連載:オ イッチ ニー 0・1・2 歳向け 秋まで油断できない「蚊」。赤ちゃんに刺されあとを見つけたらやっておきたいこと
今月の012を担当している石井です!
今回のテーマは蚊。本記事に書ききれなかった蚊の情報や取材裏話をご紹介。
蚊によって命を落とす人は100万人!?
だいぶ涼しくなってきましたが、まだまだ油断できないのが「蚊」のこと。
手のひらでパチンと叩けば退治できる小さな蚊ですが、蚊によって命を落とす人の数は年間約100万人。最も多くの人間を殺している生き物だというから侮れません。
蚊の脅威から我が子を守るにはどうしたらいいのでしょう。蚊に詳しい人っていないかしら……と調べてみたら、こんな本を見つけました。
『なぜ蚊は人を襲うのか』(嘉糠洋陸 著/岩波科学ライブラリー)
血を吸うのは吸った血を栄養にして卵を産むメスの蚊だけ、1回人を刺した蚊は100個の卵を産む、蚊に刺されるとかゆいだけでなく蚊を増やすことを手伝っていることにもなるから刺されないことが大事、など「へえ~」な話のオンパレード。
さっそく著者の嘉糠先生に取材を申し込むと、すぐにお返事をくださり「研究所に、ちょうど2歳の子どもがいるママ研究者がいる、彼女が適任でしょう」と。
すわっ、と件(くだん)の研究所を訪ねました。
蚊が刺す条件は、二酸化炭素、熱、匂い、
ママ研究者とは、佐久間知佐子さん(東京慈恵会医科大学 熱帯医学講座 助教 博士)。研究所では常に何千匹もの蚊を飼っているとかで、私も見せていただきましたが、蚊を見つめる佐久間さんの笑顔が優しい! にっくき蚊でも、毎日見ていると愛おしくなるのでしょうか……。
さて、なぜ蚊は人を刺すのでしょうか。
蚊が寄ってくるには3つの条件があるそうです。それは、二酸化炭素(人が吐く息)、熱(体温)、匂い。匂いは、汗をかくことでより強くなります。大人より体温が高く汗っかきの赤ちゃんは、3つの条件のうちの熱、匂いによって、大人よりも蚊の標的になりやすいのだそう。
でも、絶対に蚊に刺されないようにすることは無理。本記事にも書いたとおり、「あまり刺されないように気をつけることが大事」と佐久間さん。刺されないための工夫は、本記事をご覧くださいね。
蚊に刺されたあとがないか、子どもの体をチェックして
もう一つ大事なのは、お風呂や着替え、おむつ替えのときに、子どもの体を注意深く見て、蚊に刺されたあとをみつけたら、どこで刺されたのだろう、と振り返ってみること。そうすることで、次に刺されないための対策を立てるのに役立ちます。
それと、これが大事なポイントなのですが、もし子どもが、急な発熱、腹痛などを訴えたときに、「あのときに蚊に刺されたのが原因かも」と気づくこと。ただの風邪だと思ったら、デング熱だった、ということもないとは言えません(実際にそういう例はあるそうです)。
「いつ、どこで蚊にさされた。刺し傷の状態はこんなだった」と医師に伝えられれば、早期発見・治療に役立ちます。
刺されたあとが大きく腫れあがるのは……
ところで、赤ちゃんの蚊に刺されたあとが赤く大きく腫れてびっくりしたことはありませんか? 生まれたばかりの赤ちゃんは、蚊に対する免疫がないから、大きく腫れるのだそうです。
「何度か刺されるうちに免疫ができて、あまり腫れなくなりますから安心して」とのこと。そう考えると、ちょっとくらい刺されるのも、免疫を作るためには必要なのかもしれませんね。
暑さが少しおさまっても、まだまだ公園遊びなど、外の活動が多い時期、上手に蚊を避けて、お外遊びの時間を楽しく過ごしてくださいね。
※本記事はこちらで読めます!