘れて徒歩で帰ったことを思い出したようです。即サンダルを引っ掛け、朝食も食べずにお店まで確認しに出て行きましたが、見つからず、がっかりして戻ってきました。
通常なら、忘れて帰ったことや持ち物を大切にしなかったことを注意するべきだと思いますが、その時の私はそういう気持ちになれませんでした。息子の表情から、そういった後悔と反省は十分伝わってきたからです。新しいのを買ってとも、もちろん言いません。
「誰かが持っていたのかもしれないね。」
「うん」
「3日間も無くなったことに気づかなかった、ということは、もう卒業っていうことかもしれないね。」
「うん」
良いのか悪いのか分かりませんが、なんとなく、サラリと話は終わりました。何れにしてもキックボードがなくなってしまった今、騒いでも仕方ありません。それはある意味、リユースだと思うことにしました。物を勝手に持ち去るのは当然いけないことですが、もし誰かが、どうしてもキックボードが欲かったとして、その誰かが、今、とても楽しそうにそれで遊んでいるのだとしたら、少なくとも不燃ゴミになっていないわけですもの。
宿題で持って帰った息子の社会科見学のまとめ新聞制作でも、3R活動が大切だと言うようなことを、張り切って書いていました。「先生の面白い社会の授業」なだけに、面倒臭がらず。

さて、今回は、もちろんゴミがテーマの絵本です。
『いろのかけらのしま』(作と絵:イ・イミョンエ/ポプラ社)。

絵本

「いろのかけら」とはなんでしょう?そんな謎が、ページをめくるごとに、少しずつ解き明かされていきます。鳥の視線で語られるシンプルな言葉は、プラスチックごみがもたらす環境汚染と生態系への危機に警告を鳴らします。世界でも高く評価された小学生向けの作品です。先日、近隣の小学校でも4年生は清掃工場へ見学に行くということでしたので、これを読んでみました。真面目なテーマの絵本でしたが、意外と反応が良く、子どもたちから様々な素敵な感想をいただき嬉しかったです。ありがとう!

『やまからにげてきた・ゴミをぽいぽい』(田島征三:さく/童心社)は、ユニークな作品です。

絵本
絵本

横書きのタイトル『やまからにげてきた』の表紙を左側にめくると、動物たちがどんどんどんどんやまからにげてきます。どんどんにげてきた訳は、山の工事が始まって、ゴミ捨て場ができたからです。ゴミ捨て場ができたのは、ゴミをポイポイする人がいるから、と読み進み、裏表紙に『ゴミをぽいぽい』というタイトルが出てきます。これがまた表紙になって、裏から表へと読み返すことができます。ゴミをぽいぽいすると…、動物たちが、やまからにげてきた、という具合に。ゴミの問題と命の問題がつながる、リバーシブル絵本です。3歳から。

『ポリぶくろ、1まい、すてた』(ミランダ・ポール:文、エリザベス・ズーノン:絵/さ・え・ら書房)。

絵本

舞台は西アフリカのガンビアです。プラスチックゴミが美しい村を汚してゆく様を見かねたアイサトさん。なんとかしようと、ポリ袋を細く割いて糸を作り、その糸でお財布作りを始めます。ゴミのリサイクルを考える、小学生向けの本ですが、ポリ袋でお財布づくりは家庭でもできそうで、5~6歳の子どもでも面白そうだと思うでしょう。息子は、即、夏休みの自由研究にしたいだとかいって、影響を受けたようです。
ゴミの問題はもう、待った無し。子どもたちとアイサトさんのように解決策を考えてゆきたいと思います。
(Anne)

prof2

Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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