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Column 絵本とボクと、ときどきパパ

ギャラリーTOMにて展覧会を開催!絵本との素敵なご縁に感謝。【Anneママの『絵本とボクと、ときどきパパ』】

2019.10.15

この連載は……
モデルのアンヌ(Anne)さんによる絵本紹介エッセイ。小学生の男の子ママでもあるアンヌさんは、出産をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまでは息子さんだけでなく地域の読み聞かせ活動にも参加するほどの絵本好き。息子さんとの日々も綴ります。


ギャラリーTOMとTOM氏の作品

『しんせつなともだち』(方いーちゅん:作、村山知義:画/福音館書店)は、今年の3月にもご紹介した冬の定番絵本ですが、お子さんと一緒に楽しんでいただけたでしょうか?

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食べ物も無くなってしまった寒い冬、手元のカブを友達に分けてあげようとするウサギ、ロバ、ヤギ、シカ。友達を思いやる気持ちがシンプルにまとめられた、心温まるお話で、10歳になった息子は今でもふとした時に手に取っている、我が家の愛着ある絵本です。シカが登場するシーンでは、息子は必ず可愛いと目を細め、その様子がとても可愛らしく、親子の心和むひと時だったのが思い出されます。

息子が「可愛い」と言ったこの絵を手がけたのは、村山知義氏です。TOMというサインが、絵の下の方に記されていますね。奥様の村山籌子氏も児童作家で、紙芝居を始め数々の作品を残しています。息子の村山亜土氏もまた、児童劇作家で、松濤には奥様の治江さんと設立した『ギャラリーTOM』という美術館もあります。実はこの美術館、目が不自由だった亜土氏ご夫妻の息子さんが、ある時発した「僕たち盲人にもロダンを見る権利がある」という言葉に突き動かされて設立されたそうなのです。ここでは、作品に触れることができ、ワイワイとお喋りも許されている。いわゆる美術館という概念を覆すような、自由な空間です。『TOM』という名前の由来は、もちろん、亜土氏のお父様。『しんせつなともだち』を描いた方ですね。

さて、今回、冬でもないのにこの作品、『しんせつなともだち』をご紹介したのは、こんなご縁ががあったからです。

こちらのギャラリーで、この度、私の義父、アラン・ジュフロワの展覧会が開催されることになったのです。義父は、元々シューレアリスムの一員だったフランスの詩人で、美術評論家、作家でもありました。日本の芸術家たちとの交流も深かったのですが、今回はその思い出話や作品紹介などが行われる予定です。絵本ではありませんが、良かったらぜひ覗きにいらしてください。

10月(19日~10月27日、ギャラリーTOMにて)。
”詩を生きる”オープニング  公式サイト

というわけで、このギャラリーにゆかりある方々の作品をもう2作ご紹介します。

『かさをかしてあげたあひるさん』(村山籌子おはなし集、山口マオ:え/福音館書店)は、「TOM」氏の奥様の作品で、子どもが寝る前に聞くのにぴったりの短編集です。

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雨の日、お友達のニワトリさんにかさをかしてあげたいけれど、かさがなくなるとお母さんが困ってしまうから、どうしようかと悩む優しいあひるさんのお話や、おねこさんに悪いことをしたと言って泣いてしまうこぐまさんを、おねこさんが慰めてあげるお話など。登場するのは身近な動物たちや擬人化した野菜たちで、その愉快な喜怒哀楽が散りばめられた、ほっこりするお話ばかりです。村山籌子さんのシュールで思いやりのある世界観とレトロな言葉遣いがとても味わい深く、また『わにわに』のシリーズで有名な山口マオさんの、太いタッチの絵とのバランスが絶妙です。5歳から。

『トコとグーグーとキキ』(村山亜土:さく、柚木沙弥郎:え/福音館書店)。

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こちらは、ギャラリーの設立者である、村山亜土氏の作品です。オニオオハシのトコと、ナマケモノのグーグー。そこに動物サーカス団の一員、カメレオンのキキが上から落ちてきて…。のんびりとしたシュールな世界観に、それぞれの個性が光る物語で、優しい気持ちになります。柚木沙弥郎さんの遠目にも映える絵は、お話会にもぴったりです。4歳から。

気持ちが優しくなれるようなお話は、1日の疲れをほぐしてくれるはず。子どもだって、疲れる日もありますからね。

(Anne)

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Anne (アンヌ)

モデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。


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はじめまして、アンヌです

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