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ハッピーハロウィン、なにをどうする?
2020.10.15 by Anne Anne

連載:絵本とボクと、ときどきパパ ハッピーハロウィン、なにをどうする?

芸術、スポーツ、夜長、果物、お月見、などなど秋になるとテーマが目白押し。読んで聞かせたくなる絵本がたくさん出てきますが、今回は、ハロウィンのお話にしようと思います。

少し早めですが、お友達から頂いたハロウィンクッキー。

息子が小さかった頃、10月も半ばになると、周囲のご家庭では、楽しそうにお菓子を作ったり、華やかな仮装をしてパレードに参加したりと忙しそうでした。クリスマス以上のイベントなのでは、と思ったほどです。

それを指をくわえながら眺めていた私。

息子にも何かしてあげたいけれど、なかなか腰が上がらない。私にとっては馴染みが薄いイベントで、そもそもどういうお祭りなのか知りませんでした。

何をどうしようと戸惑うばかりで、絵本だってハロウィンものはスルーしていたほどです。一回しか着ないだろう衣装を買うのは気がすすまず。かと言って縫うほどお裁縫は得意ではありません。

せめてかぼちゃのクッキーやパイを焼くかと意気込んでみるも、これをご近所に配るのも違うような…。などともたもたしているうちに世の中はクリスマス一色に。ああ、今年も何もしてあげれなかったな、と後悔して終わっていたのです。

とはいえ、息子はハロウィンの楽しみを全てスルーしていたわけではありません。保育園では何かしらの催し物がありました。

それに…、園の帰りです。

ある10月31日のこと。いつものように5時のお迎えにいくと、もう辺りは真っ暗でした。ところどころ街灯が照らす弱々しい明かりを目印に、親子連れだっていつものように歩道を進んでいました。

すると突然、物陰から「トリック・オア・トリート!」と可愛い声が聞こえます。ふと見ると、暗がりの、とあるお宅の門前に、ボロボロの布を被った小さな魔法使いが立っているではありませんか。手にはお菓子がいっぱい盛られたカゴ。足元には、ひっそりと光る小さなかぼちゃのランタン。そして「びっくりさせてごめんなさいね」と横からお母さんの声。笑顔が優しい欧米風のマダムでした。

そして「良かったらどうぞ」とすすめてくれたのが、小さな魔法使いが取り出した、アメひとつ。ハロウィンって、仮装した子からもらうんだったっけだとか、戸惑うのは母の私だけで、息子の方は、素直にアメをいただいてました。

このサプライズに、息子の喜びようったらありません。覚えたてのスキップで家まで帰り、その後もあの親子は誰なのか何度も聞いてきたり、本当の魔法使いなのかもと疑ってみたり。あれこれ喋ってなかなか興奮が冷めないでいました。おかげで私にとっても一番楽しかった10月31日でしたよ。

その後、小学校に上がって、迎えた31日。

近所のクラスメイトが、「トリックオアトリート!」と言って、放課後ウチの門を叩いてきたことがあります。お菓子をねだられるのかと思いきや、逆に、チョコの「サンダー」をくれました。それにも息子は大喜び。「ママ、急いで! お返し、お返し!」。急かされるままに家にあったアメをジップロックに入れて渡しました。

普段着のお菓子のやりとり。それで十分でしょう!

華やかに仮装してお菓子をもらいにいく。パレードに参加する。それもいいけど、忙しいママだったり、私のように腰が重いママ、頑張りすぎなくてもいいんです。キッカリしきたりに沿わなくても、子供は楽しんでくれるものですもの。

ちなみに、結局、私も学びました。元々は古代ケルト人の「お盆」や「大晦日」なんですね。一年の締めくくりでもある10月31日の夜になると、他界との間を様々な霊が行き来すると言われていたそうです。怖い格好をするのは悪霊や魔女を追いやるため。かがり火は魔除けの意味と霊を正しく導くためのものだったそうです。それがアメリカに渡り、特産物のかぼちゃでランタンを作るようになったり、今のような形に変わっていったようですね。

さて。息子には読んで聞かせずに終わってしまった、おすすめ絵本です。

『ハロウィン!ハロウィン!』(西村敏雄:さく/白泉社)

小さい子向けのとても短いハロウィン導入絵本。シンプルですが、楽しい。どんな格好をしてゆこうか、たろうくんと動物たちは考えます。なんのことはない、身の回りのもので仮装ができるものなんですね! もっと前にこの絵本に出会っていたら、私も息子とパレードに参加していたかもしれないな、と思いました。2歳から。

『きょうはハロウィン』(平山輝彦:さく/福音館書店)

ハロウィン初体験の物語です。アメリカに引っ越してきた日本人のけんちゃんは、近所の家々を回ろうと、お隣のお友達に誘われます。ドキドキしながらもついていくと、何やら魔女がいそうな古びた家の前に着きました。ケンちゃんは「トリックオアトリート!」と言えるでしょうか? 気持ちの良いくらいハロウィンの様子が分かる作品です。また、ケンちゃんのお母さんが用意してくれた「衣装」も、なるほどと思いました。手の込んだことをしなくても良いんですね!

『魔女がいっぱい』(ロアルド・ダール:作、クェンティン・ブレイク:絵/評論社)

とんがり帽子に長いガウン。本当の魔女というのは、そんな格好はしていないんだそう。ダールによると普通の人となんら変わらない姿をしてるんですって。見分け方をおばあちゃんに教わった「ぼく」は、ある日こっそり魔女の集会を覗き見します。ところが、見つかってしまい、さあ大変。ハラハラドキドキの展開が始まります。

皮肉たっぷりのダールの世界観は、子どもたちを引きつけてやまないものです。大人は「けしからん」と思うかもしれませんが、存分に楽しませてあげたい。ウチの息子も大好きです。主人公の前向きな生き方が特に気に入ったようです。ちなみに本書を購入すると、10%は慈善事業に充てられます。ぜひ、重い病気を持つ子どもたちの力に!

では、ハッピーハロウィン! 楽しんでくださいね!

(Anne)

Anne

Anneモデル・絵本ソムリエ

1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 国内外のショーやファッション誌を多数経験。映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆も手がける。 出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。 6歳までに息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。 現在所持する絵本も約1000冊という無類の絵本好き。

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