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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

息子と行ったJAXA宇宙センター。お月見か月面着陸か。そして月の絵本。【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2019.09.27

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


お月見か月面着陸か。そして月の絵本。

さて、今年もお月見のシーズンとなりましたね。9月は13日が十五夜でした。10月には11日の栗名月が待っています。
なにせ息子はお月見がとても好きなので、我が家では、クリスマスやお誕生日のような、一大イベントです。そうなったのも、息子がとても小さかったときですが、「月」をみては、狼男さながら大興奮するという時期があったからです。私たち一家は息子の月ブームに巻き込まれ、月の絵本を読んで聞かせたり、月グッズを買って来たり、やったことのないお月見も、行事として取り入れるようになったわけなのです。

今ではもう、月だ月だと騒ぐことはなくなりましたが、お月見だけは楽しみにしているようで、毎年この時期が来るたびに、息子の方から「お月見をしよう」と誘ってきます。その度に私も、昔の月ブーム時代を思い出して、懐かしんでます。
「お月見」といっても、我が家では、やることはいたって簡素です。
お団子を買ってきて、お茶と一緒にお盆に乗せ、お座布団を敷いて窓から月を見る。それだけです。今年も、ススキもワレモコウも飾りませんでしたし、見た目には優雅からは程遠く、おしゃれでもなんでもありません。でも良いんです。月を愛でて、楽しい、という思いだけ分かち合えれば。

息子が小さい頃は、こうも月好きだったら、きっと宇宙に興味を持つに違いないと思ったものです。でも、いくら時間が経過しても、月に行きたい、と息子の口から出てきません。いえ、2、3度はあったかもしれませんが、思いつきで言った、というレベルでしょう。お月見というイベントが好きということだけが残り、月への情熱は、いつの間にか鉄道や生物など、他の関心事にすりかわっていき、図鑑シリーズも「宇宙」の巻だけは手垢がついていません。
だから、息子は宇宙に興味がない、そんな風に決めつけていました。

ところが、先日、なんと、つくばの「JAXA宇宙センター」に行きたいと息子が言うのです。
おお、いよいよ、宇宙に興味を持ってくれたかと、息子の口から宇宙飛行士になりたいという一言が聞けるのも、もう時間の問題かもと、ウキウキしました。だって、宇宙飛行士、ですよ。ちょっと、カッコイイじゃないですか。そう思ってしまう母の私がいるのも隠せません。もちろん息子の人生ですし、どんな職業についても構わないのですがね。

さて。つくばエクスプレスに乗り、終点のつくば駅に到着しました。「JAXA宇宙センター」は、つくば市の筑波研究学園都市の中にありますが、到着してみて実感したのが、都市自体がとてつもなく広い。見渡す限り広大な研究施設が立ち並び、都市計画が緻密に施された街並みはクリーンで、私たちが暮らしている街並みとは雰囲気が違いました。そして、とにかく広いので、色々と巡ろうと思ったら、ツアーに参加するか、あらかじめスケジュールを綿密に立てて来ないととても見学しきれない、ということが、無計画で到着したこの終点駅でわかりました。でももちろん、そこで怖気付いていても仕方ありません。ひとまず、目的の宇宙センターに向かうことにしました。

宇宙センターに入ると、あれほど行きたいと言っていた息子は、あっという間に見学を終えて、もう十分だと言い、さっさと帰ろうとします。一応興味は持って見学はしていたようでしたし、宇宙服着て写真を撮るのも楽しそうでしたが、「宇宙のロマンに思いを馳せる」と言ったような憧れや情熱は、やっぱりないようです。

宇宙服

とはいえ、はるばるつくばまで来たのに、早々に家に帰るのではもったいない。では、隣にあるという地質標本館に行こう、となりました。隣といっても徒歩15分~20分。やっぱり、つくばの土地感覚は広いです。

結局、宇宙センターに行きたいと言った息子は、こちらの地質標本館の方に夢中になっていました。さまざまな地層や美しい石が分かりやすく展示されていて、その魅力が素人にもとてもよく伝わってきます。こちらではたっぷりと時間をかけて、見学してきましたよ。
息子は、宇宙より地球が好き。月も、月面着陸ではなく、地球から見上げるのが好き。やっぱりそういうことのようです。

ということで、今回は、月の絵本をご紹介します。

『おやすみなさい おつきさま』(マーガレット・ワイズ・ブラウン:さく、クレメント・ハード:え/評論社)。

絵本

あの、オバマ元大統領も読んだという、定番絵本です。これから寝ようとする小さな子ウサギが、お部屋のもの一つ一つを確認しながら、おやすみ、おやすみ、と声をかけてゆきます。読みながら、だんだんと、心が休まり、静かになってゆき、ああ、もう寝るんだな、という気持ちにさせられる、おやすみ前の絵本。小さなスタンドランプの光だけにして、息子を膝にのせ、寝る前の儀式のように、私は毎晩、この絵本を読みました。

『つきのぼうや』(イブ・スパング・オルセン:さく・え/福音館書店)。

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我が家の一番縦長の絵本です。おつきさまがふと下を見ると、池に映ったもうひとりのおつきさまがいることに気づきます。それが気になって仕方がないおつきさまは、つきの坊やに連れてくるように頼みます。つきの坊やは雲をくぐり、鳥たちの間を抜け、風に飛ばされそうになりながらも下へ、下へと降りていきます。海底まで辿りつたぼうやは、おつきさまに素敵なお土産を持って帰るというお話です。縦長の形がとても良く生かされていて、楽しいですよ(3才から)。

『うそつきのつき』(内田麟太郎:作、荒井良二:絵/文渓堂)

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息子が折った、ブリと。

何があっても絶対に笑わないという、つきのおじさん。
鶏が2羽鳥を飼っていても、イタチが年をはたちと言っても、木になるキリンを気になるキリンがいても、絶対に笑いません。だってちっとも面白くないんだもの、なんていう嘘はつけず、読んでる方は思わずブッと吹き出してしまいます。素晴らしいナンセンスだじゃれ絵本。3才ぐらいから、小学生にもウケます。
少し涼しくなった秋の夕べに、ちょっと外へ出て色々な月の表情を眺めたいものですね。

(Anne)

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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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はじめまして、アンヌです

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